特別企画

【光学65倍】PowerShot SX60 HSで、京都の名所を(上から)撮ってみた

清水寺、平安神宮、五条大橋……遠くの建物がこんなにも大きく!

光学65倍ズームという前代未聞のズーム倍率を誇るのが、キヤノンのPowerShot SX60 HS。その実力を探るべく、デジカメ Watch編集部より京都タワーにのぼれという指令が。京都タワーの展望室から、観光名所をめいっぱいの望遠ズームで撮るとどう写るの? という趣向です。

私は実家が京都でたまたま帰省していたのだが、ここにのぼるのは中学生以来の30数年ぶりとなります。

当日の天気は曇り。超望遠での撮影となるため、大気の霞や陽炎もあり、ガラス越し(展望室としてはとてもきれいなガラスだけど)でもあるので写りは心配。いろいろ心配の種は尽きないが、はたしてその実力は!

京都タワーを前に、PowerShot SX60 HSと川北茂樹さん。果たしてどんな写真が撮れるのか?

※作例はすべて800×600ピクセルにリサイズしています。レタッチはしていません。

これが光学65倍ズームの実力だ!

八坂塔法観寺(八坂の五重塔)

まずはメジャーなところから、八坂の五重の塔を狙ってみます。が、肉眼ではビルに埋もれてどこにあるのか分かりづらい。でも展望室の窓の上には名所の方角を示したパネルがあるので、それを頼りに探してみると……ありました! たしかに八坂の五重塔です。

21mm相当(広角端):この状態だと、どこにあるのか全くわからない(笑)
1,365mm相当(望遠端):最大望遠にすると……見える! 五重塔がこんなに近くに。

広角端の写真を見てもらえばわかりますが、肉眼で判別はかなり困難な状況。地元育ちなのでなんとなく方角や状況がわかっているので、なんとか見つけ出せた感じでしょうか。

湿度が高い日だったので霞がかかり、全体的に白っぽく写っているだけど、五重塔が手にとるように間近に見えます。ある程度想像はしていましたが、いきなり光学65倍ズームの威力を実感しました。

広角も21mm相当と画角が広めだし、「このカメラ1台あれば何でも撮れるのでは」と盛り上がる取材陣。普段は仕事とはいえ、一眼レフの大きさに閉口することも多いのですが、このコンパクトなボディにこれほどの実力が詰め込まれているとは!

ちなみに、今回はこんな感じで撮っています。

通常の望遠域なら手持ちでも全く問題ないけれど、1,000mmを超える超望遠域となると手ぶれが激しく、手持ちでは被写体を追いきれません。そこで三脚のお世話に。

ただし展望室というところは、三脚を設置するのに苦労する場所なのです。そこで、いつも夜景撮影では自作の「板脚」を使っています。板切れに三脚のネジを通して市販の雲台を乗せただけなんだけど、展望室からの夜景撮影にはなくてはならないアイテム! 京都タワーでは、この後もこのスタイルでずっと撮っていました。

これが三脚ならぬ自作の「板脚」。展望室の手すりなど、三脚が使いづらい場所で役立ちます。

こうした撮影では、SX60 HSのバリアングル液晶モニターが便利でした。自分の撮りやすい角度に調整できるので、「板脚」との相性は抜群です。

グリップも持ちやすいし、起動やAFについても、この手の高倍率ズームにしてはきびきびしています。

バリアングル液晶モニターは3型約92.2万ドット。アングルの自由度は撮影の幅を広げます
これまでのキヤノン全機種のグリップを検証して新たに設計されたグリップ。望遠撮影時、グリップの握りやすさはブレ軽減につながります
確かにこのグリップは、すっと握れて疲れにくい。吸い付くような革調の素材も心地よいです

清水寺

今度は超有名スポットの清水寺を狙うも……いくら探してもそれらしき姿を見つけられず焦る私。あの有名な姿が見分けられないなんて、そんなバカな!

21mm相当(広角端)

と思ったら修復中で、外に覆いがかかっていました……。

750mm相当

最大望遠にしてよく見ると……おお、参拝客の姿が見える!

1,365mm相当(望遠端)

祇園甲部歌舞練場

祇園をどりで有名ですね。建物の美しさでも有名です。でも写真が微妙に傾いているので、この後の撮影では内蔵の電子水準器をモニターに表示させて撮影(汗)。私は一眼レフで夜景を撮る際、必ず電子水準器を使います。本機にも内蔵されていて助かりました。

21mm相当(広角端)
1,365mm相当(望遠端)

見失なった被写体をすぐに捕まえるには?

ところで、超望遠での撮影で困るのが、被写体を見失うこと。少しカメラを動かしただけでも、被写体がフレームから大きく外れてしまい、もう一度フレームに入れたくても、被写体は一体どこへいったやら……

そんなときに便利なのが、SX60 HSの機能「フレーミングアシスト」です。

超望遠撮影で役立つ2つのフレーミングアシストボタン。上側のボタンが「フレーミングアシスト-探索ボタン」、下側が「フレーミングアシスト-固定ボタン」です
カメラを構えた時、自然に押せる位置にあります。

特筆すべきは、上側にある「フレーミングアシスト-探索ボタン」です。望遠側で被写体を見失ったら、即座に押してみてください。画角が広くなり、フレームから外れた被写体を見つけやすくなります。

望遠の状態で「フレーミングアシスト-探索ボタン」を押すと……
画角がさっと広くなり、見失った被写体や周囲の状況が確認しやすくなります

特に、動く被写体に有効な機能といえます。今回は新幹線を狙う時に活躍してくれました。鉄道以外の被写体でも重宝するでしょう。

新幹線を望遠で追いかけています
「フレーミングアシスト-探索ボタン」を押すと画角が広くなり、被写体がいまどこにいるか探せます

さらにこのフレーミングアシストには、オートモードもあります。オートモードにしておけば、

カメラを動かす→自動的に画角が広くなる(被写体を見失ったとカメラが判断)
カメラの動きを止める→自動的に画角が狭まる(被写体を捕捉したとカメラが判断)

といったことが可能になります。

また、今回は試していませんが、人物の顔、上半身、全身が一定の大きさに写るよう自動でズームしてくれる機能も。

ちなみに、下側の「フレーミングアシスト-固定ボタン」を押すと、望遠側にズームしたときに適した手ブレ補正になります。

さらに超望遠、2,730mm相当の世界

ただでさえ光学ズームがすごいのに、プログレッシブファインズーム(デジタルズーム)にすると、2,730mm相当に。肉眼をはるかに超えた領域は驚異です。シャッターを押さなくても、遠くの景色を眺めるだけでも楽しいかも。

伏見桃山城

さすがに京都タワーからだと遠い伏見桃山城。豆粒のようにしか見えませんが…

21mm相当(広角端)

光学ズームの望遠端で、ここまで引き寄せられます。

1,365mm相当(望遠端)

さらに!プログレッシブファインズーム最大の2,730mm相当だとこんな大きく!

2,730mm相当(プログレッシブファインズーム最大)

肉眼の域をはるかに超えているので、霞や陽炎に包まれた世界だが、ここまでくれば撮れること自体に意義があるのかも。かつての城主、秀吉や家康にも見せてあげたい光景だ!

平安神宮

ここも有名スポット。京都タワーからそれなりに離れているが、朱色の鳥居が目立つので分かりやすい。

21mm相当(広角端)
1,365mm相当(望遠端)

実際にはビルほどもある大きさの鳥居だが、こうしてみるとその大きさを改めて実感。鳥居が揺らいで見えるのは、ガラス越しなのと陽炎のせいだろう。

2,730mm相当(プログレッシブファインズーム最大)

五条大橋

京都に観光に来たならば、誰もが渡ったであろう五条大橋。京都タワーからはこんな風に見えます。ビルの間から少し見えるだけなので、なかなか見つけられなかった(笑)

21mm相当(広角端)
1,365mm相当(望遠端)

プログレッシブファインズーム最大だとこんな感じ。通行人まで写っているとは。

2,730mm相当(プログレッシブファインズーム最大)

橋の装飾板の筋が波打って見えるのは、これもガラス越しなのと大気中の陽炎のせい。弁慶と牛若丸が戦った当時は、もっと小さな橋だったのでしょうね。

夜景も撮ってみた

夜景写真家を名乗る私として、ぜひともこのカメラでチャレンジしたかったのが夜景です。

京都タワーから北を望む

規模の割に暗いのが京都の夜景。商業ビルが少なく、お寺が多いのでそう感じるのでしょう。ライトアップの季節ならもう少しきらびやかだったかも。

京都タワーから南を望む

都会の夜景写真としては、京都駅側の光が多くてきれい。

搭載されているHDR機能で、ちょっと遊んでみました。都会の夜景に合うのは、「油彩調」のギトギトした感じかな。ほかにも「絵画調」や「ナチュラル」など、好みに応じた画風が選べるので、ちょっと遊んでみるのもいいでしょう。

東寺五重塔

夜のお寺とはいえ東寺の塔はライトアップされているので、超望遠でも撮りやすかったです。

これまでの被写体に比べると、京都タワーから比較的近い東寺だけに、望遠端ではアップ過ぎてビックリ。構図的にはそこから少し引いた方がいいかな。

21mm相当(広角端)
511mm相当
1,365mm相当(望遠端)

まとめ:旅に1台持っていくならコレ! ズームの力はすごい

いつもはデジタル一眼レフカメラで撮っている私ですが、小さなボディのSX60 HSで、ここまで楽しめるとは思わなかったです。使い方も他のキヤノンのカメラとほぼ同じなので、戸惑うことも少ないのが嬉しいです。

スマホや小さなカメラを卒業したい人へ、旅に持って行く1台としてお勧めしたいこのカメラ。もちろん一眼レフのサブにもいいかも。私なら仕事を離れての散歩写真やスナップ用に、カバンの中に入れておきたいですね。

京都タワーで京都を一望!

京都駅を出てすぐ見える定番ランドマークが京都タワー。他に高い建物がないこともあり、最上階の展望室からは、京都市街の様子がぐるりと見渡せます。

デジカメ好きとしては、窓ガラスがとてもきれいで、かつ垂直なのがうれしいところ。21時まで入れるので夜景も狙えます。三脚も使用可能ですが、くれぐれも他のお客さんの邪魔にならないように。

制作協力:キヤノンマーケティングジャパン株式会社

川北茂貴

1967年3月京都市生まれ。大阪芸術大学卒業。ストックフォトや海外旅行の書籍の撮 影で世界中を巡る中で各地の夜景写真に触れ、レインボーブリッジや都庁が建ち始め た東京で自分も夜景を撮るようになり、夜景写真家として今に至る。日本写真家協会 会員。キヤノンEOS学園東京校講師。