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ニコンD810
2年ぶりにモデルチェンジした最新フルサイズ機
Reported by 本誌:鈴木誠(2014/7/1 08:00)
ニコンが7月中旬に発売するデジタル一眼レフカメラ「D810」をお借りできたため、外観と画面写真を中心にお届けする。詳細な製品レビューは近日掲載する予定だ。
D810は、有効約3,635万画素・35mmフルサイズ相当のCMOSセンサーを搭載する中級機。高画素センサーの描写が話題を呼び、発売以来品薄が続いた「D800」(2012年3月発売)および「D800E」(2012年4月発売)の後継となる。実勢価格はボディのみで税込35万円前後。
外観は、グリップ部やペンタ部まわりなど、よく見ると形状が異なっている。背面ボタン配置も、新設ボタンがあったり、測光モードダイヤルの代わりにボタン+ダイヤル操作になったり、小変更が見られる。バッテリーおよびマルチパワーバッテリーパックはD800/D800Eと共用。
また、最低感度を近年のデジタルカメラでは珍しいISO64と低く設定したのもポイント。擬似的な減感といえる拡張感度ではなく、センサーのダイナミックレンジをフルに活かせる通常撮影時の最低感度がISO64になったのが特徴だ。
D810は、同社フルサイズ(ニコンFXフォーマット)機の中では、プロ仕様の最上位モデル「D4S」(66万円前後。ボディのみ・税込実売価格。以下同)と、FX機では最も手頃な「D610」(18万円前後)の間に位置する。現行FX機にはクラシカルな見た目と操作性が特徴の「Df」(28万円前後)もあるが、こちらは他機種との単純比較が難しい存在だ。
D810では静音化のためにミラーのアップダウンをモーター駆動にしたほか、ミラーバランサーの新設計も行なったという。シャッター音は明らかに静かになったと実感できるレベル。D800を明るめの音色とすると、D610のように暗く控えめだが、動作感はD4のようにタイトと感じた。
新機能の「ハイライト重点測光」とあわせ、舞台撮影のようなシーンで威力を発揮するとしている。また、超望遠撮影など微細なブレが目立つシーンで有効という機構ブレを低減するため、電子先幕シャッターも利用可能とした。
新たに「グループエリアAF」が可能になったAF周りは、新モジュールを採用。アルゴリズムも見直している。
ライブビュー撮影には「2点拡大」を追加。水平線や建築物など、画像の左右端をそれぞれ拡大して並べ、厳密な水平を見られる機能。広角レンズやPCニッコール使用時の、奥行きがある2点のピント確認にも活用できる。拡大時の表示が精細になったのも嬉しい。
引き続き、詳細な機能・実写レビューにご期待いただきたい。