写真展告知

福田善一写真展:なにはにほへと

17世紀、「なにわ」は天下の台所、全国の経済や物流をとりしきる所として重要な役割を果たしてきました。この時代より「なにわ」には広く町民を中心とした文化が成熟し、開放的な気風で、ウイットに富み、人情味あふれる下町情緒を育ててきたのでした。

そんな「なにわ」が変化しています、無くなってきています。

「時代の流れ」と言ってしまえばそれまででしょうが、「大阪都」構想がとりざたされている昨今、市内はどんどん綺麗になってきました。街の「浄化」が進んでいるのです。もちろん街が綺麗になるのはけっこうなことですが、趣きある場所やモノが排除され、都市景観が「脱皮」を繰り返すなかで、「なにわ」らしさが失われていくのは悲しいことです。

そのような時代の趨勢(すうせい)の中で、「根底文化」と「近代都市」との狭間に奇なる「抜け殻」がかすかに遺留しているような気がします。街の浄化に抗って、日常の中に溶け込み、見過ごされてしまいそうな「抜け殻」、今まだ残る「なにわフェロモン」を発する光景・しぐさ・モノたちを収拾してみようと思いました。それらが消滅してしまわないうちに。

作品をご覧いただき、日々消えていこうとする「なにわ」を一緒に感じ、都市の景観について考えて頂ければと思います。

出展作品数:約40点

写真展情報

オリンパスギャラリー大阪

開催期間

2018年6月15日(金)~6月21日(木)

開催時間

10時~18時(最終日は15時)

所在地

大阪市西区阿波座1-6-1 MID西本町ビル

休館

日曜日・祝日

オリンパスギャラリー東京

開催期間

2018年6月29日(金)~7月4日(水)

開催時間

11時~19時(最終日は15時)

所在地

東京都新宿区西新宿1-24-1 エステック情報ビル地下1階

休館

木曜日

作者プロフィール

1965年、三重県で誕生。
2005年、「日本の四季」富士山・桜・滝の写真集に刺激を受け、風景写真よりカメラを始める。
2007年より5年間、津市カメラマン「小堀正一」氏を主宰とする写真クラブ在籍。
2008年、県美術展にて「岡田文化財団賞」受賞。
2009年から市美術展において4年連続入賞。その後、美術展運営委員に着任。
2010年から全国公募写真展「研展」において連続入選。
2011年から全国公募展「視点」において連続入選。
2012年、「視点」主催団体「日本リアリズム写真集団 三重支部」入会。
2014年、津市支部会員展として初の個人写真展を開催。
2018年、カメラメーカーギャラリーでの写真展を初開催。