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中高生が「PowerShot V10」のマーケティングプランを考える。2か月後にイメージムービーを制作・発表
2023年6月8日 10:00
キヤノンは5月27日、中高生によるビジネスコンテスト「キヤノン"PowerShot V10"プロジェクト」のキックオフイベントを実施した。会場は東京・世田谷区にある田園調布学園。
キヤノンが6月下旬に発売予定の「PowerShot V10」を用いた教育プラグラム。参加校の生徒がカメラの特性を活かした新たな体験(サービスや使い方など)を検討し、それぞれのマーケティングプランに基づいてイメージムービーを撮影してプレゼンを行なう。「探求」科目の一環として実施するもので、放課後の課外活動として取り組む。
約2カ月にわたるプロジェクト期間中は提案内容の検討とムービーの制作を行ない、7月に品川のキヤノンSタワーで予定している最終プレゼンテーションで提案内容とイメージムービーを披露する。
参加校は田園調布学園中等部と高等部から計5チーム、富士見中学高等学校から計4チーム、逗子開成中学校・高等学校から1チーム、千葉県立東葛飾高等学校から1チームの合計11チーム。50名の生徒が参加した。
キックオフイベントでは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社カメラマーケティング部課長の阿部俊介氏が、プロジェクト実施の背景について説明。PowerShot V10に関しては動画制作やライブ配信市場の拡大を受けて、より手軽に質の高い動画が作れるコミュニケーションツールとして開発したと説明し、自分たちにはない若い感性で新しい提案をしてほしいと話した。
「日本の競争力が低下するにつれて、世界に出ていく力も失われる危機感を感じています。世の中の価値観が変化し、また急速なAIの進化によって、仕事をする人間の価値が問われる時代です。いかに新しい価値を生み出し、新しい挑戦を続けられるか。いつか過去を振り返ったとき、このプロジェクトが将来につながる経験のひとつだと思えるようなものになればいいなと思います」
キヤノンマーケティングジャパン株式会社カメラマーケティング部の杉森友貴氏は、PowerShot V10の概要と、マーケティングプランについて説明した。これからPowerShot V10でイメージムービーを作る生徒たちに向けて、Vlogカメラとしてのプロダクトデザインや搭載機能について説明しつつ、Vlog撮影者の属性や人気ジャンル、スマホでVlogを撮影している人の潜在的な不満点など、PowerShot V10の開発背景にかかわる調査結果を紹介。ターゲット層に向けたアプローチについても解説している。
キヤノンマーケティングジャパン株式会社カメラマーケティング部チーフの島田正太氏は、今回のキヤノン"PowerShot V10"プロジェクトで生徒たちが取り組むテーマについて説明。大きく分けて「10~20代がPowerShot V10に興味を持つようなマーケティングプラン」と「そのマーケティングプランを後押しするようなVlog作品をPowerShot V10で制作すること」の2つを挙げた。
マーケティングプランの考え方としては、「プロダクト」「プライス」「プロモーション」「プレイス」を意味する"4P"の概念を紹介した。今回のプロジェクトではプロモーションやプレイスの部分で、いかに若い世代へリーチするかを重視していると話した。
「今回のプロジェクトをやってよかったなと思った点がさっそくひとつありました。それは今日の時点で、みなさんがPowerShot V10をほとんどご存知なかったということです。私達は若い人に対してマーケティングしたいと言っていますが、実際には届けたい層に届いていなかったわけです。今回のプロジェクトで取り組みたいところはまさにここで、みなさんの周りにいる方にどう届けていくかをご提案いただきたいと思います」
キヤノンマーケティングジャパンによる説明後は、初回のグループワークを実施。各校各チームにPowerShot V10が手渡され、さっそく撮影テストをしたり、今後のプランについて話し合う様子がみられた。
最後に、各チームの代表者が順番に意気込みを表明。それぞれの言葉で、テーマに対して取り組む決意を明らかにした。
本プロジェクトに参加した生徒たちの最終プレゼンテーションは7月22日だが、6月にはZoomで中間プレゼンテーションを行なう予定となっている。
PowerShot V10を初めて手にしたこの日、簡単な使い方を早くも会得した参加者が、校舎内を歩き回り撮影していたのが印象的だった。
参加チームは最終プレゼンテーションに向けて、PowerShot V10のマーケティングプランとムービーを用意しなければならない。参加者がPowerShot V10というツールから、何を得て発表に生かすのか楽しみだ。