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キヤノン「PowerShot V10」が日本パッケージングコンテスト「電気・機器包装部門賞」を受賞

キヤノン株式会社は8月31日、公益社団法人日本包装技術協会が主催する「2023日本パッケージングコンテスト」において、「電気・機器包装部門賞」を受賞したと発表した。

同コンテストは、日本における優れたパッケージおよび、その技術を開発普及することを目的として開催されるもので、今年で45回目となる。

また、材料、設計、技術、適正包装、環境対応、デザイン、輸送包装、ロジスティクス、販売促進、アイデアなど、あらゆる機能からみて審査が行われ、年間の優秀作品が選ばれる。

今回受賞したのは、同社のカメラ製品で初めて脱プラスチック包装を実現した、Vlogカメラ「PowerShot V10」(2023年6月発売)の製品パッケージ。

従来、製品本体を保護する緩衝材や付属のケーブルなどの包装に使用していた、プラスチック製のトレイや袋に代わり、段ボール、植物由来の不織布や紙素材を使用することで、ワンウェイプラスチック(一度使用したら廃棄される使い捨てのプラスチック)を削減。

脱プラスチック包装(ラベル、コーティングや接着剤に用いる材料は除く)を実現したという。

また、段ボール緩衝材の形状を工夫することで、輸送時の振動や予期せぬ落下衝撃に耐えうる構造を実現。加えて、個装箱と段ボール緩衝材の間に生じる空洞に、付属のケーブルなどを収納することでスペース効率を向上し、パッケージの小型化を実現した。

近年、海洋汚染の原因の1つとされているワンウェイプラスチックに対し、社会的な関心が高まっている。同社では、環境負荷低減の取り組みの一環として、製品梱包材に使用されるワンウェイプラスチックの削減に取り組んでいる。

今回の受賞については、電気・機器包装において、包装合理化・改善などに著しく貢献したことが評価されたと説明する。

今後も、環境に配慮したパッケージ設計・デザインの取り組みを拡大していくという。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。