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【新製品レビュー】リコーCX2

〜300mm相当のズームレンズをコンパクトなボディに搭載
Reported by 中村文夫

CX2

 リコーのパーソナル向けデジタルカメラは、ビジネスとスタンダードの2種類に大きくクラス分けされている。今回レポートする「CX2」(9月11日発売)は、ビジネスの最上位に位置する新製品で、既発売の「CX1」(2009年3月発売)の後継機だ。最大の変更点は、CX1の28mm〜200mm相当に代わって28〜300mm(35mm判換算)に相当する高倍率ズームを搭載したこと。それにも関わらず、従来と変わらないコンパクトさをキープ。スイッチをオフにすると鏡筒が完全に収納されるスマートなデザインも受け継がれている。

 また、厚みを抑えたグリップとシャープなエッジを基調としたボディ上面のデザインも従来のまま。よく見るとグリップの貼り革の模様が違うだけで、全体から受ける印象はほとんどCX1と変わらない。新製品らしさがあまり感じられないというデメリットがある反面、オーソドックスで飽きが来ないデザインと言うこともできる。


グリップには新たに滑り止めが付いた 液晶モニターは約92万ドットの3型
上面 ブラックのほか、シルバーやツートンカラーも用意する

ディストーションは画像処理で補正

左はフィルムカメラ時代に高倍率ズームレンズとして一世を風靡したタムロン28〜300mmズーム。CX2はコンパクトなボディに、このレンズと同じ画角のズームレンズを内蔵している

 すでに説明したように、CX2の最大の特徴は28〜300mmに相当するズームレンズを搭載したことだろう。ズーム比は10.7倍。ふだん使いには十分すぎるほどの焦点距離だ。CX1に比べるとレンズ鏡筒を支えるボディ側部材の直径が大きくなると同時に、ボディ厚が1.5mm、重量が5g増えているが、大きくなったという印象はまったく受けない。

 試しに、フィルムカメラ時代に一世を風靡したタムロンの28〜300mmズームを引っ張り出して並べてみたが、CX2のコンパクトさには、ただ目を見張るばかりだ。また、高倍率ズームに必ずつきまとうのが手ブレの問題だ。特にボディサイズの小さなコンパクトデジタルカメラは、フォールディングがしにくいので望遠撮影時に手ブレの危険性がさらに高まる。しかしCX2は、イメージセンサーシフト方式の手ブレ補正機構の採用でこの問題を解決。なおデジタルズーム使用時は、あまりにも焦点距離が長くなりすぎる(最高で1,620mm相当)ので、三脚を使用した方が良いだろう。

 このほか、高倍率ズームではディストーションも問題になりがちだ。特に広角側はディストーションが目立ちやすく、液晶モニターに写ったライブビュー画像を見ると明らかにディストーションが認められる。だが撮影した画像を見ると、ほとんど気にならないレベルまで補正されている。つまり画像処理の段階でディストーションを補正しているのだ。カタログには記載されていないが、広角撮影時の歪曲収差補正をないがしろにしないリコーの姿勢には好感が持てる。


手持ちでも使えるダイナミックレンジ拡大機能

ダイナミックレンジダブルショットには「AUTO」を追加

 有効画素数は929万。撮像素子や画像処理エンジンはCX1と同じだが、多くの機能に改良が加えられ性能がアップした。たとえば、露出を変えて撮影した2枚のカットを合成してダイナミックレンジの広い画像を得る「ダイナミックレンジダブルショット」モードにAUTOを追加。より簡単な操作で利用できるにようになった。このモードはHDR(ハイダイナミックレンジ)イメージと基本原理は同じだが、CX2は高速で連写するので、手ブレにさえ気を付ければ手持ち撮影も可能。わざわざ三脚を用意をする必要がないので気軽に利用でき、とても便利だ。

 このほか、使ってみて面白いと感じたのが、シーンモードに追加された「ミニチュアライズ」だ。このモードは大判カメラで使われるティルトというアオリ効果を画像処理によって再現したもので、実際の風景を撮影しても、まるでミニチュアの模型を撮影したように見える。リコー独自の機能ではないが、シャープに見えるエリアの幅や位置が設定できるほか、タテ/ヨコどちらの画面にも対応できるなど、コンパクトデジカメとは思えないほどの高機能だ。

 また撮影時に小さなモニターで見たときは、それほどでもないが、PCのディスプレイで表示させると、その効果がはっきりと分かる。このほか、コントラストの高いモノクロ撮影がきる「ハイコントラスト白黒」、顔認識機能を備えた「ポートレート」。ストロボ、AF補助光、操作音をまとめてオフにする「マナー」も追加された。


ミニチュアのように描写できる「ミニチュアライズ」 高感度のモノクロフィルムのような質感になる「ハイコントラスト白黒」

まとめ

 最初に説明したように、CXシリーズはスタンダードの最上位機で、絞り優先AEなど上級者向けの機能こそ搭載していないが、カメラマニアでないライトユーザーにとって必要十分な機能を装備している。

 CX2は、CX1の後継機という位置付けなので、基本性能にそれほど大きな違いはない。そのためCX1からの改良点を中心にレポートしたが、実際にCX2を使ってみて、地道な改良の大切さを実感した。プロフェッショナルシリーズの「GR DIGITAL」シリーズに比べると商品サイクルは短めだが、次々と新製品が登場するデジタルカメラ市場において、このCXシリーズは貴重な存在といえるだろう。

記録メディアはSDHC/SDメモリーカード バッテリーと充電器はCX1と共通

作例

※作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像を別ウィンドウで表示します。

・画角変化

3,456×2,592 / 1/760秒 / F3.5 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 4.9mm 3,456×2,592 / 1/870秒 / F4.3 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 8.7mm 3,456×2,592 / 1/810秒 / F4.6 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 14.8mm
3,456×2,592 / 1/870秒 / F4.5 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 34.9mm 3,456×2,592 / 1/620秒 / F5.6 / 0EV / ISO80 / WB:オート / 52.5mm  

・デジタルズーム

光学ズームの望遠端で撮影
3,456×2,592 / 1/290秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / プログラムAE / WB:オート / 52.5mm
デジタルズーム5.4倍で撮影
3,456×2,592 / 1/290秒 / F5.6 / 0EV / ISO148 / プログラムAE / WB:オート / 52.5mm

・歪曲収差

特に広角撮影時はモニター上で歪曲が目立つが、記録画像には補正されたデータが保存される
3,456×2,592 / 1/189秒 / F3.5 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 4.9mm

・高感度

共通データ:3,456×2,592 / F4.5 / 0EV / プログラムAE / WB:オート / 10.5mm

ISO400 ISO800 ISO1600

・マクロモード

 マクロ機能を選べば、広角側で最短1cm、望遠側で28cmまでの接写ができる。またシーンモードでズームマクロを選ぶと焦点距離が35mm換算で70mmの位置に固定され高倍率の接写ができる。

2,592×3,456 / 1/68秒 / F4.5 / 0EV / ISO109 / プログラムAE / WB:オート / 12.2mm 3,456×2,592 / 1/189秒 / F4.5 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 12.2mm

・1:1

 通常の4:3のほか、3:2や1:1のアスペクト比が選べる。特に1:1は正方形フォーマットなので、6×6判の中判カメラのような表現ができる。

2,592×2,592 / 1/104秒 / F4.8 / 0EV / ISO141 / プログラムAE / WB:オート / 18.3mm

・ダイナミックレンジダブルショット

 ダイナミックレンジダブルショットをオンにしたカットでは、シャドー部がつぶれることなく適度な明るさに再現された。

オン(オート)
2,592×3,456 / 1/64秒 / F4.5 / 0EV / ISO200 / プログラムAE / WB:オート / 12.2mm
オフ
2,592×3,456 / 1/64秒 / F4.5 / 0EV / ISO200 / プログラムAE / WB:オート / 12.2mm

・ミニチュアライズ

3,456×2,592 / 1/1,150秒 / F4.3 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 8.7mm 2,592×3,456 / 1/1,150秒 / F4 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 6mm
3,456×2,592 / 1/380秒 / F10.8 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 29.1mm

・ハイコントラスト白黒

3,456×2,592 / 1/52秒 / F4.3 / 0EV / ISO161 / プログラムAE / WB:オート / 8.7mm

・一般作例

3,456×2,592 / 1/380秒 / F7 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 4.9mm
広角側の画角が広い(35mm判換算で28mm相当)ので、本格的な広角撮影ができる
3,456×2,592 / 1/45秒 / F4.8 / 0EV / ISO200 / プログラムAE / WB:オート / 38.9mm
望遠側38.9mm(約220mm相当)で撮影
3,456×2,592 / 1/870秒 / F7.4 / 0EV / ISO80 / プログラムAE / WB:オート / 5.4mm
画像処理エンジンに搭載された「画像出力アルゴリズム」により、白とびを抑えた画像が得られる
2,592×3,456 / 1/55秒 / F4.5 / 0EV / ISO200 / プログラムAE / WB:オート / 34.9mm
AE/AF、AFターゲット移動機能を使えば、カメラを固定したまま任意の位置にピントが合わせられる
3,456×2,592 / 1/153秒 / F5.2 / 0EV / ISO1600 / プログラムAE / WB:オート / 44.5mm
最高感度のISO1600で撮影





中村文夫
(なかむら ふみお)1959年生まれ。学習院大学法学部卒業。カメラメーカー勤務を経て1996年にフォトグラファーとして独立。カメラ専門誌のハウツーやメカニズム記事の執筆を中心に、写真教室など、幅広い分野で活躍中。クラシックカメラに関する造詣も深く、所有するカメラは300台を超える。1998年よりカメラグランプリ選考委員。

2009/9/25 17:04


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