カメラの描き方

第4回:ここどうするの?カメラとキャラクター

カメラと人を同時に入れる

こんにちは! 飯田ともきです。カメラばかり描いていても面白くないですよね。よく知られているように、カメラは棚に置いておくものではなく人が使ってこそ活きるものです。あなたの描いたカメラはどんなキャラクターが使っていますか? 想像が膨らみますね!

今回は、キャラクターにカメラを合わせる方法です。描いているときにちょっと迷ってしまいそうなことへのアドバイスをピックアップしました。

キャラクターに合わせたカメラサイズの決め方

等身を意識したことはありますか? そのキャラクターの全身のサイズが頭何個分になるかというもので、デフォルメの目安です。カメラバカにつける薬に出てくる患者は2.5等身くらいで、ナースさんは5等身くらいでしょうか。

7等身くらいのキャラクターなら現実に近いのでカメラの大きさで悩むことはありません。現実のサイズで描けばいいでしょう。等身が低くなるとデフォルメが強くなっているので、ある事で悩むかもしれません。

それはキャラクターとカメラの大きさのバランスです。例えばカメラをぶら下げているときは体にあわせたサイズのカメラを描くとします。カメラのサイズをそのままにして目元に構えると、カメラが小さくなってしまいます。デフォルメが強いと体よりも頭のほうが大きいからですね。

カメラのサイズは機種によって大きく左右されますが、だいたい顔の1/4が隠れるくらいが目安でしょうか。そもそものデフォルメをいかして、もっと大きく描いてカメラに注目させるのもいいでしょう。しかしそのままの大きさでは、体にとってはカバンのように見えてしまいます。

キャラクターのデフォルメが大きいほどこういった「誤差」は許容がされやすいので大胆に大きさを変えてしまっていいんじゃないかなと思います。それは自由が大きいと言い換えることもできるでしょう。

簡単な手の描き方(ミトン手法)

カメラは手で使うので、キャラクターとカメラを描くときはいっしょに手も描かなければなりません。手はそれだけで参考書が1冊書ける程複雑でやりがいのあるテーマです。しかしこの講座のために可能な限り簡単に……を超えて、やりすぎなくらい簡単に描く方法を考えました。

手はただの長方形ではなく、長い六角形をしているとイメージしましょう。これだけで「手っぽさ」が強化されます。そして簡単にするために、指たち1本1本のことはいったん忘れてください、。ミトンを思い出しましょう。ミトンでカメラを掴むのです。あとは自信があれば指を描いていくのもよいでしょう。どうしてこういう描き方をおすすめするのでしょうか? 優先したいのはカメラの向きを自由に決めることと、その向きに手とわかるものを添えることです。カメラや指のディテールに悩むよりそういった演出を優先させましょう。

人には描きやすい角度があるのでそればかり描いてしまいがちですが、がんばりましょう!

ミトン手の実践です。ディテールにこだわることをいったんやめて、どう持つかを知ることにフォーカスした訓練です。

ミトン手から実際に指を描いてみました。あッ……これだとレンジファインダーの測距窓に指が触れそう……実際に使用経験がないと分からない「ありがちな間違い」ですね。

2010年に漫画サークル「ていこくらんち」をはじめる。2015年に出した同人誌「カメラバカにつける薬」が、あれやこれやでデジカメ Watchで連載させていただくまでになりました。カメラだけじゃなく、その向こう側にいる人たちの想いを伝えていければいいなと思っています。