フォトアプリガイド

共有くん(Android)

とにかく画像の共有に特化した異色アプリ

 今回紹介するのは、スマホ内に保存された画像データ共有に特化した画像編集アプリ「共有くん」だ。少々安直なアプリ名だが、特化型のアプリだけあって、その使い勝手は優秀の一言。かゆいところに手が届く……そんな機能が充実している。

 試用バージョンは4.70。価格は150円。

「共有くん」のメイン画面

 画像データを共有したくなるタイミングとはどんな場合か。メールで送りたい(添付)時や、SNSへの投稿(アップロード)などだろう。そこで気をつけたいのが画像サイズ。大きすぎると送信エラーを引き起こし、アップロードに時間がかかる。つまり、最適な画像サイズにする必要があるわけだ。「共有くん」は、そういった共有のタイミングで、出力サイズを指定できるアプリとなっている。

 本アプリを起動すると、共有する画像データを選択するため「アプリの選択」画面が表示される。これは本アプリにビューア機能が無いため、画像選択用に端末にインストールされたビューアアプリを利用するためだ。基本的にはプリセットされたものでもよいが、任意に導入したビューアアプリでもよい。ちなみに今回は、試用端末に「Xperia A SO-04E」を使っているため、プリセットされた「アルバム」アプリを利用している。

「共有くん」を起動すると、アプリの選択画面が表示される。ここで選択できるのは、端末にインストールしたビューアアプリだ

 また、手順を逆に、「アルバム」アプリの共有機能から本アプリを起動させることもできる。

「アルバム」アプリの共有機能から「共有くん」を選択しても、「共有くん」を起動できる

 画像を選択し「共有くん」を起動すると、編集画面が表示される。初期状態では「ユーザー定義(640×480)」となっている部分をタップすると、「出力画像サイズ」の選択ポップアップウィンドウが現われるので、任意のサイズをタップして選択しよう。

「ユーザー定義(640×480)」部をタップすると「出力画像サイズ」の選択画面が表示される

 あとは、「共有」をタップして共有先のアプリ・サービスを選択すればよい。本アプリの基本的な使い方はこれだけだ。

出力画像サイズを選んだら、「共有」をタップして共有先を選択しよう

 つまり、ビューアアプリなどを利用して共有したい画像を選び、出力画像サイズを選択後、共有するという流れだ。「画像選択」→「共有」という2ステップに出力画像サイズの変更という1ステップを割り込ませるのが本アプリの役目。プリセットから出力画像サイズを選択できるため、無駄な手間がかからないのもよい。

 本アプリのキモは、「出力画像サイズ」の簡便な選択にある。そして、「出力画像サイズ」で選択できるプリセットサイズは全て任意の数値に変更できる。変更するには、画面右下の「メニュー」アイコンまたは、メイン画面に表示された「スパナ」アイコンから「設定」画面にアクセスし、「画像サイズを編集」をタップする。

画面右下の「メニュー」アイコンをタップすると「リセット」や「設定」にアクセスできる
「共有くん」の設定画面。プリセットサイズを変更するには、「画像サイズを編集」をタップ

「画像サイズ編集」画面では、プリセットされた画像サイズが表示されるので、変更したいプリセットをタップしよう。なお、「ユーザー定義(640×480)」だけでなく、その他のサイズも変更可能だ。画像サイズの変更では、プリセット名称(名前)と幅、高さ、品質を自由に指定できる。ただし、サイズは2048以下という制限がある。

プリセットされた画像サイズをタップして数値や名称を変更しよう

 プリセット名称の変更ができるため、例えば「Facebook用」「Twitter用」「キャリアメール用」「Gmail用」など、共有先の名称を使ってプリセットサイズを指定できる。キャリアメール用はサイズを小さく、Facebook用はサイズを大きめにといった感じで設定しておくと便利だ。

プリセット名称(名前)と幅、高さ、品質を任意に指定しよう

「共有くん」の基本的な使い方は出力サイズの指定と共有だが、トリミングや回転といった簡易編集機能も備える。

 メイン画面の下部にあるアイコンをタップして利用できる編集機能だが、扱いもわかりやすく、例えば回転なら画面に表示された画像部を直接右回転あるいは左回転させるだけでよい。なお、基本的には90度ごとの回転となるため、微調整はできない。

「回転」機能。90度ごとの回転にしか対応していないが、その分操作は簡単

 トリミングは、直接切り抜きたい部分を指定し、縦横比を自由に決められるほか、縦・横の画像サイズ固定、黄金比固定などが用意されている。

画像の切り抜きにも対応。自由比率にて自由なトリミングが可能
縦横比は、自由のほか「画像サイズ固定」(横・縦)と「黄金比固定」(横・縦)が選べる

 他にも、画像に直接線(文字)を入力したり、テキストやスタンプを追加したりもできる。本アプリは単純に写真を共有するだけでなく、こうした簡易的な編集も可能だ。比較的実用性を優先した機能が多く、無駄がない点も好印象。

画像にテキストや線を加えられるペンツール。「ペンタイプ」を自由曲線や文字、スタンプなどから選択できる
入力したテキストを画像のように曲げて貼り付けるといったことも可能。矢印などと組み合わせて、被写体の説明などに使えそうだ

 昨今のスマホに搭載されたプリセットビューアアプリは、共有機能を有しているため、画像サイズの変更はビューアアプリ内で完結させたいところだ。しかし、機能を多くすると操作がわかりにくくなるといったことが考えられるため、ある種の割り切りは必要。そういった意味では、手軽に共有画像を最適化できる「共有くん」は扱いやすい。

 スマホで画像を共有する機会が多く、また共有先が複数あるなら、導入を考えてもよいだろう。

飯塚直