ニュース

ジョナサン・アイブとマーク・ニューソンがデザインした「ライカM for (RED)」

サザビーズオークションに出品。収益を世界基金へ寄付

 ライカカメラ社は8日(日本時間)、公式のFacebookページやFlickrアカウントで「The Leica M for (RED)」の概要を公開した。11月23日のサザビーズオークションに出品し、世界エイズ・結核・マラリア対策基金に募金するという。

 ライカM for (RED)は、アップルのデザイナーであるジョナサン・アイブ氏と、プロダクトデザイナーのマーク・ニューソン氏がデザインを手がけたカメラ。35mmフルサイズ相当のCMOSセンサーを搭載するレンジファインダーカメラ「ライカM」をベースにしている。

 10点の外観イメージ画像に添えられた説明によると、本機はレーザー加工されたアルミニウムボディとアルマイト処理されたアルミ外装を持つ。85日をかけて、561の模型と1,000に近いパーツ試作が行なわれたという。

 公開されている外観イメージからわかる相違点は、アクセサリーシューやアクセサリーポートを廃し、ストラップ取り付け部も吊り環を介さずテープタイプのものが装着できるようになっている点。操作部では、背面右手親指側に備わったダイヤルがボタンのようなものになっている。レンズは「アポ・ズミクロン50mm F2 ASPH.」をベースに、ボディに合わせた独自の鏡胴デザインとしたものが付属すると見られる。

 トップカバーはM型ライカの特徴的な意匠である段がなくなり、ライカMで新たに加わった動画記録用のM(ムービー)ボタンも見当たらない。前面のフォーカスボタンやファインダー/距離計窓、測光部、電源ダイヤルとシャッター速度ダイヤルの配置は通常のライカMと同じ。ベースプレートには「DESIGNED BY JONY IVE & MARC NEWSON FOR (RED)」の文字が入っている。

通常モデルのライカM(左)とアポ・ズミクロンM f2.0/50mm ASPH.(右)

 for (RED)は、収益の一部を世界基金に寄付することでアフリカのエイズ・プログラム支援にあてるという共通ブランド「プロダクト(RED)」の商品であることを意味すると思われる。同ブランドにはアップルもパートナー企業として参加し、直営店限定カラーのハードウェアやアクセサリーに(PRODUCT)REDの名を冠している。

 ジョナサン・アイブ氏は米アップル社のプロダクトデザイナーで、MacやiPod、iPhoneなどを担当。マーク・ニューソン氏はデジタルカメラ「PENTAX K-01」やKDDIの携帯電話「talby」などを手がけたことで知られている。

 2012年9月17日にドイツのケルンで行なわれた「フォトキナ2012」前日イベント(同イベントでライカMを発表した)において、ライカカメラ社の社主であるアンドレアス・カウフマン氏は、ジョナサン・アイブ氏がデザインを手がけた特別デザインのライカMを制作する計画がある旨を壇上で話していた。しかし、それに関係する発表は今までなかった。

フォトキナ2012の前日イベントでライカMを披露する、ライカカメラ社の社主アンドレアス・カウフマン氏(編集部撮影)

 10月9日16時現在、ライカカメラ社およびライカカメラジャパンのいずれも、WebサイトにはライカM for (RED)に関する情報を掲載していない。

(本誌:鈴木誠)