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ライカ・クアッドカメラ搭載のSIMフリースマホ「HUAWEI P40 Pro 5G」国内発売

AI画像処理の"通行人除去"を体験 税別4万円を切るクアッドカメラ機も

ファーウェイ・ジャパンは、スマートフォンPシリーズの3機種を6月12日から日本国内で順次発売する。

3月に海外発表されたP40シリーズから、P40 Proを中心とするSIMフリー機3機種の発売が決まった。メインカメラを五眼構成とした"ライカ・ペンタカメラ"を搭載する最上位機「P40 Pro+」については、現在のところ国内での販売は未定だという。なお前機種のP30シリーズでは、最上位のP30 ProがNTTドコモ限定で後日発売された。

OSはいずれもAndroid 10ベースのEMUI 10.1を採用。Andoridベースだが、Google Playを通じて提供される、いわゆる"Androidアプリ"は使えない。

P40 Pro 5G

スマートフォンとしては大型の撮像素子などを組み合わせた「Leicaウルトラビジョンクアッドカメラ」による撮影機能を特徴とする上位機種。ディスプレイは約6.58型OLED。店頭予想価格は税別10万8,800円。発売は6月12日。カラーはシルバーフロストとブラックの2色。

シルバーフロスト
ブラック

ライカと共同開発したカメラ機能で注目されたHUAWEI P9以降、スマートフォンの写真撮影をリードしてきたと自負する同社が「これまでのPシリーズの集大成」と語る機種。

P40 Pro 5Gのカメラ構成。独特なカラーフィルター配列を用いて感度を高めたRYYBセンサーも採用している。
メインカメラ。超広角18mm相当、広角23mm相当、望遠125mm相当、3D被写界深度カメラの4つで"クアッドカメラ"となる。
インカメラはいわゆる"パンチホール"スタイル。3,200万画素カメラ、IR深度センサーカメラ、環境&近接センサーが備わり、顔認証やジェスチャー認識を実現する。

今回の目玉は、AI技術を利用した「HUAWEI Golden Snap」機能。撮影後の編集画面からワンタップの操作を行うことで「通行人除去」や「反射除去」といった、一般のデジタルカメラには見られない特殊機能を使える。いずれも連続的に取得したコマの画像解析・合成などにより実現している。なお、利用にはHOTAのアップグレードが必要だという。

通行人除去

静止したモデルの後ろを、もう一人が通り抜けるというシーンでテスト。2秒間の撮影が行われ、動体検出などの処理から通行人の部分を削除し、背景部分を埋め合わせる。除去せず残したい被写体が静止していて、除去したい通行人(および動体)は、数が多すぎたり画面内で大きすぎないことが機能を発揮する条件だという。

撮影した状態。
上のコマに、通行人除去を適用したところ。

反射除去

ガラス越しの被写体を撮影した際に、ガラスへの映り込みを目立たなくするという機能。鏡などの反射のモデリングを内蔵しており、それにより反射層の画像を自然に除去するのだという。

撮影した状態。
反射除去を実行したところ。床の模様や、映り込んだ衣服のチェック模様が目に付きにくくなった。
P40 Proから取り出した元データ
撮影時のデータ
反射除去を適用した画像

数カット撮影してみた印象では、反射そのものが完璧に消えるわけではないが、その写真を見た人が被写体より映り込みに気を取られにくい仕上がりになっていると思う。処理前の画像と見比べると違いは明らかで、興味深い機能だ。

AIベストモーメント

連写画像の中から、好ましい写真を解析してマーキングする機能。顔認識などを使って好ましいと判断されたカットに王冠マークが付き、セレクトを助ける。

顔が好ましく写っているコマが選ばれる。

動画手ブレ補正

Vlog撮影需要の高まりで、動画撮影時の手ブレ補正機能にも力が入っている。左右運動を繰り返す装置にP40 Proを置いて動画記録を開始すると、手ブレ補正が装置の動きを吸収していることがわかる。

P40 lite 5G

カメラにライカの名前はつかないが、最大6,400万画素記録の「AIクアッドカメラ」を搭載。最新スマートフォンとして、気軽に5G(第5世代移動通信システム)を体験できるというモデル。ディスプレイは約6.5型TFT。店頭予想価格は税別3万9,800円。発売は6月19日。カラーはスペースシルバー、クラッシュグリーン、ミッドナイトブラックの3色。

P40 lite 5Gのカメラ構成。超広角、広角、マクロ、被写界深度センサーの"四眼"。

P40 lite E

カラーは3色

国内でも好評という「P30 lite」の後継機種。画角120度の超広角カメラを含む「AIトリプルカメラ」を搭載している。ディスプレイは約6.39型TFT。店頭予想価格は税別2万4,800円。発売は6月19日。カラーはミッドナイトブラックとオーロラブルーの2色。

PCやタブレット端末との連携

ファーウェイ製品のノートパソコンやタブレット端末との組み合わせで使える「マルチスクリーンコラボレーション」(HUAWEI Share)機能は、スマートフォンの画面をノートパソコン/タブレット端末に表示したり、スマートフォンで電話をする際にノートパソコンのカメラを使うといった連携が可能。スマートフォンの画面をパソコンのデスクトップ上に表示した状態では、端末をまたぐファイルのドラッグ&ドロップも可能だった。

MateBook X Proのパームレスト部分に対応スマホを載せると、振動フィードバックがあり、接続される。
マルチスクリーンコラボレーションに対応するタブレット端末「MatePad Pro」

本誌:鈴木誠