SDカードに望むのは「長期保存性」

~サンディスク「SDカードに関する調査」より

 サンディスクは4月9日、「SDカードに関する調査」の結果を発表した。

 全国の20~69歳の男女のうち、「SDカードを所有および利用していて、3カ月以内にSDカードを購入した」1,300人を対象に調べた。楽天リサーチによるインターネット調査で、調査期間は2012年2月17日~2012年2月20日。

8割近くがSDカードを所有

 調査によるとSDカードを「所有している」のは全体の76.4%で、うち「所有して利用している」のは58%。SDカードの利用率が高いのは男性の30~60代で、6割を超えている。また、男性の20代や女性の20~30代も6割弱と比較的高いスコアとなった。

記録メディアの所有及び利用状況(出典:サンディスク)

 SDカードの購入先については、39.6%が「大型家電量販店」と答え、続く「インターネットショップ」は30%となった。女性は男性に比べて、大型家電量販店での購入比率が高い傾向がうかがえる。

所有SDカードの購入先(出典:サンディスク)

 また調査によると、サンディスクの製品は“デジタル家電リテラシーが高”いとする家電に詳しいユーザーの評価が高いブランドになった。最近購入したメーカーと今後購入したいメーカーのどちらもサンディスクが最も支持を得たという。

 “デジタル家電リテラシーが高い”とは、同調査で「スマートフォンについて人から情報を求められることが多い」、「家電量販店に週に1回以上行く」、「デジタル機器の取扱に強い方だ」といった15項目のうち6項目以上に当てはまる回答者を指す。

デジタル家電リテラシー別による支持メーカー(出典:サンディスク)

実店舗よりネット通販利用者が高速カードを選ぶ傾向

 所有しているSDカードの容量は6~8GBが30.8%でトップ。次いで4GB(24.9%)、12~16GB(18.1%)、24~32GB(14.4%)、2GB以下(9.1%)、64GB以上(1.8%)の順となった。前回調査(2011年9月)でトップは4GBだったことから大容量化が進んでいることが見て取れる。

容量別の所有率(出典:サンディスク)

 同様に高速化も進んでいる。ボリュームゾーンは、前回Class 4をClass 10が逆転した。今後の購入意向ではClass 10が4割に迫っている。ただ、UHS-Iの普及率は1%台の横ばいで、「まだ浸透していない」(サンディスク)とする。同社では、しばらくはClass 10のボリュームが増えていくと推測している。

スピードクラス別の所有率(出典:サンディスク)

 なお実店舗での購入者はClass 4を購入するケースが最も多いが、インターネットショップでの購入者はClass 10を買うケースが約6割でトップを占める。加えて、高リテラシー層は他の層に比べてカメラ系量販店やPC専門店で購入する比率が高い。低リテラシー層(リテラシーを問う質問で1つも当てはまらなかった回答者)は、家電量販店で購入する割合が比較的高くなっている。

リテラシー層別の購入チャネル(出典:サンディスク)

 価格面では低価格化が進行する。特に1,000円未満の比率が増え、今回3割に達した。一方、4,000円未満や5,000円未満といった価格帯がシェアを下げている。

価格帯別の所有状況(出典:サンディスク)

 購入時に重視した点は、前回に引き続いて「価格の安さ」や「適当な容量」などが上位を占めた。一方今後重視したい点としてスコアが比較的大きく上昇したのは、「速度」、「より大きな容量」、「メーカー保証」などとなった。

購入時に重視した点(出典:サンディスク)

所有SDカードの枚数も増加傾向

 容量別のSDカード保有枚数では、各容量とも前回調査よりやや上昇した。特に6~32GBでは1枚以上保有するユーザーが1割前後上昇している。なお、低容量のSDカードほど複数枚を所有する割合が高く、2GBでは5枚以上と答えた人が2割近くいる。

容量別の所有枚数(出典:サンディスク)

 SDカードの保有枚数を購入先別で見ると「12~16GB」において大きな差が見られ、実店舗で購入者が0.46枚なのに対して「インターネットショップ」購入者は1.31%だった。なお「12~16GB」の所有率は4割に迫っている。

 性年代別で特徴的なのは60代男性で、「2GB以下」と「4GB以下」の保有枚数が他より多くなっている。合計枚数も9.5枚と、全体より約2枚上回る。

 またデジタル家電リテラシーの高いユーザーほど、保有枚数が高くなっていることもわかった。

SDカードに望むのは「長期保存性」

 今後SDカードに期待する機能については、「データの長期保存が可能なこと」が61%でトップ。以下、「書き込みのさらなる高速化」(47.2%)、「読み込みのさらなる高速化」(38.2%)、「さらなる大容量化」(36%)、「書き込んだデータが削除できないこと」(7.2%)となった。

今後SDカードに期待する機能(出典:サンディスク)

 高リテラシー層では、高速化や大容量化に対する期待が他の層に比べて高いことも明らかになった。今後期待する機能が「特にない」と答えたのは、高リテラシー層が4.4%にとどまったのに対して、低リテラシー層は24.3%と比較的高かった。

 またSDカードに記録したデータの保存方法に関しては、65.8%の回答者が「そのままSDカードに保存」と回答した。

記録データの保存方法(出典:サンディスク)

 なお「クラウドに保存」はリテラシー層によって差が大きく、最も割合の高かった高リテラシー層が17%なのに対して低リテラシー層は2.8%にとどまっている。





(本誌:武石修)

2012/5/28 12:11