編集後記

2021年6月18日

宮澤孝周

ようやくといいますか、今更というべきか。自宅での仕事環境の整備に着手しました。といっても資金の確保だったり、デスク等の発注を含めると構想は4月頃に遡るわけですが……。

おおよそデスクまわりが整って、仕事環境の構築もひと段落。仕上げとして、照明をどうするかの検討に着手しました。機能を優先するか、デザインを優先するか。照明選びは深く幅もひろいので、製品を調べていくだけでも面白さがありますね。

デスクまわりは極力シンプルに、配線もすっきりさせたので、ここはやはりシンプルな製品で統一したいところ。検討候補には、山田照明の「Z-LIGHT」シリーズより、電球の交換にも対応した円形セードタイプの「Z-108NB」、Ra90の演色性を有する「Z-10DB」、さらに高演色の「Z-80PROIIB」、ヤマギワのRebioシリーズより「Rebio ベースセット」などを最終候補に絞りこんでいきました。

ヤマギワの照明といえば、学生だったころに「Biolite」に憧れていたことをよく覚えています。当時はとてもじゃないけれども、照明ひとつで手が出るような値段ではありませんでした。LEDタイプになった今の製品とて、デスクライトとして考えると十分に高額な部類ではありますが……。それでも、やはりデザインがすっきりしていて、流石と感嘆させられます。演色性もRa97と、写真集やプリントなどを観察するのにもってこいの性能です。

とはいえ尽きせぬ悩みの資金繰り。今しばらくは憧れのままの存在でいていただこうと、涙ながらに断念。すでにこの時点で高演色にふった思考になっていて、筆頭候補に躍り出てきたのが、山田照明の「Z-80PROIIB」。こちらもRa97と高演色が魅力の製品で、色温度も5,000Kと使いやすい。ただ、Rebioに比べればだいぶお求めやすいとはいえ、こちらも2万円弱と、デスクライトとしてはやはり高価。値段で考えていくと、「Z-10DB」は1万円台前半で、「Z-108NB」はおよそ8,000円ほどとなっており、悩ましさの迷路に引きずりこまれていきます。こうなってくると、改めて製品を探しはじめたりと、思考と選択は迷宮入り状態に。

何を優先するかで照明も変わってくるわけですね、よくわかります、と自分との対話が続きます。このあたりの選択はカメラ選びにも通じるものがありますね。目的とスタイルと予算。もっともカメラの場合は画づくりや使いたいレンズといった要素も加わってきますから、さらに道が増えることになりますけれども。

さて、結論です。やはり色をしっかりと見たいということで、山田照明の「Z-80PROIIB」を使うことにいたしました。葛藤すること幾数日でした。実際に設置してみると、光量もちょうどよく、白い紙が白く見える気持ちよさは格別です。色づきがないので、変な疑いをもつことなく、印刷物を見ることができます。しっかりと手元が明るくなるので、目の疲れ方も変わってきます。

気になるデザインですが、本体はアルミ製で質感も剛性感もある印象ですが、コードの露出があったりプラスチッキーな部材が目につく部分で使われていたり、といった点が少しばかり残念。とはいえ全体的にすっきりとしたエッジのたったデザインですから、デスク周りを引き締めてくれる役割も担ってくれています。

これでひととおり環境も整いました。と言っているそばからレザー製のデスクマットをしきたいな、などと考えはじめています。ちょうど良いサイズや質感を求めていくと、自作するしかないのですが、さてどうしようかと。レザークラフトも奥が深いよなぁ、と底知れぬ恐ろしさと楽しみを感じているこの頃です。