写真展告知
野田雅也写真展:造船記 Chronicle of a Shipbuilder
2023年4月10日 07:00
写真家・映画監督の野田雅也さんの写真展『造船記 Chronicle of a Shipbuilder』が開催される。会場はアイデムフォトギャラリー「シリウス」。会期は4月13日(木)~4月19日(水)。
野田雅也さんの写真集『造船記』(集広舎)の出版を記念した写真展。東日本大震災から11年間、野田さんが見つめ続けた岩手県大槌町の復興の足跡を記録している。
ひょうたん島(蓬莱島)のある赤浜の岸辺で、瓦礫から工具を拾い集める船大工に出会った。大槌湾に面した岩手造船所は津波で壊滅し、流された船は陸に打ち上げられたり、海上を漂流したりしていた。船大工は、「あの船さ、おらほの方から流れたべ」と屋根の上に乗った観光船を見上げた。漁師町の復興に、船は欠かせない。「やんねばなんねえ」、船大工たちは声を合わせた。町に暮らしの明かりが灯る日を夢見て、途切れることなく復興の槌音を響かせ続けた。
被災地でもっとも早く事業再開した岩手造船所には、三陸各地から被災した船が次々に運び込まれた。漁船の修復を終えると、漁師たちは再び三陸の海へ漕ぎ出す。名産の鮭が魚市場に水揚げされると、周辺には冷凍施設や水産加工所が建ち、大漁と安全を願う伝統の祭りも復活した。
今、蓬莱島の灯台は海を照らし、夜空の下に街明かりが輝く。家族や仲間を失い、悲しみや苦しみを乗り越えても、さらに困難は続いた。しかし船大工をはじめ、町の誰もが、誰かの明日を想い、支えあい、新しい町を築き上げた。写真展『造船記』は、東日本大震災から復興までの不屈の歩みをたどる船大工たちのクロニクル。
(展示予定枚数 50点)
会場
アイデムフォトギャラリー「シリウス」
東京都新宿区新宿1-4-10
開催期間
4月13日(木)~4月19日(水)
開催時間
10時00分~18時00分(最終日は15時00分まで)
休館日
4月16日(日)
作者プロフィール
野田雅也(のだ‧まさや Masaya Noda)1974年福岡県生まれ、写真家‧映画監督。バックパッカーとして 世界を放浪し、写真を始める。ライフワークとしてチベットを撮影、 世界情勢や地球環境を取材して国内外で記事や映像作品を発表する。日本写真家協会(JPS)会員、日本ビジュアル‧ジャーナリスト協会(JVJA)会員、Media Labo ノダグラ代表。映画に『遺言 原発さえなければ』(2014年)、『サマショール 遺言第六章』(2018年)、『ふるさと津島』(2020年)。共著に、『災害列島‧日本』(扶桑社)、『3‧11メルトダウン』(凱風社)、写真集『造船記』(集広舎)を2023年3月11日に刊行。