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スマートフォンの画像をチェキプリントに 富士フイルム「スマホ de チェキ」新モデル

外観一新、プリント速度・解像度が進化 USB充電も

富士フイルムは6月27日、スマートフォンと接続して写真を印刷するフォトプリンター「スマホ de チェキ instax SHARE SP-2」を発表した。従来モデルに比べて印刷速度を高速化し、画質も向上させた。

発売は7月15日で、価格はオープン。店頭予想価格は2万2,500円前後の見込み。

カラーバリエーションはゴールドとシルバー。

スマホ de チェキは、インスタントカメラの「チェキ」と同じカードサイズの「インスタントカラーフィルム instax mini」を使うモバイルプリンター。プリンターとスマートフォンを無線LANで接続し、ワイヤレスでプリントできる。2014年2月に初代「instax SHARE SP-1」を発売しており、その第2世代目となる。

SP-2は従来モデルのSP-1に比べてプリント速度を約40%高速化し、10秒程度でプリントできるようになった。

有機ELを使った3色露光方式を採用しており、プリント画素数は800×600ドット、解像度は320dpi。SP-1の640×480ドットより高解像度化することで、画質の向上も図られた。文字や風景写真の表示がより精細になったという。

従来のCR2電池からリチウムイオンバッテリーに変更されたことで、microUSBケーブルを使った充電に対応。PCやモバイルバッテリーなどから充電することが可能だ。

スマートフォンアプリも強化

iOS/Android向けのスマートフォンアプリ「instax SHARE」も刷新され、ユーザーインタフェースが洗練化されたほか、明るさ・コントラスト・彩度を自分で変更できるオリジナルフィルターの作成にも対応。

テンプレートも追加されており、組写真、分割写真のプリントも可能になった。

スマートフォンアプリ経由でプリントするため、例えばデジタルカメラで撮影した写真を無線LAN経由などでスマートフォンに転送し、そこからプリントする、といった使い方もできる。

さらに初代のSP-1では、FUJIFILM Xシリーズなどの同社製デジタルカメラと接続してプリントすることができた。SP-2もXシリーズとの接続・出力に対応する予定があるという。

スマートフォンアプリ「instax SHARE」でのプリント手順を見てみよう。まずはスマートフォンの写真フォルダから任意の写真を読み込む。

補正などをしなければ、あとはスマートフォンとSP-2を無線LANで接続してプリントボタンを押せば良い。

約10秒でプリントされる。

依然として世界で人気のチェキ アジアに続き欧米市場にも期待

チェキはアジア諸国で人気に火が付き、1998年の発売以来、着実に販売台数を伸ばしてきた。世界の販売台数は2012年度で160万台だったが、2015年度には500万台を突破。累計2,000万台を越えるなど好調に推移しており、2016年度は650万台の販売を見込む。

カメラ本体の需要拡大に伴い、中国に加えてフィリピンでのカメラ生産も開始。フィルムの生産能力も、秋をめどに1割程度の増強をする計画だ。

2014年までは、日本を含むアジア各国での販売台数比率が高く、欧米は30%弱程度だったが、それが2015年には50%近くまで拡大。2016年には欧米の販売台数比率が60%に達する見込み。欧米でのチェキ人気が拡大しているとともに、アジアでの需要が一段落したことが背景にあるという。

ラインナップの拡充などでチェキ人気の下支えをしつつ、製品を使った楽しみ方を提案するなどして、アジア圏の需要の反転、欧米のさらなる販売拡大を狙う考えだ。

チェキの最新モデルinstax mini 70には、今夏からレッド、ブラック、ゴールドの新色が追加される。

スマートフォンの普及によってInstagramやFacebookのようなSNSで写真を共有するという新しい楽しみ方が当たり前になったことを受け、「写真の世界は大きく広がっている」と語るのは同社イメージング事業部次長の武冨博信氏。

新しい楽しみ方を「大きなビジネスチャンス」とみて、同社が送り出したのが初代スマホ de チェキSP-1だった。

お気に入りの写真を共有するだけでなく、リアルにプリントして楽しむという使い方の提案がうまく時代にマッチし、「20〜30代中心に好評」だという。スマホアプリのダウンロード数は、本体の販売台数に対して2倍となっているそうで、同社では複数ユーザーでプリンターを共有して使っている、と分析する。

富士フイルム株式会社イメージング事業部次長の武冨博信氏

カメラとしてのチェキだけでなく、スマホカメラで撮影された画像をプリントする楽しみを提案することで、チェキシリーズ全体の普及拡大に繋げたい考えで、武冨氏は今回のinstax SHARE SP-2を「究極のスマホ用プリンター」とアピール。初年度は25万台の販売を目指している。

製品発表会のゲストにはInstagramで人気となったタレントのGENKINGさんが登場。発表に先んじて使用したSP-2については、特に高画質化した点が気に入っているそうで、大量のスマートフォンの写真の中からお気に入りの写真をプリントしているという。また、スマートフォン用のクリアケースにプリントした写真を挟んでオリジナルケースを作る、という使い方を紹介していた。

ゲストのGENKINGさん