写真家の引き出し

自立一脚な見た目の電動スライダー

MOZA Slypod Pro SPD12(茂手木秀行)

スナップや風景、ポートレート、スポーツ、鉄道、航空機など各分野で活躍されている写真家に普段の撮影で活躍しているアイテムや便利グッズをご紹介いただきました。写真家たちは撮影機材のほかにどのようなアイテムを駆使して撮影を進めているのでしょうか。便利ポイントや具体的な活用方法も教えていただきました。(編集部)

愛用品

電動で動く一脚である。本体ボタンでコントロールするほかスマホアプリからもコントロールできる。縮長は650mm、最大伸長は1,180mmだ。

愛用している理由

冒頭では一脚と説明したが、実質的な使い方は電動スライダーだ。動画やタイムラプス撮影のとき、ショットに合わせてカメラの位置を動かしていく装置である。

カメラに動きがあるタイムラプス動画はとても魅力的に見える。そこで電動スライダーを使うのだが、他の製品は大きく重く、何よりセットアップに時間がかかった。Slypod Pro SPD12では一脚の体裁をしているので持ち運びも簡単、通常動画なら手持ちでも撮影できる。

主にはタイムラプスに使うので、Slypod Pro SPD12を三脚で固定してからカメラを載せるだけだ。この手軽さが愛用の理由である。前機種Slypod Eから愛用していたのだが、前機種での行程(カメラが動く距離)はおよそ28cm、本機Slypod Proでは52cmとなった。たった52cmと思うかも知れないが十分に動画に動きを出せる距離なのだ。そこで、新製品情報を聞いた時点で予約して発売と同時に購入した次第だ。

伸ばした状態

便利ポイント

Slypod Proは単体でも使えるが、タイムラプス撮影では三脚への固定が必須。本体にはアルカスイスプレートが2カ所設けられているほか、カメラネジ、大ネジ・小ネジ双方が切られているのでどんな三脚にもマッチする。本体には電源スイッチのほか動作ボタンが配置されており、手早い撮影のおりに便利だ。

詳細なコントロールはスマホアプリで行える。最もシンプルなモードでは最大30分での動作が可能だ。タイムラプス動画のほとんどで十分な時間である。

1962年東京生まれ。日本大学写真学科卒。ドローン空撮を含めて広告撮影の仕事の傍ら、風景・星景写真の作品制作を続けている。