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キヤノン、EOS R5や8K映像による「体験型映像空間」を構築。百舌鳥古墳群ビジターセンターに

キヤノンは2月25日、歴史・文化資源を活用して地域の魅力を発信するという“映像空間ソリューション”を自治体向けに提供開始すると発表した。取り組みの第1弾として、大阪府堺市が3月13日にオープンした「百舌鳥古墳群ビジターセンター」内に、8K業務用カメラなどを用いた体感型映像空間を構築した。

同施設では、8K業務用カメラで撮影した世界遺産「百舌鳥・古市古墳群」の空撮映像や、デジタルシネマカメラ「EOS C500 Mark II」、ミラーレスカメラ「EOS R5」などで撮影した堺市の歴史・文化資源の映像を展示。臨場感を出すための画像処理を加えたという9K相当の映像を、長さ約14.3m×高さ約3.3mの曲面スクリーンと床面に映し出すことで没入感の高い映像空間とし、同市の1,600年の変遷を時間旅行するかのように体感できるという。

撮影に用いた「8K業務用カメラ」
ネイティブ4Kプロジェクター「4K5020Z」を3台使用して映像を投影。ネットワークカメラを活用して映像空間内の混雑状況をリアルタイムでモニタリングできる「密集アラートソリューション」も併せて導入した

同社は映像空間ソリューションについて、歴史・文化資源を活用した映像コンテンツの企画、撮影、制作から、映像コンテンツを上映する機材の導入、視聴環境の構築までを行うと説明。同社技術や様々なクリエイターの表現力を組み合わせて、「これまでにない体感型映像空間を作り出し、歴史・文化資源を活用した地域の魅力発信を支援します」としている。

背景には、各自治体において近年「地域の魅力を高めるために歴史・文化資源などを有効活用したい」というニーズの高まりがあるという。今後の取り組みとして、各自治体の公共施設のほか、駅や空港などの交通施設、商業施設、テーマパーク、企業ショールームなどに向けても同サービスの提供を進めていくとしている。

百舌鳥古墳群ビジターセンター(大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2-160)
本誌:宮本義朗