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ニコン、世界初・部分積層センサー搭載のミラーレスカメラ「Z6III」

フラグシップモデルの性能を継承

ニコンは、ミラーレスカメラ「Z6III」を7月12日(金)に発売する。価格はオープン。店頭予想価格(税込)は43万5,600円。

世界初という部分積層型CMOSセンサーを搭載し、ミドル機ながらZ9やZ8といったフラッグシップ機の性能を継承するモデルとしている。Z6IIの後継機として位置づけられる。

部分積層型CMOSセンサーとは、高速処理回路を画素領域の上下に積層配置したもの。それによりイメージセンサーの読み出し速度がZ6IIと比較して約3.5倍向上した。画像エンジンは「EXPEED 7」を搭載し、今回搭載したセンサーと組み合わせることで、Z6IIより約10倍の高速データ処理が可能となった。

Z6IIIに搭載される部分積層型CMOSセンサー
画像エンジンはZ9やZ8にも搭載される「EXPEED 7」

それにより、最大約120コマ/秒の高速連写、FHDでの240p動画撮影、6K/60pのN-RAW動画のカメラ内収録、ローリングシャッターの歪み抑制を実現した。EVFのリフレッシュレートも向上し、約20コマ/秒の連続撮影時にも滑らかなファインダー像が得られるという。

有効画素数は約2,450万で、ニコンFXフォーマットサイズとなる。ISO感度はISO 100〜64000(拡張でISO 50相当までの減感、ISO 204800相当までの増感が可能)。

Zシリーズで最も高画質だというEVFを搭載。表示解像度は約576万ドット。歪みや色収差を抑えた仕上がりだという。リフレッシュレートは60fps。

明るさは4,000cd/㎡で“Zシリーズ”の中で最も明るいEVFとしている。そのため、真夏や雪山などの非常に明るい環境でもはっきりと被写体を確認できるいう。DCI-P3の色域にも対応しており、鮮やかな色の被写体でも飽和しにくいとしている。

被写体検出や3D-トラッキング、カスタムワイドエリアAFを搭載。被写体検出機能の対象は人物・犬・猫・鳥・飛行機・車・バイク・自転車・列車。Z9やZ8同様に撮像範囲の長辺約3%に相当する小さな顔も検出するという。合焦速度はZ6II比で約20%向上し、Z8やZ9と同等。AF低輝度限界は-10EVとなる。

シャッター速度は1/8,000〜30秒(マニュアルでは900秒まで延長可能)。電子シャッター利用時のみ1/16,000秒に対応する。連写は最高約120コマ/秒に対応。プリキャプチャー機能も搭載する。

ボディ内手ブレ補正(VR)は8段を実現。Zfに搭載された「フォーカスポイントVR」を搭載する。選択したフォーカスポイント付近のブレを抑えるもので、これまで難しかった画面隅の被写体のブレも抑えられるという。

Zfに搭載した「ピクセルシフト」撮影にも対応し、約9,600万画素の高画質画像の作成ができる。

肌を滑らかに自動補正する「美肌効果機能」を搭載。ピクチャーコントロールには、白飛びを抑えつつも人物の肌ディティールを表現する「リッチトーンポートレート」も用意する。

動画では、6K/60p RAW動画と5.4K/60p記録に対応。そのほか6Kオーバーサンプリングの4Kに対応する。RAW動画の内部記録に対応し、外部レコーダーを使わず保存できる。音声についてはライン入力にも対応する。

ソフトウェア「NX STUDIO」でピクチャーコントロールを作成できる「フレキシブルカラーピクチャーコントロール」を搭載。従来より調整幅が広いことが特徴。メーカーやクリエイターが作成したピクチャーコントロールを適用できるサービスも開始する。

背面モニターとして、3.2型タッチパネル式のバリアングル液晶モニターを装備。表示スペックは約210万ドット。

バッテリーには、Z8やZ6IIなどと同じ「EN-EL15c」を採用する。別売りのパワーバッテリーパック MB-N14も用意。EN-EL15cを2つ装填することでバッテリー寿命を1.9倍に延長できるという。

パワーバッテリーパック MB-N14
装着イメージ

メモリーカードスロットは、CFexpress TypeBとSDメモリーカードのダブル仕様。

ボディ各所にはシーリングが施されており、Z8同等という防塵防滴性能を有している。

接続端子にはUSB Type-C×1、HDMI×1、外部音声入力×1、ヘッドホン出力×1を用意。

外形寸法は約138.5×101.5×74mm。質量は約760g(バッテリー、メモリーカード含む)。

本誌:佐藤拓