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【CP+】KODAK、4K対応全天球カメラ「PIXPRO 4KVR360」

1台で全天球が撮影可能に バッテリープレゼントのキャンペーンも

マスプロ電工は23日、写真関連展示会の「CP+2017」開催に合わせて発表会を開催し、4K対応の全天球カメラ「Kodak PIXPRO 4KVR360」を4月28日に発売すると発表した。従来の全天周カメラに対して、2つのカメラを搭載して合成(スティッチング)することで、全天球の映像を撮影できる。価格はオープンプライスで、同社直販サイトでの価格は5万9,500円(税別)。

PIXPROは、半球の全天周画像を撮影できるコダックのカメラで、「世界初の360度カメラ」として、国内ではマスプロが2014年から「PIXPRO SP360」を販売している。これを4K解像度に対応したのが「PIXPRO SP360 4K」で、2015年に登場。従来は、これらを2台繋げて撮影することで全天球の撮影が可能になっていたが、新たに1台で全天球画像を撮影できるようにしたのが、今回のPIXPRO 4KVR360。コダックがグローバルでは昨年9月のフォトキナ2016で参考出品していたもので、日本でも登場することになった。

2つのレンズ、2つのイメージセンサーで撮影した動画像を合成して、全天球の360度映像が撮影できる。デザインとしてはニコンのKeyMission 360に近いが、ボタン類は多く、上部には1インチのLCDモニターを搭載している。

バッテリー室にmicroSDカードスロットやマイクロHDMI端子などを搭載する。

ミニ三脚も同梱。装着されているのはBluetoothリモコン。

最大の特徴は、2つのレンズの画角が異なっており、一方が235度、もう一方が155度の画角をサポートする。通常、こうした全天球カメラの場合、合成部分に多少の違和感が発生するが、235度の画角のカメラを前方に向けて撮影すると合成部分がやや後方になり、通常の視野で合成部分が目立たないというメリットがあるという。

撮影モードは3種類あり、2つのレンズを使って撮影するVRモードでは、カメラ内スティッチにより全天球映像をリアルタイムで生成して撮影できる。

FRONTモードでは、画角155度のレンズを正面に向けて撮影し、センサーの16:9エリアを活用することで3,840×2,160ピクセル、画角197度の4K動画が撮影できる。

GLOBALモードでは、画角235度のレンズを使い、パノラマなど11種類の全天周映像を撮影できる。このGLOBALモードは、従来のPIXPRO SP360と同等の撮影ができるモードだ。

これまで、2台のカメラを使って全天球映像を撮影する場合、スティッチはPCで行う必要があったが、PIXPRO 4KVR360ではカメラ内スティッチに対応。15fpsながらリアルタイムで合成するため、マイクロHDMI経由でTVなどにスティッチした映像を出力することもできる。現在検証中ながら、連続記録時間の制限なく撮影できる見込みだという。

Bluetooth接続のリモコンやテーブル三脚が付属するほか、本体には4つのマイクを内蔵し、どちら側のカメラでもステレオ録音が可能だという。HDMI経由でのライブビュー表示にも対応する。

イメージセンサーは2つとも1/2.3型裏面照射型CMOSセンサーで、有効画素数は2,068万画素。いずれも開放F値はF2.4。

これまで、PIXPROシリーズの購入者は9割以上が男性で、40〜50代が最も多かったという。前年に比べて女性比率がわずかに上がっており、若者、女性への拡大を図りたい考え。PIXPRO 4KVR360の販売は家電量販店を中心に展開し、スポーツショップなどへも拡大していく。

2014年度は同シリーズで3,995台の販売だったが、2015年度には約1万台に到達。2016年度も順調で1万2,000台に達する見込みで、2017年度は1万5,000台まで拡大させる。東京五輪のある2020年度には5万台まで成長させたい考えで、販売を強化していく意向だ。

なお、発売当初は記念セールとしてPIXPRO 4KVR360を含む対象商品購入者に専用バッテリーをプレゼントする。