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キヤノン初のVlogカメラ「PowerShot V10」

1.0型イメージセンサー、超広角19mm相当レンズを搭載

左からシルバー、ブラック

キヤノンは、1.0型イメージセンサーを搭載したVlogカメラ「PowerShot V10」を発売する。価格はオープン。実勢価格価格は6万500円前後(税込)。発売時期は6月下旬を予定。本体カラーをブラックまたはシルバーから選べる。

Vlog収録で求められる機能を小型ボディにまとめた製品。この種の製品としては比較的大型となる1.0型のイメージセンサーに、19mm相当(35mm判換算、以下同)の単焦点広角レンズを組み合わせている。片手操作を意識したボタン配置や、EOS譲りのUIも特徴だ。

なお、キヤノンが5月1日に公開したティザーページの製品が本機と推察される。

1.0型イメージセンサー&超広角レンズを採用

撮像素子は有効約1,310万画素の1.0型CMOSイメージセンサー。4K UHD 30p、フルHD 60p/30pでの記録に対応する。静止画での撮影も可能で、その場合は有効約1,520万画素になる。映像エンジンとして「DIGIX X」を搭載する。

本体前面中央に19mm相当の広角レンズを搭載。画角が広いため、自分撮りなどVlogで頻出するシーンを余裕を持ってカバーできる。開放F値はF2.8。沈胴ギミックがない点も特徴だ。ちなみに静止画撮影時は18mm相当になる。

背面にはEOSやPowerShotでおなじみの「Q SET」ボタンを装備。

内蔵マイクはボディ上面に装備。無指向性でかつ全方位集音に対応するため、前後方向の音を同時に記録できる。例えばインタビュアーとインタビューを受ける人、といった位置関係でも、音量差が前後で大きく異なりづらい。

データはmicroSDカードに記録する。バッテリーは内蔵式。本体横にはHDMI出力も備える。

外形寸法は63.4×90.0×34.3mm。凹凸が少なく、約210gの重量と合わせて、片手で容易に保持できる。

片手撮影に特化した形状

録画のON/OFFボタンはレンズ直下に装備。片手での操作を重視したデザインで、自然に縦持ちした状態で撮影できる。横持ちにすれば縦動画も記録可能。

2.0型の背面モニターはレンズ同軸に搭載され、180°上方向に跳ね上げることで、自分撮りが可能になる。横開きのバリアングル形式より安定感があるという。

本体にスタンドを内蔵していることも特徴。背面モニターを上方向に起こすことで、スタンドを引き出せるようになる。これにより、ミニ三脚などを用意せずとも気軽に置き撮りが可能だ。

さらに三脚ネジ穴を本体底面に備えているため、本格的な三脚や自撮り棒などと組み合わせた運用が可能だ。キヤノン純正のトライポッドグリップ「HG-100TBR」も使用でき、グリップからの録画ON/OFFFにも対応する。

なお、トライポッドグリップ「HG-100TBR」をセットにした「PowerShot V10 トライポッドグリップキット」も用意される。発売時期は6月下旬〜7月上旬。価格はオープン。実勢価格は6万6,000円前後。

4種類の動画モードを搭載

撮影時には顔追尾AFを利用できるほか、指定したフレームの対象物にフォーカスを合わせる「フレーム指定AFモード」も選べる。こちらは商品レビューなどの撮影に向いているという。

ちなみに動画記録時には、「動画オートNDフィルター」も作動する。周囲の明るさに合わせて減光する自動設定のほか、作動させないようにすることも可能だ。

動画撮影時のモードは「オート動画」「手ブレ補正動画」「美肌動画」「マニュアル露出動画」4種類。

このうち「手ブレ補正動画」は、電子式の手ブレ補正が発動するモード。画角は狭くなる代わりに良好な補正が期待できる。

また「美肌動画」はその名の通り、動画撮影時に美肌効果が乗るモード。キヤノン製品で初めて実装された。

同じくキヤノン初搭載の「動画カラーフィルター」は14種類を搭載。すべてのカラーフィルターが新規設計という。

動画カラーフィルター

通信関係

スマートフォンアプリ「Camera Connect」とWi-Fiで接続することで、スマートフォンでの撮影データの閲覧や、スマートフォンの画面を使ったリモート撮影が可能になる。充電時にクラウドサービス「image.canon」にデータを転送する機能もある。

さらにスマートフォンで設定すれば、YouTubeおよびFacebookでのライブ配信も行える。同様にライブ配信が可能な「PowerShot G7 X Mark III」では、ライブ配信プラットフォームに「image.canon」経由でログインしていたが、本機は直接ログインできるようになった。

左が「PowerShot G7 X Mark III」

なおUVC/UACに対応しているため、PCに接続すればWebカメラとしても利用可能だ。PCとは本体装備のUSB Type-Cコネクタ経由で接続できる。

本誌:折本幸治