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エプソン、A3ノビ機より小さなA2ノビ対応プリンター「SC-PX1VL」

"ディープブルー"加えた9色インク 共通デザインのA3ノビ機「SC-PX1V」も

SC-PX1VL

エプソンは、A2ノビ対応のインクジェットプリンター「SC-PX1VL」、A3ノビ対応の同「SC-PX1V」を5月28日に発売する。価格はオープン。店頭予想価格はPX1VLが税別15万円台後半、PX1Vが税別8万円台後半。

SC-PX1V

これまで同社PXシリーズになかった「1」の型番を与え、フラッグシップとして位置づけるという製品。既存のA2ノビ機「SC-PX3V」(2015年発売)およびA3ノビ対応の顔料インク機「SC-PX5V II」(2014年発売)の後継となるが、フルモデルチェンジは10年ぶりとしている。外観デザインは、高級感や使用時の高揚感を演出することを目指して一新。A2ノビ機とA3ノビ機で共通となった。

13時40分追記:記事初出時にSC-PX5V IIを染料インクと記載していましたが、正しくは顔料のため修正しました。

SC-PX1VL
SC-PX1V
給排紙トレーは縦格子状。
機内照明が備わり、印刷状態を見られる。タッチパネルからオンオフ可能。
4.3型タッチパネルを搭載。
残りのプリント時間を表示。
プリント中のデータを表示する画面に切り替えたところ。
プリント情報表示に切り替えたところ(1/2)。
プリント情報表示に切り替えたところ(2/2)。

機能面の主な特徴として、A3モデルでは黒インク(フォトブラック/マットブラック)にそれぞれ専用ノズルを設けてインク切り替えを不要とし、インクと時間を節約できるようになった。ロール紙は本体内蔵のユニットを使用する。

SC-PX1Vのロール紙ユニット(内蔵)。

A2モデルでは、従来のA3ノビ機「SC-PX5V II」より小型化した本体サイズが特徴。"従来のA3ノビ機が置ければ新しいA2ノビ機も置ける"と訴求する。ロール紙対応を強化するために、背面に取り付けるロール紙ユニット(別売)を用意。本体と統一感のあるデザインで、ホコリも防止する。

SC-PX1VL用のロール紙ユニット(別売)。
ロール紙ユニットを装着したところ。
SC-PX1VLとSC-PX3Vのサイズ比較
SC-PX1VとSC-PX5V IIのサイズ比較

光沢紙における黒濃度の向上もトピック。最小1.5plの微小インク(従来機は2〜3.5pl)で印刷表面を平滑化し、暗部にライトグレーのオーバーコートを施すことで乱反射を抑えたという。

プリントに照明を反射させたところ。左がPX1V、右が従来モデル。乱反射の具合が異なる。
手前から照明を当てたところ。左が従来モデル、右がPX1Vによるプリント。左は照明を受けて暗部が浮いて見えている。

インクは新たにディープブルーを加えた9色の「UltraChrome K3X」。従来モデルで色転びしていた色域を拡大したという。

UltraChrome K3Xインクを採用。

Epson Print Layoutの拡充

パソコン用に提供されている「Epson Print Layout」のiOS番が開発中。レタッチワークフローがパソコンからスマートデバイスに移行すると見込み、iPad版Photoshopからシームレスに印刷できるようになるという。iPhone版も夏にリリース予定としている。

iOS版のEpson Print Layout(開発中)
プリントを鑑賞する場所の色温度に合わせたイメージ確認機能。iPad ProのTrueToneディスプレイ機能をオンのまま使うことを推奨している。
余白設定。
モノクロ設定。

また、ユーザーからの問い合わせが多いICCプロファイルの使用方法について、エプソンが独自でクラウドサーバーを立ち上げ、管理ソフト「Epson Media Installer」から最大30までのプロファイルをダウンロード・登録できるようにするという。サードパーティではICCプロファイルのダウンロード方法がそれぞれ異なる点や、作業が複雑な点を鑑みた。対応メーカーはこれから調整し、PX1Vシリーズの発売までに発表するという。

参考:パソコン版のEpson Print Layout。ICCプロファイルの追加はパソコン版のみから可能だという。

主な仕様

どちらも最高解像度は5,760×1,440dpi。最小1.5plの9色独立顔料インクを採用する。背面給紙および前面ストレート給紙に対応。インターフェースは5GHzの無線LAN、有線LAN、Wi-Fi Direct、USB 3.0。

SC-PX1VLの外形寸法と重量は、収納時615×368×199mm、使用時615×905×520mm、本体のみ約14.8kg。

SC-PX1Vの外形寸法と重量は、収納時515×368×185mm、使用時515×769×420mm、本体のみ約12.6kg。

本誌:鈴木誠