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部分積層型センサーに刷新。高速性能を強化した「LUMIX S1II」
最大約70コマ/秒のブラックアウトフリー連写も
2025年5月14日 09:40
パナソニックは、高速性能を特徴とするフルサイズミラーレスカメラ「LUMIX S1II」を6月中旬に発売する。店頭予想価格はボディ単体が45万5,400円前後、LUMIX S 24-105mm F4 MACRO O.I.S.が付属するレンズキットが57万4,200円前後。
LUMIX Sシリーズカメラのハイエンドに位置づけられる「S1」の第2世代モデル。2019年3月に登場した前機種から、イメージセンサーを“部分積層型”に刷新。主に高速性能の進化をアピールする。
同日に発表した「LUMIX S1IIE」は、裏面照射型のイメージセンサーを採用したスタンダードモデルの位置づけ。その上位に高速性能に優れる本機「LUMIX S1II」と、3月に先行して登場した高解像モデル「LUMIX S1RII」の2機種が並んでおり、“S1IIシリーズ”として3モデルの体制を整えたかたちとなっている。
部分積層型センサーを採用
新開発という部分積層型CMOSセンサーは有効約2,410万画素。画素領域の上下に高速処理回路を積層して配置し、高画質と高機能を同時に実現したという。S5IIに搭載するイメージセンサーとの比較で、約3.5倍の高速読み出しが可能としている。
電子シャッター時において、12bit記録の速度優先設定で最大約70コマ/秒のブラックアウトフリー連写に対応する。14bitの画質優先の場合でも約60コマ/秒の速度を確保。ちなみにS1IIEは最大約30コマ/秒(12bit)、S1RIIは約40コマ/秒(12bit)となっている。
0.5秒、1.0秒、1.5秒から設定できるプリ連写機能も備えている。
同社マイクロフォーサーズ機「GHシリーズ」に採用歴のあるダイナミックレンジブーストを、LUMIX Sシリーズとして初めて搭載した。撮像素子の低ISO回路から生成する飽和優先の画像と、高ISO回路から生成する低ノイズ優先の画像を合成することで、階調豊かなHDR動画を記録できるという機能だ。最大15ストップの広いダイナミックレンジによるV-Log/V-Gamut動画記録が可能になった。なお、LUMIX S1IIEにはこの機能は非搭載となっている。
動画記録は、アスペクト比3:2となるセンサー全域を活用した6K 30pおよび5.1K 60p(いずれも10bit)記録に対応する。
ちなみに“部分積層型”のイメージセンサーを採用したモデルとしては、ニコンが2024年7月にフルサイズミラーレスカメラの「Z6III」を発売していた。
LUMIX S1IIEとの共通仕様
5軸ボディ内手ブレ補正を搭載。補正効果は中央8.0段、周辺7.0段。
動画撮影をサポートする電子手ブレ補正も各種搭載しており、S1RIIで初搭載された「クロップレスモード」も備えた。アナモフィックレンズ使用時に電子手ブレ補正の「強」モードが使用可能になるなど、機能強化が盛り込まれた。
AIを活用したリアルタイム認識AFにも対応。人物の瞳、顔の認識精度が大幅に向上しており、被写体が傾いていたり顔に一部が隠れているようなシーンでも、より正確なピント合わせが可能になったという。
被写体認識は人物、動物、クルマ、バイク/自動車、列車、飛行機に対応。なかでも人物については、スケートボードやスポーツパルクールといった競技を対象とした「アーバンスポーツ」の認識に特化したモードを新搭載した。S1RIIについてはファームウェアアップデートでアーバンスポーツを追加する予定としている。
9,600万画素での記録に対応するハイレゾモードを搭載した。RAWおよびJPEGに対応。手持ちハイレゾ撮影も可能としている。
このほか静止画性能として、新たにHEIF記録に対応した。カメラ本体でのRAW現像時に、AIによるホワイトバランス調整を可能とするAI-AWBも新機能として追加した。
動画記録においては、ProRes RAW HQの内部記録に対応。
S1RIIで初対応となった写真撮影テザーソフト「Capture One」にも対応した。また同社の映像制作向けアプリ「LUMIX Flow」も利用できる。
アドビのクラウドサービス「Frame.io Camera to Cloud」との連携も可能としている。
背面モニターは3型・約184万ドット。可動は“チルトフリーアングル”式を採用した。EVFは約576万ドットのOLEDパネル。約1万:1のコントラスト比で、階調豊かな表示が可能という。
電源OFF時のシャッター閉幕機能を搭載した。
Bluetooth経由のタイムコード同期にLUMIXで初めて対応した。対応するタイムコードジェネレーターを経由して、複数のカメラのタイムコードを同期可能となる。
本体は防塵防滴に配慮した設計を採用。接合部、ダイヤル部、ボタンをシール構造とした。
外形寸法は134.3×102.3×91.8mm(S1II/S1IIE共通)。バッテリーとSDカードを含む質量はLUMIX S1IIが800g、S1IIEが795gとなっている。