リコー、パッシブAFセンサー搭載の「CX5」

~超解像技術や“たーまやー”のシャッター音も

 リコーは、10.7倍ズーム搭載のコンパクトデジタルカメラ「CX5」を2月10に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は4万5,000円前後の見込み。カラーはブラック、グリーンシルバー、ローズピンクを用意する。

CX5。左からブラック、グリーンシルバー、ローズピンク

 同社が2010年9月に発売した「CX4」の後継モデル。レンズや撮像素子のスペックをCX4から引き継ぎながら、新たにAFの高速化や超解像技術の採用などを行なった。

 AF面では、新たにパッシブセンサーの採用による独自の「ハイブリッドAFシステム」を搭載。広角に比べて合焦まで時間がかかっていた望遠側で合焦時間を約半分に短縮化したという。望遠端の合焦速度は、CX4の約0.48秒から約0.23秒と大幅に高速化。広角端はCX4の約0.28秒から約0.23秒となっている。(いずれも同社測定条件による実測)。

 CX5で採用したハイブリッドAFシステムは、シャッターボタンの半押し時にコントラストAFで合焦する点は一般的なコンパクトデジタルカメラと同じだが、常時動作しているパッシブセンサーによりあらかじめ大まかな距離を検出しているためトータルの合焦時間を短縮できたとする。

ストロボの隣にパッシブセンサーを備えたレンズは28-300mm相当(35mm判換算)、F3.5-5.6の10.7倍ズーム

 リコーの高倍率コンパクトデジタルカメラでは「Caplio R5」(2006年9月発売)までパッシブセンサーを搭載していたが、その後はコントラストAFの性能向上を理由にパッシブセンサーを省略していた。今回パッシブセンサーが復活した形になるが、CX5のパッシブセンサーは新開発のものでCaplio R5とは仕組みが異なるという。パッシブセンサーはストロボの横に実装した。

 画像の解像性能を向上させる「超解像技術」もリコーで初めて採用した。カメラが画像の輪郭、ディテール、グラデーションを自動的に見分けてそれぞれに最適な処理を行なう機能。「従来機種以上に解像感の高い画像の記録を実現する」としている。超解像の強度はOFF、弱、強から選択可能。

 超解像技術を利用して高画質なズームを実現する「SRズーム」も搭載した。光学ズーム域である35mm判換算28-300mm相当に加えて、SRズームでは実用的な画質で望遠側を同600mm相当まで拡大できるとしている。

CX4(右)との比較

 シーンモードも新たに3つ追加した。「料理」モードはホワイトバランスの“青く”と“赤く”、また露出の調整を“明るく”と“暗く”というカメラ初心者でもわかりやすい言葉で表現。バーグラフを見ながら明るさと色合いを調整できる。

 「打ち上げ花火」モードは、フォーカスを無限遠にして撮影できるモード。シャッター速度は2秒、4秒、8秒から選択できる。露出と色調も打ち上げ花火に適した設定になる。このモードのみ、シャッター音が落語家の林家彦いち氏による掛け声「たーまやー」になる。

 「ゴルフ連写」はCX5の高速連写機能「Mプラス連写」を利用し、2秒間で26枚を連写する機能。ゴルフのスイングを確認するための機能で、再生時にはグリッドラインが表示される。斜めのグリッドラインは角度を変更できる。同機能利用時の画像サイズは200万画素相当になる。

 外観はほぼ前モデルを踏襲したものとなっている。前面の指掛かりは下部に盛り上がりを設けてホールド性を高めている。背面のボタンおよびレバーや上面のレイアウトはほぼ同じ。ただし、モードダイヤルの並び順がCX4と異なっている。ストラップホールはCX4と同じく、グリップ側で2点吊りもできる。

 また、新たにHDMI端子を装備した。なお今回から、これまでは同梱だったAVケーブル「AV-1」(1,575円)がオプション扱いになった。純正のHDMIケーブル「HC-1」(3,150円)もラインナップし、ユーザーの環境によって選択できるようにした。

 無線LAN内蔵SDメモリーカード「Eye-Fi」との連動も新機能。Eye-Fi X2シリーズを使用した場合、通信状態がアイコンで表示されるほか通信中にオートパワーオフが働かなくなるようになった。

ブラック
グリーンシルバー
ローズピンク

 そのほか、主な撮影機能はCX4を引き継いでいる。画像処理エンジンもCX4と同じ「Smooth Imaging Engine IV」。

 画面を分割して各部を適切なホワイトバランスとする「マルチパターンオートホワイトバランス」、画像のノイズ分布を解析して領域に応じ最適な処理を行なう「ノイズ軽減量[MAX]」、望遠端でも被写体に28cmまで近づいて撮影できる「テレマクロ機能」、電子水準器、約92万ドット(VGA)の3型液晶モニター、最大120コマ/秒の高速連写機能、アスペクト比1:1や16:9での撮影機能などが利用できる。ソフトフォーカス、クロスプロセス、トイカメラ、ミニチュアライズといった画像処理が行なえる「クリエイティブ撮影モードも継承した。

CX5ご紹介キャンペーン

 CX5の発売に併せて「CX5ご紹介キャンペーン」を実施する。期間は2月10日~5月9日購入分。応募締切りは5月16日(当日消印有効)。

 CX5を期間中に購入し、知り合いや友人にCX5を勧めて相手もCX5を購入した場合、双方に2,500円ずつをキャッシュバックするもの。応募は両者とも、購入を証明でできる書類(レシート、領収書、クレジット控え。コピー可)、製品箱にある応募券の切り取り、シリアル番号などの必要事項をキャンペーン事務局に送付する。2人以上に紹介して購入した場合も応募できる。

 応募の詳細はキャンペーンサイトを参照されたい。

先行展示&発売前貸し出しサービス

 リコーフォトギャラリーRING CUBEでは、26日からCX5の先行展示を実施する。加えて、発売前貸し出しサービスも実施する。

 発売前貸し出しサービスは、RING CUBEで毎日(休館の火曜を日除く)先着5名にCX5を無料貸し出しするもの。受付は11時~17時。カメラの返却は19時。記録メディアはユーザーが用意する。借り受けるには顔写真の付いた身分証明書が必要。事前予約はできない。

 RING CUBEの住所は、東京都中央区銀座5-7-2 三愛ドリームセンター8・9階(受付9階)。

製品名CX5
撮像素子1/2.3型有効1,000万画素裏面照射型CMOSセンサー
レンズ28-300mm相当(35mm判換算)F3.5-5.6
最短撮影距離1cm(マクロモード広角端・ズームマクロ)
28cm(マクロモード望遠端)
手ブレ補正センサーシフト式
感度ISO100-3200
露出プログラムプログラムAE
測光方式マルチ(256分割)、中央重点、スポット
シャッター速度1/30-1/2,000秒
液晶モニター3型約92万ドット
記録メディアSDHC/SDメモリーカード(内蔵約40MB)
連写速度約5枚/秒
動画記録Motion JPEG(1,280×720)など
バッテリーリチウムイオン充電池(DB-100)
撮影可能枚数約280枚
外形寸法101.5×58.6×29.4mm
質量約176g(本体)
約197g(バッテリー、メモリーカード含む)

【2011年1月27日】初出時、「打ち上げ花火」モードのシャッター速度が4秒のみと記載しておりましたが、実際には2秒、4秒、8秒から選択できる点を追記しました。




(本誌:武石修)

2011/1/26 15:00