特別企画:防水・耐衝撃デジカメを比較する(2010年版)

Reported by 北村智史


すっかり市民権を得た「タフネスデジカメ」

 防水・耐衝撃タイプのカメラといえば、昔は工事現場仕様のやたらとごついものばかりだったが、いつのまにやらずいぶんと小型軽量化が進み、今では普通のデジタルカメラと比べても遜色ない小ささ軽さのものが当たり前になっている。

 実売価格の面では多少割高感があるものの、防水ケースなしで水中写真が楽しめるほか、落としたりぶつけたりしても壊れない頑丈さ(キズは付きますけど)も備えているのだから見逃せない。

 とはいえ、防水・耐衝撃デジタルカメラが活躍するシーンは、実はそれほど多くない。大半の人がリゾート地に滞在する時間は長くても数週間で、残り350日以上は日常生活を送っている。と考えれば、単純にタフネススペックだけで機種選びをするのは問題だったりするのである。

 もちろん、耐圧水深や耐衝撃性(何メートルの高さから落としても壊れないとか)も気にならないわけではないが、それ以前にカメラとしての基礎スペックも大事。旅先のきれいな景色を残すには広角域までカバーしているレンズのほうがうれしいし、高感度撮影時の画質もいいに越したことはない。

 それと使い勝手の良し悪しもある。操作性はタフネススペックを高めるために犠牲になりやすい部分なので、購入前のチェックは欠かせない。筆者個人としては、ボタン類の押し心地やカバー部の開閉のしやすさあたりが重要ポイントだと考えている。

 水圧との兼ね合いもあるからだろう、防水タイプのカメラのボタン類は、普通のデジタルカメラに比べて重め、硬めのものが少なくない。軽量ボディでシャッターボタンだけ重い、硬いと手ブレの原因になりやすいし、十字キーなどの操作感がよくないと、使っていて疲れてしまう。

 一方、バッテリー室やメモリーカードスロットのカバー(フタ)も防水仕様となっている。水圧がかかっても水漏れしないようパッキンが仕込んであるほか、水中で不用意に開いたりしないようロック機構も備えているのが一般的。そのせいで、開け閉めがしづらいものが少なくないのが実情だ。海や山で使う分には多少の不便は我慢できても(やっぱり壊れないことのほうが大事ですし)、普段使いで難があるのはうれしくない。そういうのも考えつつ、各機種の基本性能から見ていくことにする。まずは発売日がもっとも新しいペンタックスOptio W90から。

製品名メーカー発売年月実売価格撮像素子有効画素数感度範囲
Optio W90ペンタックス2010/03/1835,000円1/2.3型CCD1,210万画素ISO80-6400
FinePix XP10富士フイルム2010/03/1320,000円1/2.3型CCD1,220万画素ISO100-1600
LUMIX DMC-FT2パナソニック2010/03/0536,800円1/2.33型CCD1,410万画素ISO80-6400
サイバーショットDSC-TX5ソニー2010/03/0529,800円1/2.4型裏面CMOS1,020万画素ISO125-3200
μ TOUGH-8010オリンパス2010/02/2635,300円1/2.33型CCD1,400万画素ISO80-1600
EXILIM G EX-G1カシオ2010/01/2930,000円1/2.3型CCD1,210万画素ISO64-3200
PowerShot D10キヤノン2009/04/1638,400円1/2.3型CCD1,210万画素ISO80-3200

 

製品名焦点距離(35mm判換算)開放F値手ブレ補正液晶モニター記録メディア

Optio W90

28-140mm相当F3.5-5.5電子式2.7型23万ドットSD+内蔵26.7MB
FinePix XP9036-180mm相当F4.0-4.8電子式2.7型23万ドットSD+内蔵13MB
LUMIX DMC-FT228-128mm相当F3.3-5.9レンズシフト2.7型23万ドットSD+内蔵40MB
サイバーショットDSC-TX525-100mm相当F3.5-4.6光学式3.0型23万ドット(タッチパネル)SD/メモリースティックデュオ+内蔵45MB
μTOUGH-801028-140mm相当F3.9-5.9センサーシフト2.7型23万ドットSD+内蔵2GB
EXILIM EX G EX-G138-114mm相当F3.9-5.42.5型23万ドットmicroSD+内蔵35.7MB
PowerShot D1035-105mm相当F2.8-4.9レンズシフト2.5型23万ドットSD

製品名耐圧水深水没可能時間耐衝撃高動画性能外形寸法重量(撮影時)
Optio W906m120分1.20m1,280×720/30fps107.5×59×25mm161g
FinePix XP103m120分1.00m1,280×720/30fps95.6×63.8×23.2mm152g
LUMIX DMC-FT210m60分2.00m1,280×720/30fps99.3×63.1×24.3mm188g
サイバーショットDSC-TX53m60分1.50m1,280×720/30fps94×56.9×17.7mm144g
μ TOUGH-801010m60分2.00m1,280×720/30fps98.3×63.6×23.9mm215g
EXILIM G EX-G13m60分2.13m848×480/30fps103.5×64.2×19.9mm154g
PowerShot D1010m特記なし特記なし640×480/30fps103.6×66.9×48.8mm212g

 

スペックと操作性

・Optio W90

 搭載レンズは28-140mm相当の光学5倍ズーム。風景には使いやすいし、望遠側もまずまず。最短撮影距離はズーム全域50cmで、マクロ時はこれも全域で10cm。望遠で寄れるのはありがたい。また、焦点距離は固定となるが、レンズ前1cmまで寄れる1cmマクロ機能も備えており、レンズまわりのスペックは充実しているといえる。

 防水機能は、水深6mで連続120分まで。水中用の撮影モードは静止画向けの「マーメード」と動画向けの「マーメードムービー」がある。また、砂浜や雪景色などの背景が明るい条件に対応する「サーフ&スノー」モードもある。

 シャッターボタンは軽くて押しやすい。背面のボタン類はクリック感はあるものの、重さはあまりなくて操作感もよく、好印象だった。バッテリーとカードスロットのカバーは、ロックレバーを押しながらスライドさせて開く方式。開けやすいうえに不用意に開く心配が少ないのはいいところだ。

Optio W90(正面)Optio W90(背面)
Optio W90(上面)
電源ボタンにはLEDが内蔵されていて、撮影可能な状態かどうかがひと目でわかるようになっている。シャッターボタンは軽くて押しやすい背面のボタン類も感触は軽め。露出補正はいちばん下のグリーンボタンから呼び出せるようになっている
ロックレバーを画面上方に押し上げながらカバーを右にスライドさせると開く。不用意に開く心配はあまりないし、軽い力で操作できる
静止画用の「マーメード」と動画用の「マーメードムービー」が用意されている

・FinePix XP10

 Optio W90やμTOUGH-8010同様に光学5倍ズームレンズを搭載しているが、広角端は36mm相当で少し物足りない。その分、望遠側は180mm相当まであるので一長一短ではある。最短撮影距離は広角端が60cm、望遠端が100cm。マクロ時は広角端は9cmまで寄れるが、望遠端は据え置き。もうひと頑張り欲しかった。

 防水は水深3mまでで連続120分まで。普通の人の素潜り程度には対応できるだろう。水中撮影向けの撮影モードは、水族館での撮影にも対応した「水中」を備える。また、陸上用には「ビーチ」モード、雪景色用の「スノー」モードもある。

 シャッターボタンは深めで硬い感触。少し重さもある。ズームボタンなどはゴムでカバーされており、指の腹で押す分にはいいが、爪の先で押そうとするとスイッチ部分を外してしまう(つまり、ちゃんと押せてない)こともあった。十字キーもサイズが小さいうえにまわりがゴムでカバーされているため、押しづらく感じた。反面、バッテリーとカードスロットのカバーはOptio W90と同様の方式でとてもやりやすかった。

FinePix XP10(正面)FinePix XP10(背面)

FinePix XP10(上面)

シャッターボタンは少し硬くて深い。電源スイッチはブルーのLEDを内蔵。電源のオン、オフがわかりやすい十字キー以外はゴムでカバーされていて、爪の先だと押しそこなうことがある。十字キーはまわりのラバーに邪魔されて押しづらい感じ
Optio W90同様、ロックレバーをスライドさせながらカバーをスライドさせる方式。開けやすいし不用意に開く心配が少ない。動画撮影にも対応した「水中」モードのほか、陸上用の「ビーチ」、「スノー」モードもある

・LUMIX DMC-FT2

 搭載レンズはライカブランドの28-128mm相当の約4.7倍ズーム。最短撮影距離はズーム全域で30cmとなかなかのスペック。マクロ時は広角端で5cmまで寄れるが、望遠端は据え置き。けして悪くはないが、もうちょっと感は否めない。

 水深10mまでで連続60分までというスペック。水深3m以上の水中用の撮影モードとして「水中」が用意されている。また、動画にも対応した「ビーチ&サーフ」モードもあり、こちらは水深3m以内の水中および陸上用となっているほか、雪景色用の「雪」モードもある。

 シャッターボタンやズームレバーは軽くて押しやすい。背面の十字キーなどははっきりしたクリック感があり、やや硬めながら重さはそれほどでもない。バッテリーとカードスロットのカバーはグレーのロックレバーをスライドさせて、さらに黒いレバーをスライドさせることで開く。カバーにはスプリングが内蔵されているので楽に開いてくれる。また、操作も確実に行なえる。

DMC-FT2(正面)DMC-FT2(背面)
DMC-FT2(上面)
シャッターボタンは滑り止めのパターンが刻まれている。シーソータイプのズームレバーも軽くて押しやすい背面のボタン類は少し硬くてはっきりしたクリック感がある。また、少し滑りやすいような気もするが、押しづらいとは感じない
グレーと黒のロックレバーで確実な操作ができる。カバーはスプリングで跳ね上がるので、とても楽に開くことができる「水中」や「ビーチ&サーフ」、「雪」モードを選ぶと、砂や毛髪などの異物がカバー部に挟まっていないかどうかを確認する画面が表示される

・DSC-TX5

 7機種中もっともワイドな光学4倍ズームレンズはカールツァイスブランドの25-100mm相当。広角好きにはうれしいスペックといえる。最短撮影距離は広角端で8cm(これはまずまず)、望遠端50cm(こっちはもうちょっと)でマクロ切り替えなしで寄れる。また、拡大鏡モードではレンズ前1cmまでの近接撮影が可能だ。

 3mまで、連続60分までというスペック。水中用の撮影モードとしては「水中」が用意されている。また、陸上用には「ビーチ」モード、雪景色用の「スノー」モードがある。

 シャッターボタンは軽くて押しやすい。ズームレバーはとても小さいものの、操作性は見た目よりもずっといい。一方、液晶モニターのタッチパネルは反応がもうちょっと鈍い感じで、素早い操作は難しい。バッテリーとカードスロットのカバーはロックレバーをスライドさせるだけの簡単なもの。スプリングで開くのでらくちんだが、不用意に開いてしまう心配はあまりなさそうに思う。

DSC-TX5(正面)DSC-TX5(背面)
DSC-TX5(上面)
シャッターボタンの押し心地は軽くていい感じ。ズームレバーは小さいが、見た目よりも操作性はいいメニューなどのほとんどの操作はタッチパネルで行なう。反応は少々鈍く、レスポンスを重視する人だと不満を感じるかもしれない
黒いロックレバーを画面左方向にスライドさせるとスプリングの力でカバーが跳ね上がる仕組み。7機種中でもっともシンプルな方式だ
水中用の「水中」のほか、陸上用には「ビーチ」、「スノー」モードが用意されている

・μTOUGH-8010

 レンズはOptio W90と同じく28-140mm相当の光学5倍ズームだが、開放F値が少し暗い。最短撮影距離はズーム全域で60cm。マクロ時は広角端で20cm、望遠端で50cmになり、スーパーマクロ時(焦点距離は固定となる)はレンズ前3cmまで。今回の7機種の中ではわりと寄れるほうだ。

 耐圧水深は10m、連続で60分までという仕様。撮影モードは、泳いでいる人物を撮るのに適した「水中スナップ」、近接撮影用の「水中マクロ」、水中の景色を撮るのに適した「水中ワイド1」、「水中ワイド2」がある。「水中ワイド2」はピント固定でタイムラグが短縮されるのでシャッターチャンスに強い。また、陸上用に「ビーチ&スノー」モードもある。

 シャッターボタンは心持ち重めに感じるが、手ブレを誘発するほどではない。背面のボタン類はわりと軽め。しかし、全体的にレスポンスがよくないので、気短な人にはおすすめしかねる。ズームボタンがかなり小さいのが少しだけ不満なところだ。バッテリーとカードスロットのカバーは、ダイヤル式のロックとレバー式のロックを併用したもので、やや面倒くさい気もするが、開閉自体はやりやすい。また、確実に操作できるので安心感も高い。

μTOUGH-8010(正面)μTOUGH-8010(背面)
μTOUGH-8010(上面)
シャッターボタンは少し重め。気になるほどではないが。電源ボタンに連動してレンズカバーが開閉する。実は防水タイプではめずらしい背面のボタン類は軽めで操作感もいい。が、レスポンスがかなりよくないのでストレスも多い。起動時間もかなり長め
ダイヤル式とレバー式の2つのロックを備える。いかついし、ちょっと面倒だが、開閉はしやすいし、確実で安心感が持てる
「水中スナップ」、「水中ワイド1」、「水中ワイド2」、「水中マクロ」と水中用のモードが4種類もある。陸上用の「ビーチ&スノー」もある

・EXILIM G EX-G1

 19.9mmという薄さが影響しているのかもしれないが、レンズは38-114mm相当で、7機種中もっとも広角端の画角が狭い。最短撮影距離は広角端で10cmという数字しか公表されていないが、試してみたところでは望遠端で50cmだった。

 防水スペックは、水深3mまで、連続60分まで。水中用の撮影モードとしては「水中」がある。陸上用では砂浜向けの「ビーチ」モード、雪景色向けの「スノー」モードがある。

 ゴムにおおわれたシャッターボタンは軽い感触で押しやすい。ほかのボタン類はクリック感がはっきりしているが、重さはない。カードスロットのカバーは腕時計の竜頭のような形のダイヤルで容易に開閉できるが、バッテリー室のカバーは非常に開きづらい。小さなロックレバーをカバーと反対方向にスライドさせながら、カバーを爪で持ち上げるのだが、パッキンのせいで素直に開いてくれない。充電のたびに爪が折れそうな怖さを感じるのはうれしくない。

EX-G1(正面)EX-G1(背面)
EX-G1(上面)
軽い感触のシャッターボタンはゴムでカバーされた滑り止め仕様。電源ボタンにも滑り止めの刻み目がある背面のボタン類はかちっとしたクリック感があるが、重いわけではなく、操作性は良好だ
いちばん気になったのがここ。バッテリー室のカバーはパッキンが内部にはまり込む構造のためにとても開けづらい水中用の「水中」のほか、陸上用の「ビーチ」、「スノー」モードがある

・PowerShot D10

 レンズは35-105mm相当の光学3倍ズームで、広角も望遠も物足りなさを感じる。が、広角端はF2.8と明るめなのはいい。最短撮影距離はズーム全域で30cm、マクロ時は広角端でレンズ前3cmまで寄れる。スペック表によると38×28mmの範囲を画面いっぱいに撮影できる。

 防水は水深10mまでで、連続使用時間についての記述はない。が、「使用後のお手入れの注意」として、「塩分を落とすために真水に数時間つけておく」とあり(ほかの機種は5分から10分程度と書かれている)、ほかの機種よりも長時間の使用が可能なようだ(まあ、連続で2時間以上潜っていられる人がどれくらいいるかは微妙ですけど)。水中用の撮影モードは「水中」があり、ほかに水槽の中の生き物を撮るのに適した「水族館」モード、砂浜向けの「ビーチ」モード、雪景色向けの「スノー」がある。

 シャッターボタンはやや深めで感触も重め。メニューやズームボタンなどはわりと大きめで、重めではあるが押しづらさはない。ただし、十字キーは中央に向かってくぼんだ形状のせいもあって、押しづらいと思った。バッテリーとカードスロットのカバーは、ロックレバーをスライドさせながらふたを開く方式。ロックレバーも硬いし、カバー自体も開きづらく、爪の弱い人は要注意だ。

PowerShot D10(正面)PowerShot D10(背面)
PowerShot D10(上面)
シャッターボタンはやや深めで感触も重めだが、サイズが大きいので押しづらさはない。電源ボタンも大きめで手袋をしていても押しやすいズームボタンなども大きめだが、十字キーは小さめ。しかも、中央に向かってくぼんだ形状なので押しやすいとはいえない
ロックレバーを画面右方向に押しながら爪でカバーを持ち上げて開く方式。EX-G1よりはマシだが、やはり開きづらいのは難点だ「水中」モードのほか、「水族館」、「ビーチ」、「スノー」モードが用意されている

実写サンプル

  • 作例のサムネイルをクリックすると、別ウィンドウに800×600ピクセル前後に拡大して表示します。その後クリックした箇所をピクセル等倍(リサイズなし・補正なしの撮影画像)で表示します。

・画角

 日常の記録などの目的であれば35mm相当からのズームでも悪くはないが、風景や建築物などにはやはり28mm相当の広角が欲しくなる。一方では望遠の楽しさも忘れることはできないわけで、そうなると28-140mm相当のOptio W90やμTOUGH-8010、28-128mm相当のDMC-FT2あたりがいい。望遠が100mm相当止まりなのがちょっと不満だが、25mm相当からのDSC-TX5も広角好きにはアピール度が高いだろう。

Optio W90 / 4,000×3,000 / 1/400秒 / F4.2 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 5mmOptio W90 / 4,000×3,000 / 1/200秒 / F5.5 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 25mm

FinePix XP10 / 4,000×3,000 / 1/210秒 / F6.7 / −0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 6.6mmFinePix XP10 / 4,000×3,000 / 1/200秒 / F4.8 / −0.7EV / ISO100 / WB:太陽光 / 31.3mm

DMC-FT2 / 4,320×3,240 / 1/400秒 / F3.3 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 4.9mmDMC-FT2 / 4,320×3,240 / 1/100秒 / F5.9 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 22.8mm

DSC-TX5 / 3,648×2,736 / 1/800秒 / F4.5 / −0.7EV / ISO125 / WB:太陽光 / 4.4mmDSC-TX5 / 3,648×2,736 / 1/250秒 / F5.6 / −0.7EV / ISO125 / WB:太陽光 / 17.7mm

μTOUGH-8010 / 4,288×3,216 / 1/50秒 / F10 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 5mmμTOUGH-8010 / 4,288×3,216 / 1/100秒 / F5.9 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 25mm

EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/250秒 / F3.9 / −0.7EV / ISO64 / WB:太陽光 / 6.7mmEX-G1 / 4,000×3,000 / 1/125秒 / F5.4 / −0.7EV / ISO64 / WB:太陽光 / 20.0mm

PowerShot D10 / 4,000×3,000 / 1/640秒 / F2.8 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 6.2mmPowerShot D10 / 4,000×3,000 / 1/200秒 / F4.9 / −0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 18.6mm

・マクロ

 アップが撮れる度合いではOptio W90がトップでDSC-TX5が僅差の2位。どちらもレンズ前1cmまで寄れるが、カメラの影を避けるのはほとんど不可能だったりする。ただし、Optio W90はレンズの外周に3つのLEDを内蔵しており、マクロ撮影時の照明として利用できる。ほかに、μTOUGH-8010、DMC-FT2、EX-G1もLED照明を内蔵しているが、いずれもレンズ部脇に配置されている関係で、マクロ時には画面の左右で明るさの違いが出るし、影も気になりやすい。

Optio W90 / 4,000×3,000 / 1/10秒 / F3.8 / 0EV / ISO80 / WB:太陽光 / 6.1mm

FinePix XP10 / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F4 / +0.3EV / ISO100 / WB:太陽光 / 6.6mm

DMC-FT2 / 4,320×3,240 / 1/125秒 / F3.3 / 0EV / ISO80 / WB:太陽光 / 4.9mm

DSC-TX5 / 3,648×2,736 / 1/80秒 / F3.5 / +0.3EV / ISO125 / WB:太陽光 / 4.4mm

μTOUGH-8010 / 4,288×3,216 / 1/40秒 / F4.7 / +0.7EV / ISO80 / WB:太陽光 / 6.6mm

EX-G1 / 4,000×3,000 / 1/100秒 / F3.9 / 0EV / ISO64 / WB:太陽光 / 6.7mm

PowerShot D10 / 4,000×3,000 / 1/160秒 / F2.8 / 0EV / ISO80 / WB:太陽光 / 6.2mm

・感度

 最高感度はISO1600からISO6400までとスペックには差があるが、実力的にはそれほどでもない。いちばんはDSC-TX5で、裏面照射型CMOSセンサーの強みがあらわれており、ISO1600でもそこそこ実用に耐えそうな画質だ。ほかはおおむね、ISO400からISO800あたりが画質面で我慢できる限界といえる。

  • サムネイルはサンプルの一部を等倍で拡大したものです.クリックするとサンプル全体を800×600ピクセルに拡大、さらに任意の箇所をクリックで等倍に拡大できます。
Optio W90 / ISO80Optio W90 / ISO100Optio W90 / ISO200
Optio W90 / ISO400Optio W90 / ISO800Optio W90 / ISO1600
Optio / ISO3200Optio / ISO6400 

FinePix XP10 / ISO100FinePix XP10 / ISO20FinePix XP10 / ISO400
FinePix XP10 / ISO800FinePix XP10 / ISO1600 

DMC-FT2 / ISO80DMC-FT2 / ISO100DMC-FT2 / ISO200
DMC-FT2 / ISO400DMC-FT2 / ISO800DMC-FT2 / ISO1600
DMC-FT2 / ISO1600(高感度モード)  

DSC-TX5 / ISO125DSC-TX5 / ISO200DSC-TX5 / ISO400
DSC-TX5 / ISO800DSC-TX5 / ISO1600DSC-TX5 / ISO3200

μTOUGH-8010 / ISO80μTOUGH-8010 / ISO100μTOUGH-8010 / ISO200
μTOUGH-8010 / ISO400μTOUGH-8010 / ISO800μTOUGH-8010 / ISO1600

EX-G1 / ISO64EX-G1 / ISO100EX-G1 / ISO200
EX-G1 / ISO400EX-G1 / ISO800EX-G1 / ISO1600
EX-G1 / ISO3200  

PowerShot D10 / ISO80PowerShot D10 / ISO100PowerShot D10 / ISO200
PowerShot D10 / ISO400PowerShot D10 / ISO800PowerShot D10 / ISO1600

・動画

 7機種中、5機種が1280×720ピクセルで、EX-G1が848×480ピクセル、PowerShot D10は640×480ピクセル。いずれもフレームレートは30fpsだ。

 撮影は広角端でスタートして、10秒くらいから光学ズームを望遠端に切り替えている。Optio W90とPowerShot D10はデジタルズームのみ使用可なので、広角端固定のままとなっている。また、FinePix XP10はかなり盛大にメカ駆動音が入るし、ピントもボケたままなので、実質上は光学ズーム不可と考えていい。画質面ではDSC-TX5がもっとも良好で、動画性能を重視するならいちおしだろう。

  • サムネイルをクリックすると、撮影画像のダウンロードを開始します。
  • 再生方法についてのお問い合わせは受けかねます。ご了承ください。
Optio W90 / 1,280×720 / 30fps / 64.47MB / Motion JPEG / 26Mbps

FinePix XP10 / 1,280×720 / 30fps / 59.02MB / Motion JPEG / 22.58Mbps

DMC-FT2 / 1,280×720 / CCD出力30fps / 37.6MB / AVCHD Lite / SH:17Mbps

DSC-TX5 / 1,280×720 / 30fps / 22.6MB / MPEG-4 Video / 8.79Mbps

μTOUGH-8010 / 1,280×720 / 30fps / 22.9MB / H.264 / 9.08Mbps

EX-G1 / 848×484 / 30fps / 32.9MB / Motion JPEG / 13.1Mbps

Powershot D10 / 640×480 / 30fps / 24.85MB / H.264 / 11.83Mbps

各社それぞれのキャラクター。好みに合わせた選び方を

 ちょっと前までは、防水・耐衝撃デジタルカメラといえばペンタックスかオリンパスからしか発売されていなかったのが、最近はずいぶん選択の幅が広がってきて、カタログを見ながら比較するのが楽しい状況といえる。

 ガチンコでタフネスを競うなら10m防水+耐衝撃2m+耐荷重100kgfを誇るμTOUGH-8010がトップだが、防水性だけならDMC-FT2やPowerShot D10も10mまでいける。とはいえ、海辺やプールで泳ぐ程度なら3m防水でも十分だし、それよりは、普段の使用状況で不満が出ないかどうかを重視するのも手。見た目ももちろん無視はできない。

 ごつい系が好みならOptio W90やμTOUGH-8010、DMC-FT2あたり。それにごろんとして大きいのが難点ながら、夏冬のアウトドア限定と割り切れるならPowerShot D10もある(手袋したまま電源オン、シャッターを切るという作業がやりやすいのがこれ)。デザインが好きならEX-G1もかなりいい。反対に、普段使い方向に振ったのがDSC-TX5やOptio W90。いかにもなアウトドアくささを避けたい人には好適だ。

 個人的には広角(とズームのレンジの広さ)、寄れるかどうかといったレンズのスペックやレスポンスのよさを重視するたちなので、総合的に見るとOptio W90やDMC-FT2あたりがいちおしかなぁ、という感じ。でも、25mm相当のワイドに加えてスイングパノラマという飛び道具も隠し持っているDSC-TX5も魅力的だ。





北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2010/6/28 12:21