【CP+】ソニー、“レンズ交換式小型カメラ”などの報道向け説明会を開催


レンズ交換式小型カメラのモックアップを手にする同社業務執行役員SVPパーソナルイメージング&サウンド事業本部の今村昌志氏

  ソニーは、11日からパシフィコ横浜で開催する「CP+」の開幕に先駆け、報道機関向けに同社のデジタルイメージングに関する説明を行なった。

 同社業務執行役員SVPパーソナルイメージング&サウンド事業本部の今村昌志氏は、今回のCP+における同社のコンセプトを「The Power of Imaging」と説明。新製品の紹介に先立ち、近年ではデジタル一眼レフカメラ、コンパクトデジタルカメラ、ビデオカメラの3つが重なりあい、カテゴリ間の融合が起こっていると話した。

 また、同社は「キーテクノロジー」と呼ぶセンサー、レンズ、画像処理エンジンの3つを内製し、これまでにないカメラの付加価値を提供できる数少ないメーカーのひとつと強調する。

 2010年は、デジタル一眼レフカメラの高画質と豊かな表現力を望むが、価格や重さ、使いこなしの知識などを理由に踏み出せずにいるユーザーのニーズに応えたいとし、「いつでも、どこでも一眼高画質を」をコンセプトとした新しいカメラシステムの製品を市場投入する。

 PMA 2010でも発表した新しい“レンズ交換式小型カメラ”は、「高画質と使いやすさの実現」、「大型イメージセンサーを用いた動画」、「単焦点レンズから高倍率ズームレンズまでのレンズシステム拡張」をテーマに開発を行ない、ボディ・レンズシステムともに2010年内に発売する。価格は「一眼レフにスペックアップしたいが、バリアがあると思っている人に対し商品を楽しんでもらえるような価格で提供したい」とし、発売時期などに関してPMA 2010からの追加情報はなかった。


レンズ交換式小型カメラのコンセプト
Exmor APS HD CMOSのセンサーサイズは24×16mm

 レンズ交換式小型カメラは撮像素子に「Exmor APS HD CMOS」(24×16mm)を搭載し、最大1,980×1,080ピクセルのAVCHD動画記録に対応する。また、新しいユーザーインターフェースの採用もアピールしていた。具体的なサイズや仕様は明らかにされず、「いかに小型軽量で一眼レフと同じ画質を実現するか」を意識し、ユーザーの期待に応えられるような持ち運びの簡単なサイズを目指して開発中としていた。

レンズ交換式小型カメラとレンズのモックアップ
上映されたイメージ映像内にあった、レンズ交換式小型カメラのUIと思われる画像
同じくイメージ映像内の画像

 なお、既存のαマウントレンズと互換性をもたせるかについての明言はなく、新しいマウントの詳細は一切明らかにされなかった。

 だが、「多くの交換レンズによる可能性で、静止画や動画の表現力を拡大することをコンセプトとしている」とし、「今後、可能な限り大きなレンズ交換の可能性を追求したい」と語った。

新マウントを採用。詳細は明らかにされないままだった2010年内に発売する。季節など時期に関する追加情報もなかった

 また、デジタル一眼レフカメラ「α」は数機種を2010年内に発売するとし、いずれもミラーレス機と同様に「Exmor APS HD CMOS」を搭載。AVCHD動画の記録に対応するという。新機種について今村氏は「一眼レフの歴史にソニーの新しい味付けを加えていきたい」と語ったが、詳細についてPMA 2010から新たな情報はなかった。

デジタル一眼レフカメラαも2010年内に新製品数機種を発売新しいボディとレンズのモックアップはCP+の会場に展示する

 今村氏は質疑応答の中で、「一眼レフカメラとコンパクトの重なる領域に可能性を感じている」と話し、コンパクトデジタルカメラの市場成長について「ソニーのみならず、各社がマーケットに“提案”をしている。商品の進化や新しい価値の提供ができなくなる時点で成長が止まると考えている」と説明した。

 しかし、「その提案が本当にニーズに応えられれば、市場で10%以上成長する可能性がある」とも話した。一眼レフカメラの歴史をみても“踊り場”が何度かあったと語り、新しいマーケットを拡大していきたいという姿勢とともに“カメラはソニー”を強調して締めくくった。

 CP+会場内のソニーブースには、PMA 2010でも参考出品していたレンズ交換式小型カメラ、デジタル一眼レフカメラαの「中級機」および「メインストリーム機」、交換レンズ「Distagon T* 24mm F2 ZA SSM」、「超望遠Gレンズ 500mm F4」のモックアップを展示する。



(本誌:鈴木誠)

2010/3/11 11:18