ペンタックス、最高連写7コマ/秒のデジタル一眼レフ「K-5」を国内発表
ペンタックスは、デジタル一眼レフカメラ「K-5」を10月下旬に発売する。価格はオープンプライス。店頭予想価格は、ボディのみで14万円前後の見込み。
K-5ボディと標準ズームレンズ「DA 18-55mm F3.5-5.6 AL WR」をセットにした「18-55WRレンズキット」と、同時発表の高倍率ズームレンズ「DA 18-135mm F3.5-5.6 ED AL [IF] DC WR」をセットにした「18-135レンズキット」を用意する。価格はどちらもオープンプライス。店頭予想価格は、18-55WRレンズキットが15万円半ば、18-135レンズキットが19万円前後の見込み。
K-5 |
2009年6月発売のKシリーズ中級機「K-7」の後継機にあたるデジタル一眼レフカメラ。最高約7コマ/秒の連写性能を備えたほか、高感度性能を強化した。拡張設定時にISO80~51200までの感度設定が可能(K-7は拡張設定で最大ISO6400)。常用ISO感度12800を謳う。最大1,920×1,080ピクセル、25fpsのフルHD動画記録にも対応した。
ドイツ・ケルンで21日(現地時間)より開幕するフォトキナ2010の会期前日、ペンタックスは現地でK-5を報道関係者向けに発表。21日、日本でも正式発表を行なった。
■処理速度を高速化、AF精度を向上
撮像素子はAPS-Cサイズ相当(23.7×15.7mm)、有効約1,628万画素のCMOSセンサー。撮影時の画像処理プロセスを刷新し、センサー内でA/D変換を行ない、センサーから直接画像処理エンジンへ転送することで、処理をより高速化したとしている。K-7ではCMOSセンサーからA/Dコンバーターへ4ch伝送を行ない、その後画像処理エンジンへ転送していた。画像処理エンジンはK-7に引き続き「PRIME II」。撮像素子はソニー製。
AFセンサーは、5月発売の中判デジタルカメラ「645D」にも搭載している「SAFOX IX+」(K-7はSAFOX VIII+)。AFポイントは11点。K-7と比べてAF精度をさらに向上させ、合焦速度も高速化したという。具体的には、環境変化時のピント位置の変化を低減させて安定性を向上したほか、レンズ収差の低減と透過率アップにより、合焦精度を向上させた。これに伴い、ライブビュー時のAFも高速化したとしている。最高シャッター速度は1/8,000秒。
また、SAFOX IX+の「+」は光源検知センサーの採用を意味しており、撮影時に光源情報を加味する。K-5ではオートホワイトバランスの精度向上にも光源検知センサーを利用しているとのこと。
ファインダーは視野率約100%、倍率約0.92倍のペンタプリズムファインダー。フォーカシングスクリーンも交換式で、K-7と同じものを使用できる。そのほか、手ブレ補正機構「SR」(Shake Reduction)、ダスト対策機構「DR II」、防塵防滴構造などを備える。外観はK-7をほぼ踏襲しつつも、モードダイヤルの厚みを増し、AFレバーの形状を変更するなど、使い勝手の向上を図った。
CMOSセンサー | SRユニット |
SRユニット構成図 | シャッターユニット |
マグネシウムボディを採用 | ボディの77カ所にシーリングを施す |
■NRの詳細設定が可能に。構図微調整範囲も拡大
機能面では、AFの挙動で優先する項目を設定できるようになった。AF.C時には「フォーカス優先」と「レリーズ優先」、AF.S時には「フォーカス優先」と「コマ速優先」がそれぞれ設定可能。また、高感度NRの設定において、個別の感度ごとにNRの強度が設定可能になった。
ライブビュー時のグリッド線表示機能には、新たに対角線構図と三分割法をもとにした「黄金分割」を追加した。電子水準器の表示は、左右方向に加えて、前後方向の傾きも検出・表示するようになった。構図微調整機能の調整範囲は、K-7の上下左右1mmから1.5mm(回転時は1mm)に拡大した。
AF.C時の動作設定 | AF.S時の動作設定 |
ISO感度のそれぞれに高感度NRの適用強度を設定できる |
カスタムイメージで利用できるシャープネス設定には「エクストラシャープネス」を追加。K-7のファームアップで追加された「ファインシャープネス2」よりもさらに微細な箇所の輪郭を強調し、解像感を高めるとしている。また、カスタムイメージには、10月中旬発売予定の下位機種「K-r」にも搭載している「銀残し」を追加した。
画像再生時の機能としては、JPEGで撮影した画像のうち最新のものをRAWとして改めて保存できる「RAW画像追加保存」を新たに備えた。
画像の色味をランダムに変更する「クロスプロセス」も新搭載。K-rと同じく、気に入った色味を3つまで保存できる。クロスプロセスは、下位機種のK-rおよびK-xだけに搭載していた機能だった。
RAWボタンの動作設定 | 電子水準器は前後方向に対応 |
エクストラシャープネス | カスタムイメージ「銀残し」 |
RAW画像追加保存 | クロスプロセス |
このほか、対応交換レンズの倍率色収差/ディストーション補正、自動水平補正、HDR合成機能などをK-7から引き続き装備。また、撮影画像にエフェクトを施せるデジタルフィルターには、「デッサン」と「ポスタリゼーション」を追加した。
液晶モニターは約92.1万ドットの3型。電源はK-7に引き続きリチウムイオン充電池「D-LI90」。バッテリーグリップもK-7と同じく「D-GB4」を使用できる。
対応メディアはSDHC/SDメモリーカード。本体サイズは約131×97×73mm、重量は約740g(電池、記録メディア込み)、約660g(本体のみ)。
デジタルフィルター「デッサン」(左)と「ポスタリゼーション」(右) |
簡易動画編集機能をK-7と同様に備えた。左は消去画面、右は分割画面 |
ダストアラート | ステータススクリーン |
■現行機種との比較
K-5 | K-7 | K-r | ||
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発売時期 | 2010年10月 | 2009年6月 | 2010年10月 | |
店頭価格(発売時) | 14万円前後 | 13万円前後 | 7万4,800円前後 (レンズキット) | |
撮像素子 | タイプ | CMOS | ||
サイズ | 23.7×15.7mm | 23.6×15.8mm | 23.4×15.6mm | |
有効画素数 | 1,628万 | 1,460万 | 1,240万 | |
最高感度 | 通常設定 | ISO12800 | ISO3200 | ISO12800 |
拡張設定 | ISO51200 | ISO6400 | ISO25600 | |
手ブレ補正機構 | 形式 | 撮像素子シフト式 | ||
有効補正範囲 | 最大約4EV | 2.5~4EV | 最大約4EV | |
ダスト対策 | 形式 | DR II | DR | |
ダストアラート | ○ | |||
ライブビュー | ○ | |||
動画記録 | ○ | |||
フルHD記録 | ○ | × | ○ | |
防塵防滴 | ○ | ― | ||
ファインダー | 視野率 | 約100% | 約96% | |
倍率 | 約0.92倍 | 約0.85倍 | ||
スクリーン交換 | ○ | ― | ||
AF | 方式 | SAFOX IX+ | SAFOX VIII+ | SAFOX IX |
総測距点数 | 11 | |||
スーパーインポーズ | ○ | |||
シャッター | 最高速度 | 1/8,000秒 | 1/6,000秒 | |
ストロボ同調速度 | 1/180秒以下 | |||
連写 | 約7コマ/秒 | 約5.2コマ/秒 | 約6コマ/秒 | |
液晶モニター | サイズ | 3型 | ||
画素数 | 92.1万ドット | |||
記録メディア | SDHC/SDメモリーカード | |||
内蔵ストロボ(ISO100・m) | GN13 | GN12 | ||
HDMI | ○ | ― | ||
使用電池 | D-LI90 | D-LI109/単3電池×4 | ||
バッテリーグリップ | D-BG4 | ― | ||
本体サイズ | 幅 | 131mm | 130.5mm | 125mm |
奥行 | 73mm | 72.5mm | 68mm | |
高さ | 97mm | 96.5mm | 97mm | |
重量(本体のみ) | 約660g | 約670g | 約544g |
2010/9/21 10:09