3週目、上ブロックの屋外はISO100、室内はISO200、レンズは左上だけ「EF 50mm F1.4 USM」でほかは全て「EF 35mm F2」。下ブロックは左下だけISO100、ほかはISO200。レンズは全てEF 35mm F2となっている。撮った順番は上ブロックの私服が最後で12時半近く。下ブロックの水着は11時半頃なのだが、たった1時間の差にも関わらず、随分光の色が違うことがわかる。冬のこの時期は、昼を過ぎるとご覧のように黄色い光になってしまうのだ。
現像ソフトである、Digital Photo Professional(DPP)は、キヤノン以外も含め、カメラに付属するものとしては、かなり多機能なアプリケーションだ。ホワイトバランスやピクチャースタイル、コントラスト、色合い、シャープネス、トーンカーブなど基本的な部分はもちろんのこと、オートライティングオプティマイザ、ノイズリダクション、レンズ収差補正なども備えている。
今回下ブロックで背景が暗く落ち込んでいるカット(左上と右下)では、オートライティングオプティマイザをON([標準])にすると結構効果があった。実はこの2枚は、2枚あるレフ板のうち、1つは被写体でなく、外から銀レフを使い、部屋の奥へ光を入れているのだ。これをしないと、もっと奥が暗く落ち込んだ感じになる。
さて現像ソフトの話に戻すと、これらに加え、トリミングツールとスタンプツールまで備えている。トリミングツールに関しては説明の必要はないと思うが、スタンプツールは、ある場所のある範囲のデータを指定した部分にスタンプ(コピー)する機能だ。例えば、この手のグラビアだと、ニキビやちょっとしたケガの跡、前の水着の跡、(程度にもよるが)腹線などを消したりするのに使うケースが多い。つまり周囲の肌色を使って、消したい部分へスタンプするのだ。
この連載では記事の性質上極力行わないようにしているが(どうしても修正が必要な場合は違うカットへ入れ替えている)、一般的に商用で見かけるグラビアはちょっと信じられないほどの修正が入っている。色校を見ると、事務所側による修正指示の書き込みで真っ赤かだ。
筆者が普段仕事で行なう処理内容は、色温度調整、コントラスト調整、(修正箇所があれば)スタンプツール、カットによっては若干のトリミング、そしてリサイズとシャープネス……このような流れになっている。ただし、スタンプツールが必要な修正は、カメラマン側で対応するのかクライアント側で対応するのかはケースバイケースだ。いずれにしても、キヤノンのデジタル一眼レフを使い、RAWで撮影、DPPを使う限り、Photoshopは全く必要ない。
今月はサムネイルを作るのに(これもDPPでできるが)Photoshopを使った程度で、画像を触るという意味ではDPP内で全て完結している。なかなか良くできたアプリケーションと言えよう。
この時間帯はすっかり気温も上がり、暖かいを通り越して直射日光だと暑かった。早希ちゃんも、そのせいなのか段々表情も柔らかく……。いくら仕事とは言え、寒い日に外とあまり変わらない気温の場所で水着は辛い。顔は笑顔でも鳥肌が写ったりするものだ。(つづく)
actress しまだ早希@ジェイ エム オー
photographer 西川和久 キヤノンEOS 50D EF 50mm F1.4 USM、EF 35mm F2
■ URL
キヤノン
http://canon.jp/
キヤノンEOS 50D関連記事リンク
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/09/18/9156.html
バックナンバー
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/weekend_backnumber/
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西川和久 (にしかわ かずひさ) 1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機器としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、dwango.jp(待受)のグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!
http://www.iwh12.jp/blog/ |
2008/12/19 00:37
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