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富士フイルム、チェキプリンター内蔵デジカメ「instax SQUARE SQ10」
正方形のチェキフィルムを採用
2017年4月19日 18:50
富士フイルム株式会社は、チェキプリンターを内蔵したデジタルカメラ「instax SQUARE SQ10」を5月19日に発売する。同時発表の新チェキフィルムに対応。これまでのチェキと同様、撮ったその場でプリントできる。
希望小売価格はオープン。店頭予想価格は税込3万2,000円前後の見込み。カラーバリエーションはブラックの1色のみ。
これまでのinstaxシリーズのカメラと異なり、本体に1/4型CMOSイメージセンサーと3型液晶モニターを搭載。本体に装填したスクエアフォーマットフィルム「instax SQUARE Film」に対し、撮像したデジタル画像をプリントできる。
ベースがデジタルカメラであるため、AFや人物検出など、これまでのチェキになかった機能を有する。発表会で見たサンプルでは、ゾーンフォーカスのチェキでは難しい、しっかりピントが合ったプリントが得られていた。
最短撮影距離も10cmと短い。レンズの焦点距離は28.5mm相当。絞りはF2.4。
シャッターボタンはレンズ脇の左右に設けられている。左右それぞれ、あるいはどちらか一方のみシャッターボタンとして使うよう設定可能。どちらかを撮影モード切り替えに割り当てることもできる。
チェキらしいシンプルな操作性もこのカメラの特徴。
撮影モードとしてオートおよびマニュアルが用意され、オートではシャッターボタンを押した後、自動的にチェキフィルムが排出される。従来のチェキに近い操作性のモードだ。
フィルム排出時のアニメーションがかっこいい。
一方マニュアルの場合は、撮影後にフィルター機能、ビネット機能、明るさ調整機能を適用可能。いずれも背面のロータリースイッチを回すことで、フィルター選択、またはビネット・明るさの調整が行える。
フィルターは10種類。ビネット調整および明るさ調整はそれぞれ19段で設定できる。
画像は本体に装着したmicroSDカードに保存可能。内蔵メモリーも用意され、約50枚まで本体内に記録できる。内蔵メモリーとmicroSDカード間の画像移動にも対応している
露出モードはプログラムオートのみ。TTL256分割測光によるAEが利用できる。絞り、シャッター速度の調整は行えない。二重露光、バルブ撮影が可能。
撮影画像は1,920×1,920ピクセル。ライブビュー時の画角は4:3だが、撮影する画像はかならず正方形になる。撮影画像のトリミングも可能だが、これも正方形のみと徹底している。
バッテリーはリチウムイオン充電池のNP-50。約160枚のプリントが可能。
外形寸法は119×47×127mm。重量は450g(フィルムパック、バッテリーを含む)。
SQ10に合わせて用意された「instax SQUARE Film」は、instax mini(46×62mm)の左右幅を長くすることで、62×62mmのスクエアフォーマットとしている。店頭予想価格は、10枚入りで1,350円程度。
SQ10の多彩なエフェクトとスクエアフィルムの組み合わせは、SNSなどで流通する写真を意識したものだ。
富士フイルムは1999年に「FinePix PR21 プリンカム」というチェキプリンター内蔵のデジタルカメラを発売しているが、今回のSQ10は、デジカメ+プリンターというPR21の基本的なコンセプトを踏襲しているかに見える。
ただし、デジタルフォトが萌芽し始めるPR21の頃と違い、デジタルフォトが当然の現在、チェキや写ルンですが若年層の注目を集めている。PR21の時代からは考えられない変化だ。
富士フイルムはSQ10を「ハイブリッドインスタントカメラ」と呼んでおり、チェキらしいシンプルな操作性のまま、従来のチェキでは得られない自由度をこのカメラに与えている。発表会では特に、フィルターやビネット調整などで作品を作り込む過程を強調。チェキの良さはわかりつつも、チェキでは飽き足らない、クリエイティブ嗜好のユーザーに訴えたいという。