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ライカM-Pセット “CORRESPONDENT” By Lenny Kravitz

ユーズド加工の限定ライカ

ライカカメラ社が3月に世界限定125セットで発売した「ライカM-Pセット “CORRESPONDENT” By Lenny Kravitz」の開封に立ち会う機会があったため、その様子を撮影してきた。

同製品は、レニー・クラヴィッツとライカのコラボレーションによる限定モデル。独特の外観に仕上げたデジタルレンジファインダーカメラ「ライカM-P」に、35mmと50mmのレンズを組み合わせ、特別なストラップなどとセットで専用ケースに収めた。国内価格は税込351万円。

使い込まれたカメラのような質感を目指した製品だが、コレクターズアイテムとしての側面もある。剥がれ具合も含めて出荷時の状態を尊重すべく、今回はライカストアのスタッフが手にしたところを撮影させてもらった。

ブラックペイントのボディは、トップカバーとベースプレートの全体にツヤがあり、エッジや指が触れそうな部分を中心に、真鍮の地色が覗いている。レンズは、操作リングのローレット部分を中心にペイントを剥がし、オールド感を狙ったようだ。

ズミルックスM f1.4/50mm ASPH.
通常品と異なり、1959年登場の初代ズミルックスをイメージしたデザインの鏡胴。レンズ系は現行ASPH.と同じだが、フィルター径が通常モデルの46mmと異なっている
オリジナルにならい、フードは外付け式に
ズミクロンM f2/35mm ASPH.
こちらの外観は現行の通常品に近い
ピントレバー周辺。指掛けをつまんで操作する人を想定したであろう、この剥がし方
通常品では角形フードだが、限定モデルだと丸形スリットタイプ。どちらも捨てがたい

これらのペイント剥がれは手作業による人工的なもの。オールドライカに憧れる目で見れば不自然な部分もあるが、普通の人が遠目に見れば「使い込まれた古そうなカメラ」であり、それがこのモデルの本来の狙いだろう。いわゆるユーズド加工だ。

セット一式が専用のケースに収まる。これが袋に包まれ、ライカの銀色の化粧箱(大きさはライカMの4倍ぐらい)に入り、さらに運搬用の白い箱に守られる

こうしたユーズド感の研究が進んでいる分野のひとつにエレクトリックギターがある。鍵束を木のボディに打ち付けて打痕を作ったり、表面のラッカー塗装に冷却スプレーを吹いてひび割れを起こさせるなど様々なテクニックがあり、その究極形として「エリック・クラプトンの愛機をキズひとつまで完全再現」といった製品が存在する。

ライカカメラ社も、もしそうしたノウハウを蓄積していったとしたら、例えば「あの写真家のライカをキズまで完全再現」といった大掛かりなモデルを作る可能性もゼロではない。

むしろ、このところ“200万円オーバーの液晶なしデジカメ”、“フルメカニカルの新型カメラ”、“くまモンのライカ”で人々を挑発しつづけてきたライカが、それほど突き抜けた企画をやらずしてどうするのか、とさえ思うほどである(自分が買うかは、さておき)。

(本誌:鈴木誠)