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コスプレイベントで無線ストロボ「Cactus RF60」を体験

2灯でのオフカメラ撮影を試す

カメラアクセサリーを扱うイメージビジョンは、12月23日に開催されたコスプレ撮影ベント「CFRジャックの塔」に製品体験ブースを出展した。ここではその模様をお伝えする。モデルは高実茉衣さん。

CFRジャックの塔は、コスプレイベントを運営する団体CFRが主催しているもので、今回は横浜にある横浜市開港記念会館の一部借り切って撮影が行われた。比較的少人数で、講堂や廊下などを使用できるため撮影がしやすいとのこと。

会場の横浜市開港記念会館。内装もレトロで、人物撮影の背景にはよく合う
メインで使用された講堂。参加者は各所で撮影を楽しんだ。ステージのピアノも撮影に使用できる
イメージビジョンのブース

イメージビジョンのブースには、同社が扱う香港Harvest Oneのクリップオンストロボ「Cactus RF60」やexpoimagingのディフューザー「ROGUE FlashBender」が並び、参加者に貸し出した。

Cactus RF60
Cactus V6
ROGUE FlashBender
主催者からは小道具の貸し出しもあった

イメージビジョンがこうしたコスプレイベントにブースを出展するのは今回が初めて。同社スタッフは、「コスプレの市場は、ストロボなどにっとても大きいと見ている。実際にCactusのストロボなどを使ってもらうことで、良さを知ってもらえると考えて出展した。Cactusのストロボシステムは低コストでオフカメラの多灯ライティングができ、異なるメーカーのストロボにも対応できるのがメリット」と話す。

Cactus RF60は、電波式の無線送受信機を内蔵しており、他のストロボをオフカメラ発光できるほか、ワイヤレスライティングトランシーバー「Cactus V6」で様々な多灯ライティングが可能になる。

室内が電球色の照明のため、ストロボにはオレンジのフィルターを付け、カメラのWBを電球色に設定した
カメラにはCactus V6をセット

今回は、カメラマンの飯野兼嗣氏がイメージビジョンブースに常駐し、使い方などを参加者に説明した。筆者も飯野氏にライティングをしてもらい、撮影を行った。全体的に暗い会場とあって、来場者の多くがストロボを持参していた。

ストロボ2灯で驚きの効果

最初は、RF60を2台使って電球を前ボケにするというシーンにトライした。メインライトとなる1灯には円形のディフューザーroundflashを装着。もう1灯にはFlashBenderを装着し、モデル後方から当てた。

ストロボを使用しないで、モデルを適正露出にすると奥の窓の景色が白トビしてしまうところだが、ストロボで人物を起こすことで、窓の外の白トビが防げた。

ストロボを照射しない状態。顔を適正露出にすれば背景や手前の電球が白トビしてしまう
同じ露出でストロボを発光。背景とのバランスも良い
メインライトとなるroundflashをスタンドに装着
後方から照らすのはグリッドを付けたFlashBender
電球の明るさともバランス良く描写できた

次はroundflashの本来の使い方である、レンズを中心に通しての撮影でアップで狙った。ドーナツ状のキャッチライトが入るのが特徴だ。

roundflashはこのようにレンズを中心に通して、大きなリングライトとして使える
手持ちで上から撮影。リング型のキャッチライトが入った。背景の床のテカリも美しい
roundflashは折りたたむとこの程度に収納でき、持ち運びやすい

さらに、ドアの場所に立ったカットも撮影。このとき、ドアの向こう側に1灯を仕込むことで、紙にラインライトを出すことができた。無線式ストロボならではの使い方と言える。

髪にラインライトが現れた

続いては、壁を利用して奥行きのあるシーンを狙った。ここでも1灯をモデルの後ろに置くことで、ラインライトがうまく表現できた。

基本的なライティングはここも同じ。モデルを前後から照射する
ラインライトと壁の奥行きで立体感が表現できた

次に、同じ場所で「ROGUE Flash Grid」を使用してみた。これは各社のクリップオンストロボに装着できるハニカムグリッド。これを付けると照射角が絞られ、スポットライト的な効果が得られる。グリッドは大型ストロボではよく使われるアクセサリーだが、クリップオンストロボで同じような表現ができるのが面白い。

ROGUE Flash Gridは簡単に装着可能
定常光の露出を切り詰め、グリッドによるスポット光を当てたことで、闇に浮かび上がるような描写になった。床への反射も良い具合だ

以上の撮影は講堂内部で行ったが、この会場は18時以降は廊下でも撮影が可能になる。そこで、2階に続く階段にあるステンドグラスを背景に撮影することになった。

ステンドグラスを後方から2灯で照らす

しかし、夜なのでステンドグラスは暗いままだ。そこで、ステンドグラスと90度になる廊下からRF60を2台使ってステンドグラスを照らした。これによって綺麗な背景を作り出すことができた。

ステンドグラスへの照射無し(左)とあり(右)の違い。ステンドグラスは光が差し込まないとあまり絵にならない
ここではメインライトとしてCactusのソフトボックスを使用
ステンドグラスが光ることで良い雰囲気になった
ステンドグラスの色が柱に写り込んだのも味わいがある

また途中からグリッドを付けたRF60を追加し、モデル後方から照射。ラインライトと手すりの輝きが表現できた。

向かって右側にグリッド付きのRF60を設置。反対側から撮影した
グリッドからの光が手すりの柱に写り奥行き感に繋がった

最後は階段の下から見上げるショットも撮影。このときもステンドグラスを照らすRF60が活躍した。建物の1階と2階という離れた場所でも、無線で問題なくシンクロできる点ができ映えに繋がった。

1階から2階方向を撮影。ほぼ正面からソフトボックスを当てている

クリップオンストロボというと、カメラに付けたままで撮ることが多いが、このようにカメラから離して使う「オフカメラ」を行うことで、背景などに合わせた自然なライティングができ、さらに2灯を駆使すれば、表現の幅もかなり広がると感じた。

(本誌:武石修)