ニュース

エプソンのインクジェットプリンター画像処理技術が日本画像学会より表彰

インクドットの着弾位置を補正する技術

セイコーエプソン株式会社は7月13日、インクジェットプリンターの「位置ずれに対するロバスト性向上ハーフトーン技術の開発」が、一般社団法人日本画像学会の「令和元年度 技術賞」を受賞したと発表した。

印刷時のインクドット着弾位置の微妙なズレによる印刷品質の低下を、画像処理技術を用いてソフトウエアのみで抑制可能にしたことが評価された。なお、日本画像学会の印刷品質に関わる技術を主体とした表彰では、2000年以降で初になるという。

受賞したのは、同社のソフトウエア技術開発部に所属する角谷繁明さん、山﨑郷志さん、宇都宮光平さんの3名。

日本画像学会は、1958年(昭和33年)に発足した、画像技術の進歩と発展への寄与を目的とする学会。独創性に富み、優れた実用性が実証された画像処理技術および、その周辺技術に対し「技術賞」を贈り顕彰している。

今回顕彰を受けた同技術は、2006年以降発売のエプソン製インクジェットプリンターに順次採用されているという。

このほか、プリントヘッドのノズル高密度化への対応力も高い技術だとしており、同社のコアデバイスであるPrecisionCoreヘッドの実用化にも貢献しているという。また、ヘッド外販やオープンイノベーションによる市場開拓、新市場創出の可能性も広げたとしている。

飯塚直

(いいづか なお)パソコン誌&カメラ誌を中心に編集・執筆活動を行なうフリーランスエディター。DTP誌出身ということもあり、商業用途で使われる大判プリンタから家庭用のインクジェット複合機までの幅広いプリンタ群、スキャナ、デジタルカメラなどのイメージング機器を得意とする。