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キヤノンEOS 70D

新機構のライブビューAFを試す

 キヤノンが8月29日に発売するデジタル一眼レフカメラ「EOS 70D」のベータ機をお借りできたため、外観と画面写真を中心にお届けする。実写を交えた詳細なレビューは後日に掲載する予定だ。

 EOS 70D最大の特徴は、新機構の像面位相差AF「デュアルピクセルCMOS AF」だ。各画素が2つのフォトダイオードから構成されており、AF時はそれぞれの信号を検出して位相差AFを行ない、撮像時は2つのフォトダイオードを合わせて1画素として信号出力するという。

 これまで多くのデジタル一眼レフカメラにおいて、ライブビュー時のAFは一般的なコンパクトデジタルカメラにも多く見られるコントラスト検出式で行なっていた。レンズを前後に駆動しながら被写体のコントラストが最も高くなる位置を探す方式だ。

 一方、多くのデジタル一眼レフカメラでファインダー撮影時に利用している位相差AFは、レンズに入った光を専用のAFセンサーに導き、被写体までの距離を割り出し、その位置まで一気にレンズを駆動する。

 上に述べたように位相差AFとコントラストAFではレンズの動かし方が異なるため、位相差AF向けに設計された一眼レフカメラ用レンズでコントラストAFを利用すると、それに最適化されていないためにレンズ駆動が遅く、“一眼レフはライブビューのAFが遅い”と言われていた。コントラストAFを前提に開発されたミラーレスカメラ用のレンズでは、それに向けた設計がなされているため、一眼レフ用レンズを使うよりスムーズなAFが可能になっている。

 ちなみに、かつて一部のデジタル一眼レフカメラにはライブビュー時専用のAFセンサーも別に搭載している機種があったが、その場合はトレードオフとしてライブビューの視野率が100%を切っていた。ソニーが後にAマウント機で採用した「トランスルーセントミラー・テクノロジー」では、固定式の半透過ミラーを用いてライブビュー中も常時AFセンサーが使えるようにしていたものの、測距点配置の自由度が後発のEOS 70Dに譲る。

 近年では撮像素子の画素の一部を位相差検出用とし、撮影後にその部分をデジタル処理で補うことで、ライブビュー時の位相差AFと視野率100%が両立する「像面位相差AF」がコンパクトデジタルカメラやミラーレスカメラを中心に広まっている。

 本機のデュアルピクセルCMOS AFでは、フレーム内の縦横それぞれ約80%の範囲の画素がすべて位相差検出と撮像の機能を備えている。ライブビューでありながら、最終合焦までフォーカスの前後動なく持ち込むのはスムーズでとても心地よい。本稿執筆時点で同AFの対応レンズは103本としており、筆者の手元にあった「EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS USM」や「EF 70-200mm F4L IS USM」でもスムーズなAFを利用できた。なお、従来のEOS DIGITALにあった、ミラーダウンを伴うクイックAFも引き続き搭載する。

ライブビューAFの様子を別のカメラで撮影(EOS 70Dベータ機+EF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM)

 撮像素子のスペックは、APS-Cサイズ相当の有効2,020万画素。EOS 60Dの有効1,800万画素から向上した。ライブビューAF以外の仕様も、19点オールクロス測距、7コマ/秒の連写などEOS 60Dより充実している。Wi-Fi機能の搭載もトピックだ。ミラー駆動とシャッターチャージを低速で行なう静音撮影モードも搭載している。露出補正幅は±5段。可動式の液晶モニターはタッチパネルになった。

 ボディのサイズ感はEOS 60Dと変わらない。エントリークラスに比べて余裕ある大きさのグリップは持ちやすく、撮影時に安心できる。

EOS 70D。レンズはEF-S 18-135mm F3.5-5.6 IS STM
バッテリーはEOS 60Dなどと共通の「LP-E6」
SDXC/SDHC/SDメモリーカードに対応

・EOS 60D(右)と比較

どちらの写真も左がEOS 70D、右がEOS 60D
シャッターボタン付近にEOS 60Dになかった測距エリア選択モード切り換えボタンが増えた
ダイヤル類のロック機構
ロックする対象を設定できる
タッチパネル式の可動式モニターを搭載

・撮影時の画面など

・ライブビュー

ライブ多点AFの合焦時

・メニュー画面

・再生画面

(本誌:鈴木誠)