メーカー別「撒き餌レンズ」まとめ

パナソニック:LUMIX GM系ボディにフィットする小型軽量レンズたち

4回目を数える「撒き餌レンズまとめ」、今回はパナソニック編です。コンパクトでスタイリッシュで高画質な撒き餌レンズが揃うパナソニックですが、「撒き餌レンズを集めるだけで十分楽しめそう」といった感想を持ってしまうあたり、撒き餌レンズとは本来何なのか、はたしてこれを撒き餌レンズと呼んでよいものかと、軽く頭を抱え込むことになりそうです。

撒き餌レンズという民間にしか流布していない怪しげな定義をご存じない健全な方は、第1回「オリンパス:低価格でお買い得……なのに“PREMIUM”の実力派!で説明していますので、ぜひご一読を。(編集部)

「撒き餌レンズ」の認定基準(デジカメ Watch 独自解釈)

大手量販店の店頭価格が消費税込みで4万円程度を下まわっている。
現行のカメラメーカー純正レンズで、比較的明るい単焦点レンズである。
比較的発売時期が新しい、もしくは定評のある光学系を採用している。

パナソニックにおける撒き餌レンズの傾向

パナソニックのマイクロフォーサーズ用交換レンズは、単焦点、ズーム、3Dレンズを合わせて24本あり、そのうち撒き餌レンズの基準を満たすものは5本である。交換レンズ群の規模から考えれば、かなりの高率と言える。

もともと、パナソニックにはお手ごろ価格の交換レンズが多く、税別10万円を超えるものは実は4本しかない(ただし、税別9万5,000円のものが3本あるので、税込みでは7本となる)。

と言って、安手のレンズが多いわけではけしてない。5本の撒き餌レンズに9枚の非球面レンズが使用されているところを見れば(他社の撒き餌レンズ1本あたりの非球面レンズの使用枚数は平均0.77枚でしかないが、パナソニックは1.8枚と非常に高い数字である)、むしろ先進的な光学設計が多く用いられているのは理解できる。

にもかかわらず、比較的手の届きやすい価格のレンズが多いのだから、パナソニックの交換レンズ群全体が撒き餌的と言えるかもしれない。

さて、5本の撒き餌レンズのうち、LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.とLUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.の2本は薄型のパンケーキタイプで、35mm判換算28mm相当、40mm相当の画角を持つ。それぞれの前身は、LUMIX GF2(2010年12月発売)やLUMIX GF1(2009年9月発売)のキットレンズとしても発売されていた。

薄型ではないLUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.とLUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.の2本は、同じ焦点距離でより開放F値の明るいライカDGレンズが存在しているうえに、オリンパスからもほぼ同じ仕様のレンズが発売されている。つまり、最初から撒き餌レンズとして企画、開発されたものと言える。実売価格もオリンパスの2本を下まわっており、とても魅力的なレンズに仕上がっている。

標準域の画角を持つLUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.は、中望遠マクロのLEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.が高価なだけに(税別9万5,000円のレンズの1本である)、より手の届きやすい選択肢を求める声が多かったのだろう。実売価格はぎりぎりで撒き餌レンズの認定範囲に入る4万円を切っている。

なお、LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.はブラックのみだが、ほかの4本は、外観色をブラックとシルバーの2色から選ぶことができる。また、価格的には3D撮影用のG 12.5mm F12も範囲内だが、性格が特殊なうえ、F値も暗い(ピント固定のパンフォーカスである)こともあるので、ここでは触れない。

LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.

実勢価格:3万8,600円前後

LUMIX G MACRO 30mm / F2.8 ASPH. / MEGA O.I.S.

非球面レンズ1枚を含む9群9枚構成の光学系とインナーフォーカス方式を採用したマクロレンズで、35mm判の60mmに相当する長めの焦点距離を持つ標準マクロである。

最大径58.8mm、長さ63.5mm、重さ180gと、撒き餌レンズとしては大柄で重めではあるが、等倍(35mm判換算では2倍となる)まで寄れる近接撮影能力の高さ、光学式手ブレ補正機構も内蔵していることを考えれば文句は言えない。撒き餌レンズとしては、実売価格がそれほど安くないことだけは泣きどころである。

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LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.

実勢価格:3万5,500円前後

LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.(ブラック)
LUMIX G 14mm / F2.5 II ASPH.(シルバー)

AF機能を持つマイクロフォーサーズ用レンズでは最少、最軽量となる広角系パンケーキレンズで、2010年10月に発売された先代から、外観の意匠が変更されている。最大径55.5×長さ20.5mm、重さ55gという小型軽量を実現しており、LUMIX sGM系の本体との相性はよい。

光学系の5群6枚は、半数の3枚が非球面レンズで構成された凝ったもので、焦点調節には、高速性と静粛性に優れたインナーフォーカス方式を採用して動画への対応力を高めるなど、現代的な設計がなされている。

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LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.

実勢価格:3万3,200円前後

LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.(ブラック)
LUMIX G 20mm / F1.7 II ASPH.(シルバー)

やや広めの画角を持つ準標準レンズで、2009年9月に発売された先代から外観の意匠を変更している。

パンケーキタイプとしては明るいF1.7の開放F値を持ち、7枚羽根の円形絞りも採用している。そのおかげで、ボケを生かした画づくりが楽しめるのが魅力となっている。

光学系は5群7枚構成で、うち2枚が非球面レンズである。焦点調節は光学系全体が繰り出す方式であるため、AF駆動には若干の作動音がともなうので、動画撮影時には注意が必要となる。

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LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.

実勢価格:3万1,100円前後

LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.(ブラック)
LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.(シルバー)

35mm判換算で85mmに相当する中望遠レンズで、ほどほどの明るさと小型軽量さと手ごろな価格を兼ね備えている。

光学系は、非球面レンズ1枚を含む8群10枚構成を採用する。焦点調節は、迅速なAF駆動と作動音の静かさを合わせ持つインナーフォーカス方式。

最短撮影距離0.31m、最大撮影倍率0.2倍(35mm判換算では0.4倍に相当する)という近接能力の高さに加えて、光学式手ブレ補正機構の内蔵も大きな魅力となっている。

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LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.

実勢価格:2万6,300円前後

LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.(ブラック)
LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.(シルバー)

明るさを抑えて軽量化と低価格化をはかった標準レンズ。同じくパナソニックのLEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.との明るさの差は大きくはないが、実売価格は約半分となっている。

光学系は、超高屈折率(UHR)レンズ×1枚、非球面レンズ×2枚を含む7群8枚構成で、焦点調節にもインナーフォーカス方式を採用するなど、現代的な設計手法が盛り込まれている。

LUMIX G 42.5mm / F1.7 ASPH. / POWER O.I.S.と同様、レンズフードを装着するためのバヨネット爪を隠すためのデコレーションリングが同梱されている。

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北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら