ペンタックス、6コマ/秒・手持ちHDR対応の「K-r」

〜通信対戦ゲームやスーパーインポーズも搭載

 ペンタックスは、デジタル一眼レフカメラ「K-r」を10月中旬に発売する。レギュラーカラーはホワイト、ブラック、ピンクの3色。ボディとグリップのカラーを任意に組み合わせることのできる「オーダーカラー受注サービス」や、購入後のグリップ交換サービスも用意する。オーダーカラー受注サービスについては「ペンタックス、『K-r』『DA 35mm F2.4 AL』のオーダーカラー受注サービス」を参照されたい。
 

ホワイトブラック
ピンク

 用意するのは、K-rボディ単体の「K-rキット」およびレンズキット2種類。標準ズームレンズ「DA L 18-55mm F3.5-5.6 AL」をセットにした「K-rレンズキット」と、K-rレンズキットに「DA L 55-300mm F4-5.8 ED」も加えた「K-rダブルズームキット」。いずれも価格はオープンプライス。店頭予想価格はK-rキットが7万4,800円前後、K-rレンズキットが7万9,800円前後、K-rダブルズームキットが9万9,800円前後の見込み。

 ペンタックスが「エントリークラスの上位機種」とするデジタル一眼レフカメラ。エントリークラスとミドルクラスにまたがる位置づけで、「K-x」(2009年10月発売)はレギュラーカラーのみ継続販売する(K-xのオーダーカラー受注は2010年9月30日をもって終了)。

ホワイト

 撮像素子はAPS-Cサイズ相当(23.6×15.8mm)のCMOS。有効画素数は約1,240万画素。画素数はK-xと同じだが、高速読み出しが可能な新型のCMOSを採用している。画像処理エンジンは「PRIME II」を搭載した。感度はISO200からISO12800。拡張でISO100とISO25600も利用できる。

 AFセンサーは「SAFOX IX」を搭載する。AF測距点は11点(中央9点クロス)。K-xは「SAFOX VIII」を搭載していた。中判デジタル一眼レフカメラ「645D」が採用する「SAFOX IX+」との違いは、IX+が撮影時に光源情報を加味する機能を有する点。なお、本体にAF補助光も搭載した。

 また、ライブビュー中のコントラストAFもアルゴリズムの改良により向上。シャッターボタンの半押しでAFを作動すると、測距点の周辺を拡大表示し、合焦後に全体表示へ戻る。

 手ブレ補正機構は撮像素子シフト式の「SR」(Shake Reduction)を搭載。補正効果はシャッタースピード換算で最高約4段分相当としている。

有効約1,240万画素の新型CMOSセンサー手ブレ補正機構「SR」ユニット

 ファインダーは視野率約96%、倍率約0.85倍のペンタミラー式。K-xにはなかったスーパーインポーズ機能を搭載した。フォーカシングスクリーンは「ナチュラルブライトマットII」を採用。スーパーインポーズの搭載によりペンタ部の形状がK-xとは異なり、高さが約5.5mm増した。

 連続撮影は6コマ/秒で、JPEG撮影時最大25コマ、RAW撮影時12コマ。K-xは4.7コマ/秒だった。最高シャッター速度は1/6,000秒でK-xと同じ。

ファインダー内のイメージ。スーパーインポーズを搭載した

 カスタムイメージは、645Dおよび最新ファームウェアを適用した「K-7」で利用できる「リバーサルフィルム」や、新搭載の「銀残し」を含む全9種類から選択可能。銀残しは、ハイキーな既存カスタムイメージ「ほのか」と対照的なローキーに仕上げるという。

 デジタルフィルターは、新たに「トゥインクル」、「デッサン」、「ポスタリゼーション」を搭載して全18種類となった。効果の重ね掛けも可能。

 K-xで新たに搭載したクロスプロセスモードは、結果が予想できない「シャッフル」、予めパラメーターが設定されている「プリセット」(3種類)に加え、好みの結果を保存できる「お気に入り」(3種類)を搭載した。

新カスタムイメージ「銀残し」を搭載クロスプロセスに「お気に入り」を追加
ブラック

 HDR(High Dyamic Range)機能は、自動位置調整機能の搭載により手持ち撮影も可能になった。効果はオート、標準、誇張(3段階)のうちから選択可能。また、シーンモードに3枚の連写合成を行なう「夜景HDR」を搭載している。

HDR撮影機能シーンモードに「夜景HDR」を搭載

 ペンタックスのデジタル一眼レフカメラで初めて、赤外線通信機能(IrSimple/IrSS)を搭載。K-rを含む対応電子機器へ撮影画像を直接送信できるほか、Exif情報を使った通信対戦ゲーム「フォトチャレンジャー」を楽しめる。

 フォトチャレンジャーは、撮影画像のExifデータに基づきパラメータを生成。お互いに味方の出撃順を決定し、K-r同士の赤外線ポートを近づけると戦いが始まる。試合後は勝敗とともに通算の対戦成績も記録する。なお、フォトチャレンジャーで使用する画像は被写体を問わない。

ピンク

 レンズの歪曲収差および倍率収差の補正機能は、K-xで対応していたDA/DFAレンズに加え、FAリミテッドレンズにも対応。ホワイトバランス調整の「CTE」や、ライブビュー対応のオート撮影モード「オートピクチャーモード」も引き続き利用できる。ライブビューのグリッドには「黄金分割」を追加した。

 ポップアップ式の内蔵ストロボを装備。GNは約16(ISO200・m)、約12(ISO100・m)。照射角は35mm判換算で28mm相当をカバーする。ストロボ同調速度は1/180秒以下。

 記録メディアはSDHC/SDメモリーカード。動画記録は最大1,280×720ピクセル/25fpsのMotion JPEG。

 液晶モニターは3型92万ドット。視野角は上下・左右それぞれ170度。K-xは2.7型23万ドットだった。

 電源はリチウムイオン充電池「D-LI109」が付属。別売で単3型電池ホルダー「D-BH109」(10月下旬発売、3,500円)を用意する。D-LI109使用時の撮影可能コマ数は、約560枚(ストロボ発光なし)、約470枚(ストロボ50%発光)。

 本体サイズは約125×97×68mm。重量は約598g(撮影時)、約544g(本体のみ)。

リチウムイオン充電池「D-LI109」が付属する別売の「D-BH109」で単3型電池も使用可能
単3型電池ホルダー「D-BH109」単3型電池の装填例
現行機種との比較

K-rK-xK-7
発売時期2010年10月2009年10月2009年6月
店頭価格(発売時)7万4,800円前後7万円前後(レンズキット)13万円前後
撮像素子タイプCMOS
サイズ23.6×15.8mm23.4×15.6mm
有効画素数1,240万1,460万
最高感度通常設定ISO12800ISO6400ISO3200
拡張設定ISO25600ISO12800ISO6400
手ブレ補正機構形式撮像素子シフト式
有効補正範囲最大約4EV2.5~4EV
ダスト対策形式DRDRII
ダストアラート
ライブビュー
動画記録
防塵防滴
ファインダー視野率約96%約100%
倍率約0.85倍約0.92倍
スクリーン交換
AF方式SAFOX IXSAFOX VIIISAFOX VIII+
総測距点数11
スーパーインポーズ
シャッター最高速度1/6,000秒1/8,000秒
ストロボ同調速度1/180秒以下
連写約6コマ/秒約4.7コマ/秒約5.2コマ/秒
液晶モニターサイズ3型2.7型3型
画素数92万ドット23万ドット92万ドット
記録メディアSDHC/SDメモリーカード
内蔵ストロボ(ISO100・m)GN12GN13
HDMI
使用電池D-LI109/単3電池×4(要「D-BH109」)単3電池×4D-LI90
バッテリーグリップD-BG4
本体サイズ125mm122.5mm130.5mm
奥行68mm67.5mm72.5mm
高さ97mm91.5mm96.5mm
重量(本体のみ)約544g約515g約670g

【2010年9月9日】表中の最高感度の数値が誤っていたので修正しました。

【2010年9月9日】撮影可能コマ数を単3リチウム電池の値としていた点を、リチウムイオン充電池D-LI109の数値として表記を改めました。

(本誌:鈴木誠)

2010/9/9 14:00