私はこれを買いました!

わずか375gの軽量化が変えたスポーツ撮影——エクステンダーの恩恵も

RF70-200mm F2.8 L IS USM Z(高橋学)

年末恒例のお買い物企画として、写真家・ライターの皆さんに、2024年に購入したアイテムを1つだけ紹介していただきました。(編集部)

スポーツ撮影で実感した機動力の向上

「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」を購入してスポーツ、鉄道、飛行機などを撮影しています。

F2.8通しで全長固定、エクステンダー使用可能のズームレンズです。そして別売りのパワーズームアダプターを取り付けると、動画撮影に便利なスムーズなズーム操作が行えます。

遮熱塗装を使用した「ホワイト」と動画撮影などでレンズ自体の反射や写りこみ等に影響を及ぼさない「ブラック」の2色が発売されましたが、私は炎天下での撮影が多いので迷わず「ホワイト」に決めました。

同じ焦点距離のRFレンズには「RF70-200mm F2.8 L IS USM」(2019年11月発売)があります。こちらはズーミングすると鏡筒が伸縮する繰り出し式のズームレンズです。レンズ全長が146mmでコンパクト、約1,070gで軽量なのが特徴ですが、エクステンダーが使えないところが気になっていたところでした。

私はこれまで「EF70-200mm F2.8L IS II USM」にマウントアダプター「EF-EOS R」を使用して使ってました。その理由は素早いズーム操作とエクステンダーが使える点にありました。

「RF70-200mm F2.8 L IS USM Z」は「EF70-200mm F2.8L IS II USM」と比べると全長は変わりませんが、質量が375g軽くなり、持ち運びに余裕ができました。同時に購入した1.4倍のエクステンダーも便利です。エクステンダーは焦点距離をもう少し伸ばしたい時に持っていると重宝します。

私はサッカーの撮影で、ゴール前の攻防やゴールシーンを狙うためにEOS R5 Mark IIのボディにRF70-200mm F2.8 L IS USM Z+エクステンダー RF1.4×のレンズを付けています。これを使うと98-280mm F4として使えます。

またカメラ側でクロップ(約1.6倍)に切り替えれば156-448mm F4相当で撮れるので、この組み合わせの使用頻度が高いです。クロップの切り替えはレンズについているレンズファンクションボタンに割り当てていて、ファインダーをのぞきながらでもワンタッチでフルサイズとクロップを切り替えることが可能です。

羽田空港を離陸する政府専用機 石破首相が国連総会出席のためニューヨークに向けて飛び立ちました
キヤノン EOS R5 Mark II/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z + EXTENDER RF1.4x/280mm/マニュアル露出(1/1,600秒、F7.1)/ISO 200

それとズームリングがすごく軽いのも気に入っています。攻守の切り替えが速いフットサルの撮影では急なフレーミングの移動でも瞬時に被写体をとらえられます。動画撮影では手動でもスムーズなズーミングができるぐらい軽くズームリングを回せます。

東京2025世界陸上競技選手権大会(男子4×100mリレー予選)。桐生祥秀選手は第3走者で力走し決勝進出に貢献しました
キヤノン EOS R1/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z + EXTENDER RF1.4x/119mm/マニュアル露出(1/125秒、F4)/ISO 160

三脚座は小型で取り外しも簡単です。三脚に三脚座を残したまま素早くレンズを外すこともできて使い勝手が良いです。

フィルター径が82mmになっているのでPLやNDフィルターも後日購入しました。

これまで使用してきて、ズーム全域で高画質な画像が得られるのはもちろん、手ブレ補正の進化、ズーミングのしやすさ、エクステンダーの使用など、私の使用用途に合ったレンズだと実感しました。

多摩川を渡るドクターイエロー(東海道新幹線/新横浜〜品川間)
キヤノン EOS R3/RF70-200mm F2.8 L IS USM Z/70mm/マニュアル露出(1/2,500秒、F5)/ISO 640

近況報告

私が所属している一般社団法人日本スポーツプレス協会(AJPS)は来年創立50周年を迎えます。現在創立50周年記念のイベントを企画中です。

詳細が決まりましたらAJPSのWEBサイトなどで発信していく予定です。

高橋学

1975年、福島県福島市生まれ。父が新聞社のカメラマンをしていた影響で物心付いたころからカメラが好きになり、父と鉄道などを撮り始めた。高校卒業後は専門学校東京ビジュアルアーツ写真学科でスポーツフォトを専攻。1996年より有限会社ジャパンスポーツでスポーツカメラマンの仕事に就き、実績を重ねてフリーランスへ。現在はフィギュアスケート、フットサル、サッカー、陸上などの様々なスポーツ取材をしている。また、小さいころから好きな鉄道や飛行機なども撮影を続けている。日本スポーツプレス協会、国際スポーツプレス協会会員