イベントレポート

山崎えりこさんに教えてもらう撮影とプリントの魅力…「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XK80 セミナー・体験会」

講師の山崎えりこさん

11月3日、女性を対象とした「はじめてプリントを楽しむワークショップ with Canon PIXUS XK80 セミナー・体験会」が開催されました。

講師は、波止場の写真学校・神戸本校の講師であり、関西を拠点に活動している写真家の山崎えりこさん。当日は、合計20名の参加者が秋晴れの岡山県倉敷市の美観地区でスクエア写真の撮影や、スマートフォンからのプリントを体験しました。山崎さんの講座の受講経験のある参加者の姿もあり、会場は開始前から和気あいあいとした雰囲気につつまれていました。

筆者も生徒として参加。午前と午後、参加者とともにスナップ撮影とプリントを体験しました。

ワークショップの舞台となった岡山県倉敷市の美観地区

参加者に1台ずつカメラとプリンターが貸しだされる

ワークショップでは、参加者ひとりひとりにカメラとプリンタが貸し出されました。

使用したカメラは、歴代のワークショップでも軽くて使いやすいと大好評のキヤノンの「EOS Kiss M」。レンズは約8.3倍の高倍率ズームを誇る「EF-M18-150mm F3.5-6.3 IS STM」です。最短撮影距離は0.25mと被写体に寄っての撮影も可能。さらにボケも楽しめるという万能レンズです。

プリンターはスクエアサイズのプリントにも対応するキヤノン「PIXUS XK80」(以下、XK80)を使用します。プレミアム6色ハイブリッドインクの搭載により描写力がパワーアップし、ランニングコストも抑えられたプレミアムモデルです。

スマートフォンとの連携が強化されているところもポイント。同社製のアプリ「Easy-PhotoPrint Editor」を使って、スマートフォンにためこんでいる写真やInstagramなどにアップした作品のプリントも手軽に楽しめます。しかも、L判のプリント速度は約14秒。高速かつ美しいプリントを手軽に楽しむことができます。

写真の上達にはプリントが欠かせない!

ワークショップは午前と午後の2回で、それぞれ30分程度の座学と約1時間のスナップ撮影、その後プリント、講評という構成でした。

プリントを体験する講座だけあって、座学の開始冒頭から山崎さんは「写真の上達にはプリントが欠かせない」と切り出しました。

ふだんは写真を撮ったあと、パソコンやスマートフォンの画面で見るだけで済ませてしまいがちです。しかし写真の上達を望むなら、人に見てもらうことが大切。でも、自分がベストだと思っているこだわりの1カットも、ネットにアップするだけでは意図が伝わらないケースがありえます。

「モニターで見せると、その人の持ってるデバイスによって色合い、コントラスト、明るさも違うので、本来自分が見て欲しい表現が伝わらないことがあります。プリントならそのまま伝えられます」(山崎さん)

また、プリントしたからこそ気づけることもあります。プリントしてみたところ、色や構図が想定していたのと違う印象になることがあるのです。スマートフォンの画面で見ていた時はなんとなくいいと思えても、細かい部分までは気づけないもの。プリントして見返すことで、画面構成やアングルがよかったのかを冷静になって見られるといいます。また、並べることで自分の撮影のクセに気づくこともあるそうです。

「画面で見てると撮ったときの思い出が蘇ってきて、冷静に見られていないんです。でもプリントすることで、思い出のフィルターから離れて判断できるんですよ」(山崎さん)

プリントの大切さを説明したあと、山崎さん自ら撮影した写真を使ったオリジナルのポチ袋や、和紙にプリントしたフォトブックなどの紹介があり、プリントの楽しみ方の幅広さも教えてもらえました。

もちろん、これから向かうスナップ撮影に向けてカメラの操作方法のレクチャーも。説明ではEOS Kiss Mの操作方法のほか、スナップ撮影のコツも紹介されました。

「なんとなくにならないように、被写体をよくみて撮りましょう。いいなと思ったところに、ぐっと寄って撮ってみてください。クリエイティブフィルターもどんどん使ってみて。構図は、グリッド線の線が交わるところに主役を置くとバランスがよくなりますよ」(山崎さん)

初めての倉敷は"映え"ポイントが多かった!

座学のあとは、いよいよ秋晴れの倉敷美観地区でスナップ撮影に挑戦です。私にとっては生まれてはじめての倉敷でしたが、古民家風や蔵作りの建物、印象的な窓、川、船、船頭、柳、色づいたアイビーに覆われた建物、陶器など、写真映えする被写体が多いのに驚きました。

参加者もいろんなアングルから撮影している姿が見られました。中には山崎さんにスナップ撮影の被写体選びのコツを聞いている方の姿も見られました。それ私も毎回悩む! と心の中で共感していた次第です。

私はといえば、しばらくモノクロスナップで通してみようかと思っていたのですが、景色を見ているうちに色を消してしまうのはもったいないかもと思い直しました。

天気がいい日のEOS Kiss Mの発色も好きなので、とりあえず何をどう撮るかは考えずに、目に入ったものにひたすら反応してみようと思って撮影しました。結果、観光ポイントを収めた旅行写真になっていたのですが……。

スマートフォンを使ったプリント

撮影タイムを終えたらいよいよプリントです。

プリントではスマートフォンのアプリを使います。使用するアプリは2つ。1つ目はスマートフォンとカメラをつなぐ「Camera Connect」。2つ目はスマートフォンから直接プリンター出力ができる「Easy-PhotoPrint Editor」です。参加者には事前にこの2つのアプリをインストールしてもらっています。

操作の手順は2ステップ。まずカメラとスマートフォンを「Camera Connect」でつないで写真をカメラからスマートフォンに転送した後、スマートフォンとプリンタを「Easy-PhotoPrint Editor」でつなぐだけです。

さっそくEOS Kiss Mで撮影したデータを手持ちのスマートフォンに転送します。スマートフォンとカメラの接続はBluetoothを利用します。機器のペアリングが完了したら、「Camera Connect」を使ってカメラ側の画像を取りこみます。

操作と設定方法の手順が山崎さんより説明があり、参加者はさっそく接続を開始。みなさんいずれのアプリを使うのもはじめてのはずなのに、ふだん使い慣れているスマートフォンを操作しているせいか、早々に設定を終えて作品の選定とプリントを始めている人の姿もありました。

使用した用紙は127×127mmの「キヤノン写真用紙・光沢ゴールド」です。ふだんからInstagramに投稿してスクエアに馴染みのある参加者も、スクエア写真は初めてという参加者からも、「新鮮」「おしゃれ」といった声が多くあがっていました。このスクエアプリントに対応していることも、XK80の魅力です。

「これ飾ろう! 家で!」と盛り上がるプリントタイム

プリントする際、フィルター効果などをつかって1枚ずつ自分のイメージにあった仕上げをする工程が入ることもあり、自分のイメージを表現したり、色味を変えてプリントしてみたりなど、アプリを使っているからこその表現も見られました。

プリントした写真を見た参加者からは「かっこいい〜!」「(プリントしたりフィルター使うなら)大きめのタブレットのほうが見やすくていいね」「これ飾ろう! 家で!」という声が上がっていました。

プリントは1枚ずつ出すこともできますが、複数枚をまとめて出すこともできます。早くも手慣れた操作でプリントの山ができあがっている参加者の姿も。次々に出てくる作品に思わず、にやり。カラーにモノクロ、トイカメラ風など色とりどりの作品が積みあがっていきます。

同じところを撮った写真なのに、参加者によって色の出し方が違っていたりもしていて、ただプリントするだけではない、エフェクトや調整を利用して作品のつくりこみをしている人の姿もありました。

記事写真のようになった私の倉敷スナップ

ひととおりプリントが終わったら、その中からお気に入りの2〜3枚を持ち寄っての講評タイムです。

参加者全員が山崎さんのもとに集まり、それぞれが撮影の意図やそのときの状況などを説明すると、山崎さんからその写真のいいところ、ちょっと気をつけたいところなどが解説されました。「秋らしい斜めのラインがステキ!」「淡い色が綺麗ですね」「この空気感、いいですね〜」「おしゃれな切り取り方です!」との感想が出て、参加者も嬉しそう。また、他の人の写真が紹介されるたびに、食い入るように見つめる姿が印象的でした。

私はといえば、プリントしたところ記事用の写真と思えるようなカットが多くなっているとわかりました。倉敷は初めてだったので、どんなところだろうかという興味がそのまま出てしまったようでした。こういうことが客観的に見えるのがプリントですね。

全部並べると「私が見た倉敷美観地区」というテーマになりそうなんですが、2〜3枚に絞るとなると難しい。とはいえ、並べ替えているうちに共通するテーマ性を感じるものがありました。そこで午前の部は「女の倉敷」、午後の部は「クリスマスっぽさ」と半ば強引にタイトルをつけて提出。中でも窓の前で写真を撮る女性を偶然とらえた写真は、美しさと気持ち悪さが同居した1枚として評価(?)されました。

午前の部:女の倉敷
午後の部:クリスマスっぽさ

とてもノーマルな写真ばかりになったと思う今回のスナップですが、プリントして俯瞰できたことにより、「かわいいよりは綺麗でかっこよく」が好き、と自分らしさや、自分の写真の方向性のようなものが改めて発見できました。

山崎さんが言っていたように、プリントして並べることで、自分の作品を冷静かつ客観的に見られるようになったからだと思います。

参加者のコメント

島田麗奈さん

使ったことのないカメラが使えるし、無料だし、ということで今日は観光がてら神戸から来ました。もともと学校でも教えていただいていて、2年近く通ってたんですね。ちょっと仕事が忙しくてしばらく通えていなかったんですけど、えりこ先生のこういう講座があると友だちに誘ってもらいました。

今日の講座は楽しかったです! ふだんから結構プリントをしていますけれど、今回のようなスクエアは初めてでした。プリントもInstagramをしているような感じで、すごく新鮮でした。

プリントは設定からスムーズにできました。その場で撮ってみて、友だちと共有したりできるので便利ですね。プリントすることで、ちょっとこれとこれを組み合わせてみようかな、とか。そういうのがわかりやすかったので、プリントするのって大事だなって思いました。人にプレゼントできるし、もっとじゃんじゃん、いろいろ印刷したくなりました。

高橋そのかさん

今日は母と一緒に参加しました。写真をはじめたのは母の影響なんですが、母ほど"趣味"ってほどでもなくて……。ちょっと撮って、遊んで携帯に送ってみて、インスタに上げて満足して、みたいな感じです。今日はミラーレスカメラのEOS Kiss Mが気になっていたこともあって参加してみました。

カメラは小さめだし、全体的に操作が簡単だし、モニターが綺麗ですね! だからバシャバシャ写真が撮れました。先生にフォトブックを見せてもらって、自分でも作りたくなりました。

プリンターも使いやすかったと思います。自宅のプリンターは全然触らないので、サクサク動かせたのは実は今日が初めてなんです。マニュアルを見て自分で操作もできましたし、いいなと思いました。母は結構プリントをしていて家に飾ったりもするので、これからは自分でもやってみたいと思っています。

津屋英子さん

今日はありがとうございました! ミラーレスカメラは何年も前から持っているんですけど、いつもオートでしか撮ってなかったんです。しかも、自分のイメージと、できた写真との違いがあまりにも大きすぎて(苦笑)。まわりに写真の好きな友だちがたくさんいて、友だちの写真を見ていたら、自分ももっとうまくなりたいと思うようになったんです。

ふだん撮った写真はカメラのモニターで見るとか、友だちとスマホで交換するとか、Instagramで見るとかしかしていませんでした。当然プリントは1回もしたことがなくて……。だからすごく新鮮でした! 先生がおっしゃったようにプリントすることで、できていないところに気づくとか、選ぶこととか、そういう目が養われていくんだなってことが、すごくよくわかったのが今回の収穫です。

他の参加者の写真も、みんなで見せ合うというような形では見返したことがなかったので、とても面白かったです。自分と全然違う着眼点を、それぞれの人が持っているんですね。

プリンターの接続もすごく簡単でした。スクエアの写真ってロープに洗濯ばさみで、っていうんですかね? いっぱいぶら下げるものっていうイメージが勝手にでてきて、なんかすごくおしゃれっぽいですよね。

買い換えタイミングだったこともあって、思わず値段を質問しちゃいました。

國光美由紀さん

子どもが生まれて、その写真ばかり撮っていたので、今回のワークショップでは独身のときに撮っていたような視点がとても懐かしく、楽しく参加できました。私はハイアングルとかローアングルとか極端なフレーミングが好きなんですよ。EOS Kiss Mはチルト式のモニターだったので、使いやすかったです。

プリントは子どもの写真がメインですけど、月に1回、カレンダーを作るためにアプリで4枚ずつやっています。でも、今回みたいに自分で撮ったスナップをガッツリ印刷するという経験はないですね。

アプリの設定も思っていたより難しくなかったです。私、普段スマホで写真を撮ることはほとんどないんですよ。ミラーレスカメラで撮って、それを(スマートフォンに)とり込んで印刷するので、アプリを使用することに抵抗もありませんでした。スマホだけで操作が進んでいくので、ハードルは思っていたほど高くないなー、と思いました。

数田麻理奈さん

ふだんプリントすることはあるんですが、カメラから一旦パソコンにデータを移して、プリントしたい写真だけ選んで、もう1回SDカードに保存しなおしてやってました。プリンターにSDカードを挿したとき、全選択で印刷したいから(笑)。でも、スマートフォンからできるっていうのは簡単ですし、そこで簡単な修正とかトリミングもできるので、気軽に使えていいですね。プリンターの液晶ディスプレイも、私の(使っているプリンター)よりすごく綺麗だと思いました。

スクエアのプリント体験は、"女子だな"と思いました! 友だちと旅行に行ったとき、今ってデータをLINEで送って、共有は終わりになってしまっていますけど、スクエアの紙でプリントしたのを交換するとか、そういうのは楽しそうです。

カメラはタッチしてから撮るのまでの反応が早くてすごかったです。フレーミングして、シャッター半押ししてる間に人が入ってきてしまったりして、シャッターチャンスを逃すことってありますよね。あと、こういう観光地でシャッターチャンスを待っているときって、ずっとカメラ覗いて構えてたら邪魔に思われるし警戒されやすいです。でもこのカメラは、ファインダーを覗かずに、タッチするだけですぐにピントがあってパッと撮れたのでいいなと思いました。

講評もよかったです! 写真だけみても、その人の意図はわからないじゃないですか。今日こういう意味でこれを撮りました、というのを聞きながら、そのうえでどこを注意したらいいかを教えてもらえるので、それがすごくよかったです。面白かったです。

山口そのえさん

私も今日はとても楽しかったです。撮りたい理由が「飾りたい」からなので、もともとプリントは好きなんです。家にも額があってA4サイズでプリントして飾ってます。でも、いつもは選んでからこれだと思った写真を1枚か2枚とか、ケチにちょびっとずつしかプリントしないです。だから今日はプリントを一杯させてもらえました。たくさん印刷できて、とても嬉しいです!

スクエアはよかったです! 被写体を真ん中に配置できるし、主役に「ガッ!」と寄りたい、みたいなのがあったので。スクエア、気に入りました。これから撮ります! スクエアのアルバムがあったらもっと楽しいですね。

小学校のときから写真は好きなんですけど、ずっと独学でした。ちゃんと撮れてるのか心配になって、4〜5年前からこういう会に参加するようになりました。"プリントしてみたら違った!"ってことはありますし、プリントしてみたら案外いいなって思う写真もあるので、もっとプリントしなきゃって思いました。

制作協力:キヤノン

すずまり