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日本初のGoPro写真ギャラリーが東京・横浜で開設

静止画性能をアピール サーフカルチャーイベントに期間限定で

5月19日、GoProで撮影された写真を展示するイベント「GoPro Gallery Tokyo」が東京都港区にあるAntenna WIRED CAFEで開催された。

このGoPro Gallery Tokyoは、GoProで撮影した写真をギャラリー形式で展示したプレス向けのイベント。これまでも、ブラジルのリオ、アメリカのハワイやコロラドなどで開催され、今回が日本初開催となった。

GoProと言えば、小型のアクションカムとして注目され、防水ハウジングの付属により、サーフィンやスキー、サイクリングといったさまざまなスポーツシーンで活躍する製品だ。

GoPro HERO4 Black

動画制作のツールとしてのイメージが強いGoProではあるが、写真撮影にも十分使える点を強調するために開催されたのが今回のイベント。GoProで撮影した写真にフォーカスし、アメリカ本社で写真専門部署のディレクターを務めるBrenna Brittonさんが解説するというのが、今回のイベントの趣旨だ。

GoPro Gallery Tokyoの一部
Brenna Brittonさん

なお、一般向けには、5月21日・22日の2日間、神奈川県横浜市の横浜赤レンガ地区野外特設会場で開催されたサーフカルチャー系イベント「GREENROOM FESTIVAL '16」に出展。同様のギャラリーほか、GoProの展示・販売が行われた。

GREENROOM FESTIVAL '16でのGoPro Gallery

また、5月28日(予備日29日)に神奈川県藤沢市の県立辻堂海浜公園で開催される「ONE CALIFORNIA DAY」でも出展が予定されている。ただし写真展示はなく、GoProの展示・販売のみとなる。

Britton氏は今回のイベントについて、「GoProは写真を撮るためのものである」、そして「誰もがプロが撮ったような写真を撮影できる」という点を強調した。

なお、Britton氏の所属する部署では、パッケージや広告など、GoProのブランドをアピールするすべてのタッチポイントをチームで監修しているという。

例えば、同氏が率いるプロデューサーは、アスリートを撮るシーンで、どこにマウントを付けると、そのスポーツの良さや面白さが引き立つか、といったところをレクチャーしたり、何所で何をどういう画を撮るかというプロデュースしたりし、フォトマネージャーは、どういった写真を動画に作り込むのが良いのか、「GoProらしさ」を伝える写真はどれなのかといったことを監修する。

またフォトマネージャーは、ローカル向けにどういった写真を展開することが「GoProらしさ」を傷つけずに世界観を伝えられるかということ考える。GoProの格好良さを伝えるために、写真の編集・アレンジを行うチームも存在する。

世界に展開するGoProのパッケージプリントやデジタルコンテンツ、店舗での広告や販促など、「GoProらしさ」や「GoProの魅力」など体現しているビジュアルに関しては、全てにおいて、Britton氏の所属する部署が統一化を図っているという。

なお、プロの写真だけでなく、GoProが声をかけた一般のユーザーの写真も対象だ。

Britton氏は、GoProはアスリートが身に付けるだけのカメラではなくて、旅行だったり、子供だったり、犬だったりと「普段の日常を切り取るためにも利用できる」とアピールする。

GoProが「GoProスタイルフォト」として大事にしているのは、構成やライティング、Wow感(驚き)、そして、一瞬の表情やシーンといったストーリー性。

例えば、プロサーファーに撮影して貰う際、どのサーフボードのどの位置にカメラを設置すれば、格好良いムービーや写真が撮れるのかをプロデュース、レクチャーするのがチームの役割だという。

その一例として、サーフィンを撮影する際、サーフボードの上にGoProを取り付けて撮影するというのは一般的だが、それだと足下しか撮れず、表情や身体全体を写すことができない。そこで、GoProのフォトグラフィーチームが考えたのが、サーフボードの下に湾曲したマウントアームを固定し、サーフボードの上にGoProがいくように設置するという方法だ。

ドローンを使った作例も紹介しており、どのような映像を撮って、どのように写真に収めるかを2名のプロデューサーが監修したという。なおGoProでは、GoProを一体化したドローンを開発中とのこと。

GoProはソーシャルメディアを大事にしており、ソーシャルメディア上でインフルエンサーにも協力を要請。日本からはakira氏(akira.tanaka.canyoneer)が参加し、カヌーに乗りながら自撮り棒を使って撮影した写真を紹介していた。

Britton氏は改めて一般層向けにアピールすることを強調し、プレゼンをしめくくった。

「GoProはアスリートが身に付けるだけのものではなく、アスリート専用のカメラではない。旅行や日常生活、家族やペットなど、身近な生活を切り取ることができるのもGoProの使い方。皆さんには色々な写真を撮ってほしい」

GoPro日本法人にも話を聞くと、やはり購買層の拡大を意識しているのがわかった。曰く、「動画だけでなく静止画も撮れる面を強調したい」「GoProは小型で高機能な特徴ある広角カメラである」、と。

また本国では、GoProが撮影からシェアまでをコーディネートするトータルブランドに変わろうとしている中、「日本では家電量販店で他のカメラと並び、カタログスペックで勝負している状況」とのこと。「そうではなく、GoProならではの楽しみ方をアピールしなければ」というのが、喫緊の課題に見える。今回のGoPro Galleryの取り組みは、こうした流れを受けたものだそうだ。

(飯塚直)