ポートレートの新しい教科書

第4回:トーンカーブを利用してビビッドでカラフルな色調で仕上げる

今回は具体的にレタッチの作業を見ていきます。トーンカーブはレベル補正よりも明るさや色み、色調などが細かく調整できるのが特徴。その汎用性の高さが魅力です。

完成画像。全体的にコントラストが強く、色にも深みがあります。トーンカーブを使った絵づくりは、カーブのつけ方でいかようにも描写の内容が変わるのも面白いところです。
元画像

RGBでコントラストを調整しビビッドな質感を出す

トーンカーブは斜めのラインをドラッグしながら持ち上げたり、下げたりしながら写真の明るさを調整する機能です。複数のポイントを選ぶことも可能で、これをS字にカーブするとコントラストを強めることができ、逆S字にするとコントラストを弱めることができます。また、チャンネルをRGBの各色に分けて表示でき、これを使って色みを変更することもできます。

完成画像はビビッドな質感と色みが印象的ですが、これはトーンカーブ内のRGBを調整したものです。このように各チャンネルのコントラストを変えると、独特の色みと共にメリハリのある力強い描写が演出できます。

なお、トーンカーブも0から255までの数値で表せるようになっています。カーブを微調整したい場合は、パネル内の「入力」「出力」の数値を変更してみましょう。細かく設定が行えます。

Step.1:レイヤーをコピーしトーンカーブでコントラストを強める

まずはレイヤーを複製(コピー)し名前をつけ(1)、その上でトーンカーブを色調補正から選びます(2)。上部の明るい部分を引き上げ暗い部分を下げて、少しだけカーブをS字に。コントラストを強めます。レイヤーの複製は右クリックもしくはメニュー内「レイヤー」から選択できます。

・トーンカーブの仕組み
トーンカーブは横軸が補正前、縦軸が補正後の明るさを示します。レベル補正同様、0を起点に255までの数値で補正の幅が決められ、また背後に表示されるヒストグラムを参考にカーブを調整できるようになっています。

Step.2:レッドのカーブをS字にする

RGBのチャンネルを「RGB」から「レッド」に変更し、またS字をつくります。少し赤みが増してコントラストも強まりました。なお、色みの変化はレベル補正と同じ。「レッド」は赤とシアンの間で色が変化します。

Step.3:グリーンのカーブをS字にする

ここでも同じようにS字をつくります。さらにコントラストが強まり、赤みと緑みがうまく混ざった独特の色みに変化しました。

Step.4:ブルーのカーブをS字にする

最後のチャンネル「ブルー」に切り替え、同じようにS字をつくります。コントラストは強いまま、色みの偏りが少なくなりました。

Step.5:露出と彩度を調整する(完成)

STEP4では全体的に顔が暗く見えたため、トーンカーブをもうひとつレイヤーで用意し明るめに調整。色調補正パネル内から「自然な彩度」を選び(1)、彩度をプラスし、ビビッドな質感で仕上げました。なお、トーンカーブほど細かな調整はできませんが、この描写はレベル補正でも似た演出が可能です。RGBごとに両サイドのスライダーを狭めるとビビッドな色調になります。

モデル:京美里(nikolaschka)

MdN刊「ポートレートの新しい教科書」(著:河野鉄平)税別2,200円。11月24日発売

本連載は、MdN刊「ポートレートの新しい教科書 きちんと学べる人物撮影のスタンダード」(著:河野鉄平)から抜粋・再構成しています。

初心者に向けた基礎知識から、屋外・屋内・スタジオでの撮影をそれぞれカバー。ライティングの組み方や、便利なライティングアクセサリーの使い方、撮影後のレタッチのワークフローまで総合的に紹介されている1冊です。

また、本書の発売を記念して「思いどおりのポートレートを撮る〜 『ポートレートの新しい教科書』発売記念セミナー 〜」が2016年1月16日(土)に開催されます。参加費1,000円、定員50名で参加申し込みを受け付けています。

(河野鉄平)