デジタル一眼レフカメラといえば、銀塩カメラと同様に光学ファインダーをのぞいて撮影する、というのが基本スタイルだ。コンパクトデジタルカメラは、一部に光学ファインダーがあるカメラもあるが、普通は背面液晶モニターを見ながら撮影する形だが、一眼レフカメラは構造上、レンズから入った像を直接液晶モニターに表示することができないからだ。
こうした状況に対して、最近主流になってきたのがライブビュー機能だ。これは、コンパクトデジタルカメラのようにレンズから入った像を液晶画面に直接表示するための機能で、当初は限定的な機能で限られた用途のために利用されていたが、オリンパスの「E-330」が導入した「フルタイムライブビュー」が昨今の流れの先鞭となった。
当初はE-330以降、追随するメーカーが少なかったが、デジタル一眼レフにおける初心者層の拡大によって、「なぜコンパクトデジタルカメラのように液晶を見ながら撮影できないのか」という要望も多くなったこともあり、今春モデルではいよいよ主要メーカーすべてがライブビュー液晶を搭載した。
そこで今回は、各社のライブビュー機能を比較してみたい。あくまでも屋内における機能と操作性を重視した検証であり、液晶モニターの見え具合をはじめ、フィールドでの実際の使い勝手を加味すると、その評価は本稿と変わることだろう。ご了承いただきたい。
・今回試したデジタル一眼レフカメラ
※価格は執筆時の大手量販店のもの
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α350。発売は3月7日。実勢価格は9万円前後
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D300。2007年11月発売。実勢価格は23万円前後
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E-420。4月中旬発売予定。店頭予想価格は6万円前後の見込み
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EOS Kiss X2。3月21日発売。実勢価格は9万円前後
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K20D。3月7日発売。実勢価格は15万円前後
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LUMIX DMC-L10。2007年10月発売。実勢価格は8万円台前半
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■ 圧倒的なAF速度とコンパクトを超える使い勝手――α350
オリンパスと同様、ライブビュー撮影を重視したのがソニーの「α350」だ。液晶モニターが上下にチルトする可動式液晶を採用した点が特徴で、ハイアングル、ローアングルでの撮影に有利なのがポイントだ。液晶モニタは2.7型23万画素のクリアフォト液晶。他社のライブビューとは異なり、ライブビュー時の視野率が100%ではなく90%にとどまるのは、ライブビュー専用のイメージセンサーを搭載するためだろう。
ライブビューを起動するためには、本体上部にあるライブビュー切り替えスイッチを切り替えるだけ。明確に「LIVE VIEW」という表記があるため、分かりやすい。
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α350
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ペンタ部右上がLIVE VIEWスイッチ
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α350は、前述の通りライブビュー専用イメージセンサーを搭載。専用イメージセンサーが捉えた映像を背面液晶モニターにライブビュー画像として出力するため、ミラーダウンしたままライブビューが可能。AFは光学ファインダー使用時と同じもの、つまり位相差検出式を使う。過去にE-330が採用していた仕組みだが、これによってミラーの上下動を伴わずに高速・高精度な位相差AFを行なうことが可能になっている。9点クロスAFを利用可能だ。
他社が採用しているコントラストAFとは雲泥の差と言ってもいいほど、AFは高速。他社でも位相差AFは利用できるが、実際に撮影する時のようにいちいちミラーが上下してAFを行なうため騒々しいし、(心配することはないのかもしれないが)ミラーの耐久度が不安になる。その点、α350であればコンパクトデジタルカメラと同様に、そしてコンパクトデジタルカメラよりも高速・正確にピント合わせをしてくれるのがいい。
難点は拡大表示ができない点。本体右上に「スマートテレコンバーターボタン」が独立配置されており、これを押すと画面が1.4倍、2倍と拡大するのだが、これは単に画面を拡大してトリミングし、見かけ上の焦点距離を伸ばすための機能。コンパクトデジタルカメラには多く搭載されているもので、スマートテレコンバーターボタンはこれを利用するためのものだ。拡大中の表示画像は、トリミング後の画角を表しており、任意の箇所を拡大することはできない。
ライブビューを完全に解除せず、さまざまな撮影設定が可能。表示が一部隠れるものの、ライブビュー重視のコンセプトがよくわかるインターフェイスだ |
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撮影情報とヒストグラムの同時表示も可能
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スマートテレコンバーターで1.4倍、2倍の拡大表示ができるが、機能的には疑似光学ズームの表示イメージとなる |
拡大表示ができない場合、ライブビューで正確なMFを行なうのはかなり難しい。特に開放でのマクロ撮影などではほとんど不可能と言っていい。逆にいうと、α350ではコンパクトデジタルカメラのようにMFはあくまで緊急用として割り切り、AFでの利用を前提にしているのだろう。ただ、スマートテレコンバーターボタンを独立して使いやすい場所に配置するほどかどうかは疑問を感じた部分ではある。
いずれにしても、α350は常時活用できるライブビュー中のAFを備えており、可動式液晶とあわせ、今回比較したモデルの中では高い使い勝手を備えている。ライブビュー用センサーと可動式液晶のおかげで大型化せざるを得ないという欠点はあるが、デジタル一眼レフでありながらコンパクトデジタルカメラの使い勝手を実現している。
■ 上位モデルらしくじっくり使いたい――D300
他社とは異なり、エントリーモデルではなく上位モデルでライブビューに対応しているのがニコン。そのため、基本的には普段の撮影でライブビューを使う、というよりも、三脚撮影などの限定的なシーンでの利用を想定しているようだ。液晶モニターは、3型92万画素低温ポリシリコンTFT液晶。
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ライブビュー中のD300
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ライブビューを使う場合はLVに合わせておく
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中上級者向けの「D300」では、ライブビューを行なう際にレリーズモードダイヤルをライブビュー(LV)にセットし、シャッターボタンを全押しすることでライブビューに移行する。白状すると、初めて使った時に説明書を読まなければライブビューを利用できなかったのはこのD300だけだった。
D300のライブビューは「手持ち撮影モード」、「三脚撮影モード」の2つ。手持ち撮影では、シャッターボタン半押しで画面がブラックアウトして位相差AFでのピント合わせが行なわれる。そのままシャッターボタンを全押しすればシャッターが切れる。
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ライブビューモードは2つ。手持ち撮影が位相差AF、三脚撮影がコントラストAFが使える
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いずれのモードでも連続撮影が可能
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コントラストAFではAFが合うと測距枠が緑色になる
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撮影後は自動的にライブビューに復帰しないため、再びシャッターボタンを全押しする必要がある。ライブビュー移行がシャッターボタンと連動しているため、一度撮影して、ライブビューがオフになって忘れていた場合、通常の撮影をしようとしてシャッターボタンを押すとライブビューになってしまう、というミスも起こりそう。
三脚撮影モードでは、コントラストAFが利用できるためライブビュー状態のままAFが行なえる。AFを行なう場合はAF作動ボタン(AF-ON)ボタンを押す。AFポイントは自由に移動させることができる。三脚撮影モードもシャッターボタンを切るたびにライブビューが解除される。また、三脚撮影モードではピント位置を13倍まで6段階に拡大することができるが、手持ち撮影モードでは拡大は3倍まで(上位モデルのD3は10倍まで拡大できる)。
ニコンのライブビューは他社とは異なり、撮影するたびにライブビューが解除され、ライブビュー準備状態になり、シャッターボタンを押すたびにミラーが上がってライブビューになる、という仕組み。
常時利用するというよりは、1枚撮影し、再生してピントや露出などをチェック、さらに設定を変えて撮る、といった感じで、じっくり撮影するようなシーンを想定しているのだろう。あくまで光学ファインダーの撮影が主で、マクロ撮影のようなシーンでの補助として使うのが良さそうだ。
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手持ち撮影モードでは3倍まで拡大表示が可能
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三脚撮影モードだと10倍まで。測距枠も大きくなり、ピントが合うと緑色になる
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■ 手慣れた操作感に新システムを追加――E-420
冒頭の通り、フルタイムライブビューの先駆けとなったオリンパス。最新機種の「E-420」は、これまでのライブビューを大幅に進化させている。上位モデルの「E-3」では可動式の液晶モニターを採用していたが、サイズを優先させたE-420では固定式を利用。液晶モニターは2.7型約23万画素のハイパークリスタルII液晶だ。
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ライブビュー中のE-420
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背面のライブビューボタン(十字ボタン左上)から起動する
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ライブビューを起動するには本体背面、十字キー上にあるライブビューボタンを押す。ライブビューモードになると、あとは常時ライブビュー撮影になり、シャッターを切ったあともライブビューに戻り、オートパワーオフになっても、シャッターボタン半押しでカメラ起動→ライブビュー復帰という形になる。
ミラーの上下が伴うため、ライブビュー移行時、撮影時ともにショックと音は大きめ。とはいえ、特にE-420の動作ショックだけが大きいわけではない。また、基本的な撮影設定はスーパーコンパネからすべてライブビュー状態のまま行なえるので使いやすい。
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AFが合うと一瞬だけAF測距枠が表示され、右上に緑のマークが出る
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ハイスピードイメージャAFのAFポイントは自由に動かせる
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ハイスピードイメージャAF時は11点AFになる
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E-420のライブビューにおける最大の特徴は、オリンパスとして初めて、コンパクトデジタルカメラと同じコントラスト方式のAF「ハイスピードイメージャAF」をサポートしたことだろう。シャッターボタン半押しでのAFも可能。レンズ側の対応が必要だが、これまでのミラーダウンを伴う撮影動作が一変したわけだ。ハイスピードイメージャAFは、ZUIKO DIGITAL 14-45mm F3.5-5.6、ZUIKO DIGITAL ED 40-150mm F4-5.6、ZUIKO DIGITAL 25mm F2.8の3製品で利用できる。
対応レンズ以外では、シャッターボタン半押しでおおよその測距をコントラストAFで行ない、全押しした際にAFセンサーによる位相差AFを行なう「ハイブリッドAF」になる。ハイスピードイメージャAFの場合は11点AF、それ以外の場合は3点AFとなる。
顔検出AF/AEにも対応。最大8人までの顔を検出し、顔にピントを合わせることも可能。また、MF時のピント位置は自由に移動させることができるほか、ピント位置は7倍、10倍と拡大できるので、MF時も正確なフォーカシングが可能になっている。
対応レンズが必要な代わりに、ハイスピードイメージャAFは従来のコントラストAFよりも高速で、スピードは位相差AFにはまだ及ばない印象だったが十分に実用的なレベル。E-330のようにAF専用センサーを搭載すれば高速AFも可能だろうが、ボディの大型化は避けられず、超小型と高速AFを両立させるという意味では間違っていないと思う。
ホワイトバランスや露出補正の結果を事前に一覧して選択しやすくするパーフェクトショットプレビューのようなライブビューを生かした機能を備えるほか、ライブビューを解除しなくても各種撮影設定が変更できるなど、高い使い勝手を実現している。
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撮影イメージを事前に把握しやすいパーフェクトショットプレビュー
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露出補正とホワイトバランスの違いを確認できる
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ライブビューを解除しなくても、液晶画面上で撮影設定を変更できる
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罫線表示も3種類から選べる。写真は「方眼」
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罫線のひとつ「黄金分割」
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罫線のひとつ「目盛」
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■ 完成度が増したキヤノン式ライブビュー――EOS Kiss X2
キヤノンの「EOS Kiss X2」は、同じくライブビューを搭載した「EOS 40D」から新たにコントラストAFに対応。液晶モニターは3型約23万画素で、液晶サイズは現行モデルでも最大クラスだ。
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ライブビュー中のEOS Kiss X2
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ライブビューを行なうには「ライブビュー機能設定」からライブビュー撮影を「する」にしておく
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ライブビューを起動するには、本体背面十字キー中央のSETボタンを押す。するとミラーが上がって、ライブビューが起動する。撮影後は自動的にライブビューに復帰するが、メニューや再生画面、オートパワーオフした場合などはライブビューに自動復帰しない。
モードはクイックモード(位相差AF)とライブモード(コントラストAF)の2種類。クイックモードの撮影時は、背面右上のAE/AFロックボタンを押すことでミラーが下がって画面がブラックアウトし、位相差AFが行なわれる。AE/AFロックボタンボタンを離すと再びミラーが上がってライブビューに復帰する。
コントラストAFもサポートしているが、位相差AFに比べるとスピードは遅く、被写体によってはAFが迷うこともある。AFポイントは十字キーで自由に動かすことが可能だ。
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コントラストAFを使う場合、カスタム設定からライブモードを設定する。ライブビューに関する設定が分離しているのはちょっと使いづらい
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コントラストAFでピントが合うとAF枠が緑になる
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AFポイントは十字キーで自由に移動できる
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MF用の拡大表示も可能で、背面右上の拡大ボタンを押すことで5倍、10倍に拡大できる。特にマクロ撮影の場合に威力を発揮し、画面も見やすいため10倍まで拡大すれば素早くほぼ完璧なMFが行なえる。
従来通りの使いやすいMF、位相差検出式の高速なAFに加え、コントラストAFも搭載したことで使い勝手がさらに向上した。全般的に機能はこなれており、高速で動き回る被写体でなければたいていのシーンで十分に活用できそうだ。
【2008年4月2日】初出時、静音モードの搭載とその説明の記述を行ないましたが、EOS Kiss X2に静音モードは搭載されていません。お詫びして訂正いたします。
拡大表示は5倍、10倍。この2段階はバランスがいい |
グリッドラインの表示やヒストグラムの表示なども可能 |
■ ペンタックス初のライブビュー――「K20D」
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ライブビュー中のK20D
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ペンタックスの「K20D」は、現時点で同社唯一のライブビュー対応機。下位モデルの「K200D」にライブビューは搭載されていない。ライブビュー時のAFは位相差検出式。液晶モニターは2.7型23万画素。
ライブビューを起動するには、電源スイッチをONの位置からさらに回し、絞りを表したマークの部分にあわせる。これまではデジタルプレビューが設置されていた位置にあり、デジタルプレビューの一種として搭載されたと考えれば良さそうだ。
K20Dのライブビューでは、背面のAFボタンを押すことでミラーが下がって画面がブラックアウトしてAF測距を行ない、ピントが合うと自動的にミラーが上がってライブビューが復帰する。たとえばEOS Kiss X2では、AE/AFロックボタンでAFを行なった場合、ピントが合ってもボタンを押している限り画面がブラックアウトしたままだが、K20Dなら明示的にピントが合ったことがわかって便利。
MF用の拡大表示も可能で、後電子ダイヤルを回すことで4倍、8倍に拡大できる。十字ボタンを使うことでピント位置を自由に移動させることも可能だ。K20Dでは、ライブビュー中の液晶モニタ上でもボディ内手ブレ補正機構「SR」の効果が反映されるため、ブレの少ない画面表示となり、拡大表示でのピント合わせがしやすい。そのほか、画面表示にはグリッドとAFフレームの表示・非表示を切り替えられる。
ライブビュー中は測距エリアやグリッド表示も可能。ほかの情報表示はなく、他社に比べるとシンプル |
気になったのは、ライブビュー中にはシャッタースピードや絞り値などが表示されないばかりか、設定もできないという点。MENUボタンやFnボタンでISO感度やホワイトバランスを設定しようとしても、ライブビューが解除されてしまうため、リアルタイムで効果を確認する、ということができない。
これには、ペンタックスのライブビューへのポリシーがありそうだ。K20Dでは、電源スイッチで起動できる機能としてライブビュー以外にもデジタルプレビュー、光学プレビューを設定することができる。つまり、ライブビューもあくまでプレビューの一種という位置づけなのではないだろうか。
あらかじめシャッタースピードや絞り、露出補正、ホワイトバランスといった設定を決めておき、ライブビューにして構図を確認、シャッターを切る、というような用途が一番良さそうだ。拡大表示でMFもしやすいため、基本的には三脚を使ったマクロ撮影で最も威力を発揮するだろう。
■ コンパクトの操作性をデジタル一眼で再現――LUMIX DMC-L10
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ライブビュー中のLUMIX DMC-L10
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ソニーのα350と同じく、明確で分かりやすいライブビュー機能を搭載したのが「LUMIX DMC-L10」。最大の特徴が液晶画面が横に開いて上下に回転するバリアングル液晶モニターを採用した点。現在はオリンパスの「E-3」とこのDMC-L10だけ。上下に回転するため、より自由なアングルで撮影できるようになる。
ライブビューを起動するためには、本体左上のLIVE VIEWボタンを押す。液晶モニターは2.5型20.7万画素低温ポリシリコンTFT。他社に比べるとやや小さめだが、バリアングル液晶のためアングルの自由度は高い。
ライブビュー時は、コントラストAFをサポートし、シャッターボタン半押しでのAFが可能になっている。AFモードは豊富で、11点AF、9点AF、マルチAF、1点AFに加え、顔認識AFも搭載する。
顔検出をはじめ、コントラストAF時のAF方式は複数のものが用意されている |
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ピントが合うと測距枠と緑のアイコンで知らせてくれる
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位相差AFの場合、3点AFとなる。AFポイントを選ぶこともできる
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コントラストAFとはいえスピードはかなり高速で、オリンパスのE-420とほぼ同等の印象。E-420と同様に高速なAFのためにはレンズの対応も必要で、3月11日時点で「LEICA D VARIO-ELMAR 14-50mm F3.8-5.6 ASPH. XSM MEGA O.I.S.」、「LEICA D VARIO-ELMAR 14-150mm F3.5-5.6 ASPH. XSM MEGA O.I.S.」、「LEICA D SUMMILUX 25mm F1.4 ASPH.」の3本だけ。
コントラストAFを利用しない場合は、従来同様の位相差AFを利用することになる。AF測距スピードはこちらの方が速いが、ミラーのバタバタ音もあるし、レンズさえ対応していればコントラストAFの方が便利という印象だった。
ライブビュー時の機能も豊富で、ファインダー使用時は49分割測光だが、ライブビュー時は256分割インテリジェント評価測光が利用できるほか、被写体が動いている場合に自動的にISO感度を上げて被写体ブレを防ぐインテリジェントISO感度もライブビュー時のみ利用できる。
液晶モニターを見ながら設定を行なうことができる。Fnボタンを押すと上部に設定項目が並び、十字ボタンで機能設定ができるのやりやすい |
AFモードやISO感度などの撮影設定もライブビュー状態で変更できる。インタフェースはコンパクトデジタルカメラのLUMIXシリーズに近く、ライブビューを解消しない状態でほとんどの撮影設定が行なえる。もちろん、ホワイトバランスやフィルムモードを変更すると、リアルタイムで画面が変化する。
フォーカスエリアモードをMFにしてAFモードボタン→MENUボタンで画面が8倍に拡大でき、MFが行いやすい。そのほか、ヒストグラム、9分割の格子状ガイドライン表示に加え、十字のガイドライン表示も可能で、十字のガイドラインに関しては位置を自分で変更できる。
全体的に「コンパクトデジタルカメラの使い勝手」をよく追求しており、画面のインタフェースもコンパクトデジタルカメラのLUMIXシリーズに近づけているため、LUMIXユーザーなら違和感なく使えそう。顔検出、インテリジェントISO感度、アスペクト比16:9、EX光学ズームなどといったコンパクトデジタルカメラにあった機能を搭載した点も、そのあたりを強く意識しているようだ。
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画面の拡大は8倍。十分MFができるが、MF設定はやや煩雑で、基本的にはAFでの使用を想定しているようだ
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ちょっと面白いのが、コンパクトデジタルカメラにも搭載されているオートパワーLCDなどの存在。自動的に液晶モニターの明るさを上げる機能で、屋外でも見やすくなるという
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グリッド表示の例。ラインの位置を微調整する機能もある |
■ まとめ
各社とも、一通りライブビュー対応がすんで、それぞれ特徴が生まれている。特にコンパクトデジタルカメラのような使い勝手を目指しているのがオリンパス「E-420」、ソニー「α350」、パナソニック「DMC-L10」の3モデル。中上級者向けに利用範囲を限定して提案しているのがニコン「D300」、ペンタックス「K20D」、そしてオールマイティーなキヤノン「EOS Kiss X2」といった感じだろうか。
ライブビューは、一度使うと手放せなくなる機能ではある。ただし、基本的にデジタル一眼レフは光学ファインダーを使った方が便利ではある。バッテリー駆動時間についても、被写体をとらえた瞬間にシャッターを切るのは光学ファインダーの方が有利だ。
また、シャッターを切る場合にミラーがバタバタするのは一眼レフ特有で、この辺りはコンパクトデジタルカメラと同じ感覚では使えない。これに関してはEOS Kiss X2がもっとも音と衝撃が少なかった。
今回紹介したのは直接競合するカメラも、そうでないカメラもあるが、各社ともいろいろと特徴があるので、ライブビューを使う目的を考えて選ぶといいだろう。
ライブビューの主要機能比較
機種名 |
α350 |
D300 |
E-420 |
EOS Kiss X2 |
K20D |
LUMIX DMC-L10 |
メーカー名 |
ソニー |
ニコン |
オリンパス |
キヤノン |
ペンタックス |
パナソニック |
位相差AF |
名称 |
クイックAFライブビュー |
手持ち撮影モード |
全押しAF |
クイックモード |
ライブビュー |
位相差AF |
シャッターボタン半押しでのAF開始 |
○ |
― |
― |
― |
― |
○ |
測距点 |
9点 |
51点 |
3点 |
9点 |
11点 |
3点 |
対応AFレンズ |
全製品 |
全製品 |
全製品 |
全製品 |
全製品 |
全製品 |
コンティニュアスAF |
○ |
― |
― |
― |
― |
― |
コントラストAF |
名称 |
― |
三脚撮影モード |
ハイスピードイメージャAF |
ライブモード |
― |
コントラストAF |
シャッターボタン半押しでのAF開始 |
― |
○ |
○ |
― |
― |
○ |
測距点 |
― |
任意 |
11点 |
任意 |
― |
9点 |
対応AFレンズ |
― |
全製品 |
3製品 |
全製品 |
― |
3製品 |
顔検出 |
― |
― |
○ |
― |
― |
○ |
位相差/コントラスト併用AF |
名称 |
― |
― |
ハイブリッドAF |
― |
― |
― |
シャッターボタン半押しでのAF開始 |
― |
― |
○ |
― |
― |
― |
測距点 |
― |
― |
3点 |
― |
― |
― |
対応AFレンズ |
― |
― |
全製品 |
― |
― |
― |
MF |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
○ |
画面拡大率(MF時) |
― |
10倍 |
7倍 10倍 |
5倍 10倍 |
4倍 8倍 |
8倍 |
■ URL
ソニーα350関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7906.html
ニコンD300関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2007/08/24/6897.html
オリンパスE-420関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/03/14/8123.html
キヤノンEOS Kiss X2関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7809.html
ペンタックスK20D関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2008/02/05/7800.html
パナソニックLUMIX DMC-L10関連記事リンク集
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/dslr/2007/09/26/7096.html
小山 安博 某インターネット媒体の編集者からライターに転身。無節操な興味に従ってデジカメ、ケータイ、音楽プレーヤー、コンピュータセキュリティなどといったジャンルをつまみ食い。軽くて小さいものにむやみに愛情を感じるタイプ。デジカメ、音楽プレーヤー、PC……たいてい何か新しいものを欲しがっている。 |
2008/04/02 00:08
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