非常に気に入った“フィルムシュミレーション/スタジオポートレート”だが、ひとつだけ大きな落とし穴があった。“フジクロームモード”も同様の制限を受けるが、フィルムシュミレーションかつJPEGで撮影する限り、カメラ側でシャープネスやコントラストも含め一切画質コントロールができなくなる。この件をメーカーに確認したところ、フィルムシュミレーションモードで作り出されるJPEG画像は、メーカーとして考える完成画像のみ提供したいらしく、このような仕様になっているということだ。
なるほど理屈は解る。しかしせめてシャープネスだけはその制限から外して欲しい。理由は、画像を拡大したり縮小したりする場合、元画像にシャープネスが強くかかっているとジャギの原因になるからだ。撮影時はシャープネスを弱もしくはOFFにし、必要な解像度へ変更した後にエッジ強調するのがデジタル画像を触る上において基本中の基本である。それすら出来ないのは問題だろう。是非とも改善をお願いしたい。
もうひとつ後から気が付いたことがある。今回の撮影は600万画素モードで撮ったと書いたが、実は別の日に1,200万画素モードで一日撮影した。600万画素で使っている限り、書き込みや再生はテンポよく扱えたものの、1,200万画素で使うと途端に時間がかかってしまう。バッファが一杯になっての書き出し、撮った写真の確認など、筆者的に我慢できる範囲をはるかに超えていた。
もちろん動作が遅い速いの判断は、被写体や用途にもよると思われる。しかし、筆者の用途では完全に駄目出しになってしまった。何より発色的に最もグラビアやポートレート系に向いているカメラだけに残念な部分だ。S4 Pro(?)には更なる高速化を希望する。
さて硬い話が続いたので、軟らかい話をひとつ。右側の撮影風景であるが、周りのスタッフ曰く、どうやら筆者の一番特徴的な撮り方らしい。一般的なグラビア撮影において超ローアングルは、枕のようなものをアシスタントが即座に持って来て、それに頭を固定し撮るのだが、筆者の場合、腹筋だけでこの体制が数分間も可能なのだ。もちろん、もともとそんな腹筋があった訳では無く、着エロばかり何年も撮っていると自然に腹筋が付いてしまった。
何故そうなったか!? 着エロ系でありがちな写真を想像して頂きたいが、Tバックを後ろから、それもかなりローアングルのものが多い。ほとんどの場合、下に潜り込む程の位置から撮られたものだ。また、この手のカットはパッケージのジャケット写真になる可能性が非常に高く、衣装毎に必ず撮らなければならない……と、これを何年もやっていると、歳の割りに強靭な腹筋を持つことになってしまった。(つづく)
actress 福山安奈
photographer 西川和久 FUJIFILM FinePix S3 Pro Ai AF Nikkor 24mm F2.8D, 35mm F2D, 50mm F1.4D, 85mm F1.4D
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西川 和久 (にしかわ かずひさ)
1962年11月生まれ。もともとPC系のライター&プログラマーであったが、周辺機としてデジカメを使い出してから8年。気が付くとグラビアカメラマンになっていたと言う特殊な経歴の持ち主。初めて使った一眼レフはCanon EOS DCS 1c。現在、いろメロ待受@DWANGOのグラビアマガジン、着エロ系DVDのジャケ写などで活躍中!
http://www.cfc.co.jp/knishika/index.html |
2005/01/14 00:38
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