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日本写真家協会、「生成AI」技術についての見解を発表

公益社団法人日本写真家協会(JPS)は8月23日、「生成AI画像についてその考え方の提言」と題する声明を発表した。生成AI技術に関する問題提起といえるものであり、著作者の権利を保護するルール作りの必要性を訴えている。

提言では、被写体を必要とする写真に対し、必要としない生成AIを「イラストやコラージュに類するもの」と説明。写真と生成AI画像が異なるものであることを強調した。

その上で、著作権法が著作物を「思想又は感情を創作的に表現したもの」と定義していることに触れ、あくまでも人間が創造したものだけが著作物として認められるとした。

対して生成AIの画像については、既存の著作物をもとに作成される「翻案(二次的著作物の創作)」に相当すると述べる。そして現状の生成AI画像では原著作物を判断する手段がなく、一次著作者の権利が揺らぐことを憂えている。

そこで、生成AI技術で作成した二次的著作物には、著作者名と出典(と利用者名)を明示する義務を検討する必要があると提言。

また、一方的に否定するのではなく、著作権法第三十条の四の見直しや、原著作物を探して表示するシステムなどの必要性も説いている。

結論として「あらゆるプロフェッショナルによるクリエイティブの再生産を維持するためにも、生成AI技術に対して著作者の権利を保護するルールづくりが重要だと考えています」とし、「現時点での問題定期としてこの声明を発表します」と結んでいる。

【2023年8月25日】公式サイトに提言が掲載されたのでリンクを追加しました。

本誌:折本幸治