22日から新宿高島屋11階催会場にて「第5回新宿クラシックカメラ博」が開催されている。ここではその様子をお伝えするとともに、筆者が会場で見つけたデジカメWatchならではのアイテムを紹介する。会期は8月28日まで。
「第5回新宿クラシックカメラ博」は、8月28日まで新宿高島屋11階催会場で開催される。営業時間は10時~20時まで(最終日は午後6時閉場)。新宿駅南口からだとアクセスがよい。 新宿クラシックカメラ博は、毎年夏に開催される中古のカメラ・レンズなどを即売するフェア。出店は東北・宮城県から九州・福岡県までのカメラショップ22店のほか、特別出店となるオーストリアからのカメラショップやカメラ用品を扱うエツミ、プロ用の機材をメインとするケンコープロフェッショナルイメージングなど合計25店ほどが出店している。
このカメラ博はもともと銀座で「銀座中古カメラ市」として2001年より開催されていたもので、新宿に場所を移したのが2009年。イベント名にあるとおり今年で5年目となる。主催する写真機商振興会代表で有限会社カワマスカメラ店社長の川桝氏に、今回のカメラ博の様子をうかがったところ「まだ初日なのでわからないが、カメラボディもさることながら交換レンズの人気が増々高まっている」という。
デジタル一眼レフも並ぶショーケース。そのほかミラーレス機や高級コンパクトデジタルカメラなども見受けられた。(ワカイカメラ) ローパスフィルター付のマミヤ「ZDデジタル」。2005年の発売だが、その描写は最新の中判デジタルと遜色ない。有効画素数は2,130万画素。(コセキフォトテック一番町店) 初日である22日午前は、平日ながら老若男女たいへんな賑わいで、広い通路にも関わらず人と人の間を縫うように歩かなければならないほどの人の入り。お金が舞うという表現があるが、まさにそのような状況で高価な商品が飛ぶように売れていく。ショーケースのなかのカメラ、レンズを出してもらうには、順番待ちしないとならないほどであった。ちなみに、恒例となっている初日開店前の行列だが、開店1時間前には新宿高島屋の入り口に100人ほどの列ができていたとのことである。
年1回の開催だけに、カメラショップの力の入れ具合も並々ならぬものがあり、希少性の高いカメラやレンズなどところ狭しとショーケースに並ぶ様子は壮観。一部には500万円を超えるカメラなども陳列され、来場者の注目を集めていた。
最初期型のライカM3。価格は何と555万5,555円! 製造番号は7000458なので459番目につくられたことになる。量産体制後のモデルとの外観上の大きな違いは、正面左上の隅に段が付いていること。(オーストリア・ライカショップ) キヤノンの歴史はここからはじまったともいえるハンザキヤノン。レンズにニッコールを搭載する。戦前に発売されたモデルだが、写真の個体は非常に程度がよい。(藤井商店) 出店は国内外のカメラショップ23店に加え、エツミ(写真)やケンコープロフェッショナルイメージングなども出店している。探しているカメラやレンズもきっと見つかる!? 「単にカメラやレンズを売るだけに留まらず、文化的な活動も行ない来場者の方々により楽しんでもらいたい」と前出の川桝氏はいうとおり、イベントなど用意されているのもこのカメラ博の特徴。今回は24日13時から写真家・田村彰英氏、25日13時から作家・福田和也氏によるカメラ・写真にまつわるトークショーを開催する予定であるほか、三遊亭あほまろ氏と高村達氏による写真展を期間中開催。また、オールドカメラ、オールドレンズファンにはうれしいカメラクリニック(有料)コーナーを同じく期間中開設する。さらに、会場限定オリジナルストラップの販売や、24日と25日はジャンク品コーナーも開設される予定だ。
オールドレンズをミラーレスカメラで楽しみたいデジタルユーザーなど見るだけでも楽しいので、ぜひ足を運んでみてほしい。
【注意】掲載した商品は、取材時のものです。すでに完売や予約済みになっている場合があることをご承知置きください。
新品のローデンシュトックの引伸しレンズ。ヘリコイドシステムと組み合わせると、高描写の撮影がミラーレスカメラで楽しめる。このようなレンズが並ぶのもカメラ博ならでは。(ケンコープロフェッショナルイメージング) アンジェニューのCマウントレンズ。端正な佇まいの鏡筒はフランスのメーカーらしい。どちらもケースとオリジナルのレンズキャップが付属する。(オーストリア・ライカショップ) オリンパス・ペンFシリーズ用のミラーレンズ、「ズイコーミラーT 800mm F8」。独特の鏡筒のシルエットとカラーが特徴的。同社のマイクロフォーサーズで使ってみたくなる。(オーストリア・ライカショップ) ライカLマウントのアンジェニュー28mm F3.5(Type R11)。画角に対し、望遠レンズのような長い鏡筒が印象的なレンズだ。(オカダヤ) 手動絞りであるタクマーシリーズから自動絞りのスーパータクマーシリーズに移行する間で登場したレンズ。シャッターを切ると自動的に絞り込まれるが、撮影後開放まで復元させるには手動となる。(コセキフォトテック一番町店) 鏡筒の細さが印象的なニコンマウントの「マウンテンニッコール10.5cm F4」。その名のとおり、山岳写真など機材をできるだけ軽量化したい撮影で活躍したという。(日東商事) 三協光機のブランド名といえばコムラー。本レンズはそのLマウント中望遠レンズで、F1.8と明るいのが特徴。ファインダーが付いてこの価格はお買得。(日東商事) ニコンI型用として発売された沈胴タイプの標準レンズ「ニッコールHC 5Cm F2」。金属製キャップの“Nikon”のロゴに注目。(藤井商店) 年代を感じさせる元箱付きの「ロッコール35mm F3.5。「CHIYOKO」とは、ミノルタの前身、千代田光学の略称。(藤井商店) AF対応のマウントアダプターも登場しているコンタックスGレンズも狙い目。写真は限定生産であったブラックバージョンモデル。(カメラのゴーゴー商会) キルフィットはドイツのレンズメーカー。写真はM42マウントのマクロレンズだ。マイクロフォーサーズで使うならポートレート用としてもよさそう。(カワマスカメラ店) 被写界深度目盛りがカラフルなロボットの交換レンズ。いずれもシュナイダー製だ。ロボットのマウントに対応するアダプターも発売されているので、ミラーレスで楽しむのもよいだろう。(スイートロード) 本誌でおなじみ中村文夫氏を発見! 手にしているPENTAX Qシリーズ用フィッシュアイレンズを早速ご購入。 手のひらサイズのデジタルカメラ「ミノックスDCC 5.1」。レンジファインダーカメラを模したデザインがかわいい。ビューファインダーは実際に使用可能。(ケンコープロフェッショナルイメージング) 会場限定オリジナルストラップ。瞬時にストラップの長さを調整できるのが特徴だ。25mm幅が5,480円、15mm幅が4,980円となる(いずれも税込み)。(ビームコーポレーション) 有料でカメラ、レンズのメンテンスを行ってくれるカメラクリニック。当日の受け渡しが可能な修理に限られるが、取材時には多くのカメラやレンズがその順番を待っていた。 三遊亭あほまろ氏と高村達氏の作品による写真展も開催。いずれもフィルムで撮影を行なったものだという。