クルマとカメラ、車中泊

瞬間調光サングラスを試す。バイクやオープンカーに最適な1本

今回の1枚

本格的に寒くなってきましたねえ。星好きな僕はオリオン座が見えてくると冬の到来を感じます。この写真、うちのご近所なんですが、冬の寒さだなあ。でも、まだコスモス咲いてます。コスモスと冬の大三角っていうのはなかなか無い取り合わせですね。僕もこの時期までコスモス咲いてるなんて初めて知りました。

場所はね、千葉県金田コスモス畑で検索してみてください。暖かい日が続けばまだコスモス見られるかも!

限定的におすすめ。瞬間調光サングラス

調光・偏光・UVカットと機能性十分な低価格サングラス

あたらしもの好きな僕としては、ずっと気になってたんですよね、瞬間調光サングラス。とはいえ、瞬間調光なるものが出だしたのは数年前と記憶しています。機構としては溶接の時に使う自動遮光の溶接面と同じものかな。こっちはもっと前から出てますね。試しに買ったことあるんだけど。

要は強い光が当たった瞬間にガラスが黒くなるんです。液晶を使ったものですね。これをサングラスに仕立てたものということです。初期は試しに買うには高かったけど、最近は安いものから高いものまで出揃ってきた感じ。お試し購入してみようと思い立ち、予算は5,000円かなあ、てことで買ったのがこちら。

付属品は充実、でも実物は少し安っぽい?

届いて箱を開けると例によっていろいろ入ってました。セミハードケース、袋状のソフトケース、シリコンクロス、ねじ回し、偏光をチェックするシート。なかなか盛りだくさんです。でもね、なんだか安っぽいんですよ。Amazonの写真で見るとそれほど安っぽいとは思わなかったんだけど。デザイン自体は悪くないと思うんですよ。

ケースやシリコンクロスが付属するのはありがたい

で、恐らくその原因はこれ。ガラスが平面なんですよ。液晶で調光するので仕方ないのかも知れません。お高い商品の写真を見るとガラスが湾曲しているように見えるのでコスト面からそうなのかも。ともあれ、こうしたことは実際に手に取ってみないとわからないことですね。この商品の名誉のために言っておくけど、ガラスが平面てこと以外はデザインは良いと思います。長時間かけていてもどこかが痛くなったりしない良いデザインです。

レンズが平面なのがデザイン面でのウィークポイント

調光性能をチェック。透過率は8%~34%で変化

さ、機能面、調光について確かめてみましょう。ということで直射日光当ててみますよー。うん、なかなか黒くなる!フレームの真ん中に太陽光パネルがあって、お日様が当たると発電し、その電気で液晶が黒くなるってことらしいです。次は曇りの日を模して半透明の影を落としてみます。お、若干薄くなりました。次に透明でないもので遮ってみるとしっかり薄くなりました。Amazonのページによると透過率は8〜34%となっています。

Amazonのページによると調光は2段階のようですが、中間があるので3段階くらいでは変化しているようです。

直射日光があたった状態。最もガラスが濃くなっている状態(透過率8%)だ
中間の透過率。ソーラーパネルに薄い影が落ちるようにした。はっきり濃度が変化している
34%の透過率。ソーラーパネルに濃い影が落ちるようにした。もっとも濃度が薄い状態

偏光率95%、UVカット性能も優秀

次は偏光ですね。写真にもつかう偏光フィルターと一緒の効果で、水面やガラス表面の反射を取り除いて、中を見ることができるようになります。偏光率95%を謳ってますが、誇張ではなく偏光の効きはとてもよく、対向車を運転する人の表情がとてもよく見えます。運転している人の視線や表情がわかることは安全運転につながっていいですよね!そのほか、西陽で光る路面や雨上がりに日が差した時などギラつく路面の明るさを抑えてくれて路面が見やすくなりますよ。

フロントガラスには空が映り、車内は見えにくい
偏光サングラスを使うと車内がよく見える

最後にUVカット。いつものようにSEKONIC スペクトロマスター C-700(現行品はスペクトロマスターC-800)で計測してみました。太陽光と比較するとしっかりUVカットされていることがわかります。400nm付近でほぼ0に近く、UVカットの度合いは優秀です。

SEKONIC スペクトロマスターC-700は光の成分を可視化できる。
カラーで表示されたものが太陽光のスペクトル。黄色の実線が瞬間調光サングラスを通した光のスペクトル

バイクやオープンカーなら効果を実感できる

総評ですが、結構真面目につくってるなあというのが、いろいろテストしてみた感想です。ですがね、車の運転で使うと車内は常に影の中。屋根があるからね。だから、調光の恩恵を感じにくいんです。う〜ん、当たり前か。でもね、これバイクで使うと塩梅がいいんです。ヘルメットだけの視界だから常に直射日光あたりますからね。トンネルに入った瞬間にありがたみを感じます。オープンカーにもいいでしょう。

まあ、普通の車で使っても偏光サングラスとしては優秀ですから、調光のことは忘れて使えば満足できますよ。あ、あと西日に向かって運転する時は調光が効くので効果を実感できるはずです。

調光サングラスはレンズにハロゲン化銀を含有させて紫外線量によって濃度が変化するものが既存のもので一般的です。このタイプは濃度変化の速度が遅く例えば直射日光があたる道路から真っ暗なトンネルに入っても、ほとんど濃度変化しないままトンネルを出ることになってしまいます。まあ、使い方次第なんですが。

そうしたことからすれば、この瞬間調光サングラスは限定的ではあるものの、使えるサングラスであると思いました。ちなみに、薄い方の透過率34%は外から見て目の表情がわかる程度の薄めのサングラスといった印象です。夜やトンネル内でも若干暗く感じる程度で運転に支障が出るほどの暗さではありませんでした。でも、それは個人の感じ方で随分違うはずなので参考までに。

ともあれ、まだ発展途上のジャンルなのか安いからなのか、足りないところもあるけど、バイクとオープンカー限定でおすすめサングラスって言えるかな。安っぽいのは我慢してね。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ