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立木義浩写真展「遍照」が六本木のFUJIFILM SQUAREで開催中。密教の世界に迫る撮影アプローチを語るインタビュー動画も

「フジフイルム スクエア企画写真展立木義浩写真展「遍照」~東寺~写真展開催記念インタビュー動画」(YouTube)より

富士フイルムのショールーム「FUJIFILM SQUARE」(東京・六本木)において、写真家・立木義浩氏の写真展「遍照」が開催中となっている。会期は6月30日まで。

世界遺産である東寺の両界曼荼羅図を被写体とした作品展。独自のライティングやアングルで仏像の姿を捉えているとしており、同社は「立木の琴線に触れた瞬間を集めた本展が、いにしえから光溢れる世界を願ってきた人々の心に出合う機会となれば幸いです」と紹介している。作品展示点数は約50点。

撮影では同社の大型センサー搭載カメラFUJIFILM GFX100および同GFX100Sを使用。約4億画素相当の画像を生成できるピクセルシフトマルチショット機能を用いた作品も展示されているという。

両界曼荼羅図とは、大日如来を中心に諸尊が並べられたもので、密教の悟りの境地や理想の世界を立体的に表した仏像群。東寺の講堂内に収められている。

展覧会の開催にあたり、立木氏へのインタビュー動画も公開されている。動画中で立木氏は、東寺の知られ方は四国の八十八カ所霊場にも通じるものがあるとして、その一番札所(霊山寺)が出身地でもある徳島県にあるとコメント。そうした関係もあり、東寺には親しみを感じると伝えている。

同氏は1998年にも東寺を撮影。写真集『東寺―生命の宇宙』(集英社)を出版している。今回の撮影は2020年の暮れから2021年の初春にかけて実施。東寺の仏像群は、他の仏像とは“違うものがある”と感じたとして、客観的な描写による撮影でアプローチしていったのだと話している。そのほか、撮影時の光源や時間帯、4億画素撮影での苦労点など、撮影の視点と技術的アプローチの双方から撮影内容を紹介。そのほか仏像の撮影では光の在り方が最も重要だったと続けて、静物としてではなくポートレートのように撮っていったのだと、撮影を振り返っている。

展示作品(一部)

立木義浩写真展「遍照」~世界遺産 東寺~

会期

2021年6月11日(金)〜6月30日(水)

会場

FUJIFILM SQUARE
東京都港区赤坂9丁目7番3号(東京ミッドタウン・ウエスト)

開館時間

10時〜19時
最終日は16時まで。入館は終了の10分前まで

休館日

会期中無休

入館料

無料