クルマとカメラ、車中泊

音楽よりも睡眠のために買った、静寂をもたらすノイズキャンセリングヘッドフォン

今回の1枚
この冬は大寒波がきて各地大変ですが、皆様のご無事を祈っております。さて、この画像、なんだかわかります? 夜露で曇ったガラス皿です。ガラス皿に温度センサーを貼り付けて夜露の計測をやっています。冬休みの自由研究って感じですかねえ。ちょっとまだお見せできないもう少し立派な観測装置も作っているんですが、なんのためかというと、星景写真撮影には夜露との戦いがつきものなんですよね。経験則としてはわかっているんですが、より具体的に条件を確認しようと思いまして。いずれどこかで結果をお見せできるでしょう

さて、今回はちょっと昔話を。2000年ごろの話なんだけど、僕は出版社マガジンハウスの社員カメラマンでした。アンアンとかブルータスを出してる出版社ね。社員カメラマンというと写真部があってと考える人がほとんどなんだけど、当時のマガジンハウスでは社員カメラマンも雑誌ごとの編集部に所属していて編集部員なのでした。机も編集部ね。

当時から出版不況を囁かれ始めていたけれど、まだまだ活気があって24時間365日、誰かしら社内で働いている不夜城だったのです。朝昼晩、24時間人が出入りしていて話し声が聞こえる、活気のある編集部だったんです。そんな中撮影をフルデジタル化していた僕は黙々とRAW現像やレタッチをやってたんですよ。

3週間会社に泊まり込んでレタッチしたこともあったし、3日くらいの徹夜は日常だったな。で、パソコンに向かっていると人の話し声が気になるんだよね。そこで当時まだまだ珍しかったノイズキャンセリングヘッドフォンを買ったのですよ。ソニー製だっかなあ、きっとソニーだと思います。僕はほとんど音楽を聞かないのでノイズキャンセリングだけを使っていた感じ。静かになって作業に集中できましたね〜。

ともあれそんな活気のある編集部。今思い出してみると毎日が夢のようで楽しい日々でした。ありがとう、マガジンハウス。

で、そんなわけで今回はノイズキャンセリングヘッドフォン「Anker Soundcore Life Q30」です。外音取り込みモードが特徴です。つまり、音楽を聴きながら外の音もしっかり聞こえるのね、当然Bluetooth接続。ケーブルがないのは色々嬉しい。

Ankerのノイズキャンセリングヘッドフォンの中ではエントリー機としての位置付けだと思うけど、ノイズキャンセリングの質や音楽の音質も十分以上かな。さっきも言った通り僕は音楽をあまり聞かないので、音質についてはアテにしないでください(笑)。僕的には満足な音質です。

ヘッドフォン部を折りたたみ付属のケースに入れるとこんな感じ。薄く持ち運びがしやすいケースです。隣の袋は付属品。充電用のUSBケーブルと3.5mmのステレオケーブルが付属しています。ケーブルでも音源に接続できてハイレゾモード、より高音質になるそうですよ
左スピーカー部にステレオ端子、再生停止ボタン、音量の +−ボタンがあります
右スピーカー部には充電用のUSB Type-C端子と電源ボタン。NCと書かれているのはノイズキャンセリングと標準モード、外音モードを切り替えるボタン。イヤーカップはしっかりと耳を包み込んでフィット感の良いもの。ノイズキャンセリングをオフにしても随分と外の音を遮断してくれます
両スピーカー部には小さな穴が空いてるんだけど、ここが外音取り込みのためのマイクと思われます

で、音楽をあまり聞かない僕がノイズキャンセリングヘッドフォンをどこで使うのよとツッ込んで欲しいわけですよ。ここですよ、ここ。車中泊で使うんです。

皆さんもサービスエリアで仮眠したりすることありますよね? 道の駅の駐車場もありますね。そんな場所では車の音が気になって寝入りが良くない。色々事情はあるそうですが、トラックのアイドリングはなかなかの轟音です。

そこで、ノイズキャンセリングヘッドフォン。Anker Soundcore Life Q30は僕の車中泊用品なのです。完全無音! とはいきませんが、シートを倒せばすぐに夢見心地になれるくらいには静かになります。効果抜群! おすすめです。

あとはちょっとアプリの話を。Anker Soundcore Life Q30は現代の製品らしくアプリで様々な設定が可能です。ちょっと面白いのが睡眠モード。風の音や虫の声などの繰り返す小さなノイズで睡眠導入するというあれね。結構お気に入りです。波の音とか、雨の音がグッとくるかな。あとはキャプションで。

製品接続後のホーム画面、わかりやすく機能にアクセスできます
右上歯車アイコンの一般設定。タッチコントロールをオンにすると右スピーカーのパネルを指でタッチすると外音取り込みモードに切り替えられるようになる。自動電源オフのデフォルトは60分。入眠時間に合わせてセットすると良い
モード設定をタップするとノイズキャンセリングあり、無し(標準)、外音取り込みに切り替えできる。ノイズキャンセリングも3種類用意されている
イコライザーではデフォルトの中に音楽ジャンルに合わせたプリセットが入っているほか、カスタムで自由に設定できる
睡眠モードでは様々な自然音がアイコンで表示されている。アイコンをスライドさせれば好みの睡眠導入音を作ることができる

最後に本機の特徴である外音取り込みモードですが、切り替え方法はアプリ、左スピーカーのNCボタン、右スピーカーパネルのタッチの3通りですが、タッチコントロールはアプリで設定する必要があります。デフォルトはオフなので確認してくださいね。

この外音取り込みモード、ヘッドフォンをしていない状態のように外の音がよく聞こえます。海に行って波の音を聴きながら音楽聞いたら幸せでしたよ。どうせなら、集音してほしいなあ。

ともあれ、車中泊、仮眠の時におすすめなAnker Soundcore Life Q30でした。あ、運転中に使うのはNGよ。

1962年東京生まれ。日本大学芸術学部卒業後、出版社マガジンハウス入社。社員カメラマンを経て2010年にフリーランスとなる。主に風景・星景を撮影し、星空の撮影は中学校で天文部に入部した頃からのライフワーク。ニコンカレッジで、星景写真講座を担当。星空に興味ある方は「こちら」へ