写真展告知
ソニーイメージングギャラリー、延期していたritsuko matsushita作品展「いつか宇宙に還る」を開催中。8月12日まで
2021年8月3日 11:25
東京・銀座のソニーイメージングギャラリーは、ritsuko matsushita 作品展「いつか宇宙に還る」を7月30日(金)から8月12日(木)にかけて実施している。
新型コロナウイルス感染拡大防止のためにソニーイメージングギャラリーが臨時休館となり、開催を延期していた展示。
子どもの頃、「私」の範囲がわかりませんでした。指先やつま先はとても遠く、思い通りに動くことに驚きました。その反面、原っぱや砂浜にいる時には、端から端まですべてが「私」だ、という感覚になりました。そもそも私はどうしてこういう形で存在しているのだろう?こういう存在の仕方には慣れていない気がする、とも感じていました。
そして、時々、体が粉々になって空気中に散っていくという感覚にとらわれました。これはとても恐ろしく、反面清々しいものでもありました。留めておきたいと望んでいたにも関わらず、残念ながら成長するにしたがって、この感覚はなくなっていってしまいました。今でも私は、「私」という実体に時折不信を抱きます。
「私」か「私」でないかは、うすい皮膚を隔てて内側か外側かというだけです。これはとても心もとないことです。細胞レベルで考えたら1年前の「私」と今の「私」ではほぼ総取り替えされています。それなら別人なのではないでしょうか?「私」と思えることの方が不思議です。しかし、「私」はしょせん元素の集合体に過ぎません。
超新星爆発の際にばらまかれた元素によってできているのです。
たまたま今、この形で存在しているだけで、死んだらまた元素にもどって宇宙に散っていきます。
禅の思想でも、「あらゆる物体はそれ固有の実体が存在しているのではなく、何かが集まった状態にすぎない」と言われています。
実体に不信を抱くのは自然なことなのかもしれません。そう、「私」はただ宇宙の一部であり、いつか宇宙に還るのです。
会場
ソニーイメージングギャラリー
東京都中央区銀座5-8-1 銀座プレイス6階
会期・時間
2021年7月30日(金)〜8月12日(木)
11時00分〜18時00分(当面の間、18時に閉館)
定休日なし(銀座プレイス休館日を除く)
作者プロフィール
神奈川県横浜市生まれ。
2013年より本格的に写真を学び始め、写真家として活動中。
子どもの頃に読んだ絵本や児童文学の世界、そして大人になってから出会った東洋思想の一つである「禅」の考え方に影響を受けています。
「すべての物質には実体がなく、流動的な状態のほんの一時の姿であり、常に変化していく」
私はその考えから逃れることができません。
「それ」はいつから「それ」でありいつまで「それ」であり続けるのか?
この思考を主軸に作品を制作しています。
受賞歴
Kuala Lumpur International Photoawards (KLPA) 2021 Project Grant Category 入賞
LensCulture Journeys 2020 Jurors’ Pick
Reminders Photography Stronghold Gallery COVID-19パンデミック企画 ファイナリスト
ソニーワールドフォトグラフィーアワード2020 プロフェッショナル部門クリエイティブカテゴリー ショートリスト
写真新世紀2019 佳作
CP+ 横浜御苗場2018 ゲッティイメージズノミネート
CP+ 横浜御苗場2017 来場者が選ぶ私の一点賞4位
CP+ 横浜御苗場2016 来場者が選ぶ私の一点賞2位
CP+ 横浜御苗場2015 横浜市長賞グループ賞ノミネート・来場者が選ぶ私の一点賞3位
※横浜御苗場にはユニット「maturyu & maturi-co.」で参加
主な展示
2021年 Abox Photo Academy写真展2021
2020年 Abox Photo Club Toyama 2020 写真展 Reminders Photography Stronghold Gallery COVID-19パンデミック企画ファイナリストグループ展 ソニーワールドフォトグラフィーアワード2020 受賞作品展
2019年 写真新世紀2019展 Abox Photo Academy写真展2019 CP+ 横浜御苗場2019
2018年 安達ロベルト写真講座受講生写真展 「KONTRAPUNKT」
2017年 安達ロベルト写真講座受講生写真展 「À Chloris」
2013年 Nadar修了生写真展