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Lightroom Classicに待望のスーパー解像度が実装。M1ネイティブ対応やオフィシャルプリセットも含めて大幅アップデート。テスト結果も掲載
2021年6月9日 12:49
アドビは6月8日、Photoshop Lightroom ClassicおよびPhotoshop Lightroomの最新アップデートプログラムを公開した。
両アプリで共通の更新内容は、この3月にAdobe Camera Rawに先行して導入された「スーパー解像度」機能の実装のほか、フォトグラファーによる現像プリセット複数種類の実装(プレミアムプリセット)などが挙げられる。
各製品ごとのアップデート内容は、Lightroom ClassicがM1を搭載するMacにネイティブで対応したことのほか、メタデータ管理の高速化やテザー撮影の機能向上となっている。
Lightroomでは、共有アルバム内の写真編集に他のユーザーを招待できる機能(編集コラボレーション)を実装した。
各機能の内容は以下のとおり。
スーパー解像度(共通。LightroomはMacとWindows版)
先行するRAW補間機能「ディテールの強化」の発展系として、新たに数百万枚の写真による機械学習モデルを用いて“見かけの解像度を上げて写真の品質を向上させる”処理をおこなう。生成される総ピクセル数は元画像の4倍相当になる(生成されるデータ形式はDNG)。
同社は本機能の使い所について、トリミング等でピクセルサイズが小さくなってしまった画像を適正サイズ以上の大きさでプリントしたい場合や、低画素数のカメラで撮影したデータなどに活用できると説明している。
Lightroom Classicでの操作は、適用したい写真を表示した状態で、右クリックメニューから「強化」を選択。続けて表示されるメニューで「スーパー解像度」にチェックをつけて、「強化」を実行すると、DNGファイルが生成される。手元の写真で試してみたところ、目に見えて解像感の違いが確認できた。
プレミアムプリセット(共通。LightroomはMac、Windows、iOS、Android、Web)
フォトグラファーによる現像プリセットが実装された。プリセットとは、あらかじめ各種の現像パラメーターを設定・保存した、いわば調整セットのことで、現像時に任意の写真に適用することで、色味などがボタン1発で適用される。Adobeからオフィシャルでプリセットがリリースされるのは初。
実装されたプリセットは7種類。ポートレート向けのセットには、人物の肌色別にディープスキン、ミディアムスキン、ライトスキンの3種類がある。このほか、シネマティック、フューチャリスティック、ヴィンテージ、トラベルと、様々なカテゴリーが収録されている。各プリセットには、それぞれ10〜15の調整内容が含まれている。
同社では、これらをプレミアムプリセットと呼称しており、今回の提供分は第1弾だと説明。今後も追加リリースを予定しているとしている。
また、今回盛り込まれたプリセットのうち、「ポートレート」の一部を、Adobe Lightroomの有料プランに未加入のユーザーにも無償で提供していくとしている。
M1 Macへのネイティブ対応(Lightroom Classicのみ)
ネイティブ対応によりスピードの向上が得られるという。速度の向上は、起動や読み込み、書き出し、ルーペ表示といった基本部分で約2倍に向上。スーパー解像度は3倍以上、写真の一括編集は4倍以上の高速化を実現しているという。
編集コラボレーション(Lightroomのみ:Mac、Windows、iOS、Android、Web)
共有アルバム内に保存されている写真を、招待した他のユーザーが編集できるようになる。編集結果はそのままLightroomのライブラリに表示される仕組みで、すべての編集履歴はドキュメントのバージョンとして自動保存されているため、編集結果を任意の時点に戻すことも容易になっているという。同機能は、これまで閲覧と写真の投稿のみの対応だった。