気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

ニコンD600【第5回】

ユーザーセッティングとマイメニューは使い勝手の肝だと思う

 今回のお題は「ユーザーセッティング」と「マイメニュー」について。D600のモードダイヤルには「U1」と「U2」のポジションがあって、好みの機能のセットを登録しておける。登録できるのは、撮影メニューのうちの「記録フォルダー設定」、「ファイル名設定」、「撮像範囲」、「カスタムピクチャーコントロール」、「多重露出」、「インターバルタイマー撮影」以外の19項目とカスタムメニューの全項目の設定内容。それに加えて、露出モードや露出値(絞り値やシャッター速度、プログラムシフト量)から露出補正に調光補正、AFモードなんかまで記憶できる。

 筆者個人としては、露出モードとかまで縛られるのが好きではない部分だったりする。例えば、花なんかを撮るときには、たいていは絞り優先AEで撮るけれども、背景がうんと明るかったり暗かったりとかの極端なシーンではマニュアル露出に切り替えたい。露出モードが固定だと、そういう状況に対応できない。それが辛気くさいなぁと思ってしまう。

 でも、筆者が自宅でブツ撮りをするときは、マニュアル露出で感度自動制御なし、長秒時ノイズ低減がオンで、イルミネーター点灯、露出ディレーモードを2秒にセット、というふうにセッティングが決まっていて(プリセットマニュアルのホワイトバランス、画質モードはRAWのみとかもある)、しかもその状態から変更することがまずない条件では、ピンポイントでものすごく役に立ってくれる。

 D800やD4には、撮影メニューとカスタムメニューが各4セットずつ登録できる(しかも名前を付けられるので、判別がしやすいのがうれしいのだ)のと比べると、まあ、格下モデルなんだからしようがないよねぇという気持ちにはなってしまうが、ユーザーセッティングはユーザーセッティングで使いでのある機能だと思う。今のところ、前述のブツ撮り用セットを「U2」に登録しているだけだが、いざというとき用の「押せば写るぜ」的な準全自動セットでも作っておくといいかもしれないと思っている。

 もうひとつのマイメニューは、よく使うメニュー項目をまとめておける機能で、最大20項目まで登録できるうえに、ほとんどすべてのメニュー項目が対象(例外は「撮影メニューのリセット」、「カスタムメニューのリセット」、「ユーザーセッティングのリセット」と「カードの初期化」の4項目だけ)という広い守備範囲を持っているのがいいところ。

 同じ名前の機能はキヤノンも採用しているが、登録できるのが最大で6項目と少ないのが難点(基本的にメニュー画面はスクロールなしにしているので、1画面に収まる分しか登録できないのだ)。パナソニックのクイックメニューもカスタマイズ可能で、かつ最大15項目まで登録できるのはいいが、対象となる項目がかぎられてしまう。つまり、どちらも通常のメニューと併用しないといけないのが不満な点だ(ただし、キヤノンのは「マイメニューから表示」という便利なオプションがあるのと、「カード初期化」も登録対象なのはうらやましい点だ)。

 一方、ニコンのマイメニューは、例外は4項目だけだし、登録できる項目数も十分に多い。今どきのカメラはメニュー項目が多くて当たり前。D600も数えてみたら全部で130ほどあったりする。が、大半は初期設定のままでOKだったり、一度設定したらあとはもうよほどのことがないかぎり変更する必要がなかったりする。つまり、よく使う項目はそんなに多くないのである。

 例えば、D600のカスタムメニューは全部で51項目あるが、そのうち筆者が頻繁に設定を変更するのは「d10 露出ディレーモード」ぐらいのものだったりする。あとはときどき「d9 イルミネーター点灯」や「c1 半押しAEロック」、「f4 AE/AFロックボタンの機能」、「a3 AFロックオン」をいじることもあるといった具合。残りの46項目はというと、いらないわけじゃないのだけれど、滅多に使わないものばかり。ほんとは引き出しにでも押し込んでおきたいところなのだがそれができないから、結果として操作の手数を増やすだけの邪魔ものになってしまっている。あげく、「あれはどこにあるんだっけ……、ええと、ここじゃないし、ここでもないし……」みたいなことになる。まあ、そういうのがメニューの実情なのではないかと思う。

 で、マイメニューによく使う項目とときどき使う項目を登録する。そうすると、普段は使わない46項目を除外した、5項目だけのカスタムメニューができあがる。ひと目見ただけで全部把握できるから見とおしは抜群だし、操作の手数も少ない。そこのところが楽ちん便利なのである。ほかのメニューのよく使う項目も全部まとめてマイメニューに登録してしまえば、マイメニューだけで操作が完結できる。快適なのだ。

マイメニューに登録できるのは、各メニューのほぼすべて。全部で20項目までいけるからほとんどをマイメニュー内でやれるのが便利なところ。
こちらはマイメニューに登録した項目の削除を行なう画面。
当たり前だけど、登録した項目の並びを変えることも可能だ。アクセス性を考えて調整したい。
マイメニューを「最近設定した項目」に切り替えることもできる。マイメニューのほうが便利だと思うけど。

 筆者個人はほかに割り当てたい機能があるのでやってないが、Fnボタンやプレビューボタンに「マイメニュー」や「マイメニューのトップ項目先へジャンプ」を割り当てられるようになっている。カメラをホールドした状態で指が届く一等地にあるボタンでマイメニューを呼び出せるようにしてあるぐらいなのだから、重要度は相応に高いと考えていいのである。

 というところで、以下、筆者のマイメニュー内容を紹介していこう。参考になるかどうかは分からないけれど。

 20項目のトップは「水準器表示」。これは液晶モニターに表示されるもので、つまりは三脚撮影用である。ちなみに、ファインダー内のはFnボタンに割り当ててある。次が「電池チェック」。だいたいの残量は表示パネルやインフォ画面で確認できるが、こちらはパーセント単位で見られるし、電池を装填してから何回シャッターを切ったかも教えてくれる。3番目の「d10 露出ディレーモード」は三脚撮影時のお伴で、ミラーショックによるブレを軽減するための機能。それから「ISO感度設定」。感度設定自体は背面のボタン+メインコマンドダイヤルで設定できるが、感度自動制御のオンオフ用と制御上限感度とかの設定変更用として入れている(と思ってたら、感度ボタン+サブコマンドダイヤルでオンオフの切り替えができるのを発見した)。

マイメニューの1ページ目。ここはわりとよく使う項目を並べてある。

「d9 イルミネーター点灯」は、上面の表示パネルの照明を常時点灯にできる項目。オンにすると電池は無駄になるけど、夜景なんかを撮るときにいちいち電源スイッチを回さなくてもすむようにできる。「長秒時ノイズ低減」は、オンにすると連写スピードと連写できるコマ数が落ちるから、必要なときだけ使うようにしている。「高感度ノイズ低減」は、たぶん「標準」から動かすことはないと思うが念のために入れてある。1ページ目のラストは「c1 半押しAEロック」。基本が“親指AF-C”なので、シャッターボタンでAEロックを可能にしている。ただ、動きものが相手のときは、半押しでAEロックしないほうがいいケースも多いので、というのが理由。

 2ページ目のトップは「f4 AE/AFロックボタンの機能」。“親指AF-C”を解除して、“人差し指AF”での挙動をチェックしたいときなどに使う。次の「a3 AFロックオン」は基本的には「しない」にしている。理由を説明すると長くなるからやらないけれど、ピントの動き出しを速くしたいなら「しない」がベスト。ただし、動きもので電柱や通行人とかが、カメラと被写体のあいだを横切ることがあるような条件ではケースバイケースでの設定となる。「自動ゆがみ補正」は、これも連写可能なコマ数に影響を与えるので、入れておきたい項目。純正じゃないレンズではグレーアウトする項目なので、オンにしっぱなしでも誤動作の心配はない。

2ページ目は比較的使用頻度の低い項目がメイン。

 「アクティブD-ライティング」は比較作例用。自分の撮影では使わない。一方、「ヴィネットコントロール」は純正外のレンズでも作動するのでややこしい。周辺光量の補正にはレンズの特性データがないといけないはずだから、使うレンズと状況に合わせる必要がある。「HDR(ハイダイナミックレンジ)」も基本的にはまず使わないが、1枚だけではダイナミックレンジが不足するときのキリフダとして。あと、比較作例用として。

 「画質モード」、「ホワイトバランス」、「ピクチャーコントロール」の3つは、背面のボタンからダイレクトにアクセスできるので、ほんとはなくてもいい。が、D600の場合、ボタンは背面なのに表示は上面という不思議な仕様なので、メニューからのアクセスのほうがやりやすいかもしれないと思って登録してある(インフォ画面を表示させてからボタンを押すと、背面だけで操作を完結できて便利だったりする)。

 「撮像範囲設定」をラストにしているのは、逆から回って早くたどり着けるから。実際は「マイメニュー登録」、「登録項目の削除」、「登録項目の順序変更」、「このタブの機能変更」があるのでそれほど素早くはアクセスできないが、2ページ目の項目よりは少ない手数でたどり着ける。1ページ目に入れるほどではないが、アクセス性はそこそこいいポジションにと思う項目を置いておくのにいい場所なのだ。

3ページ目は逆回りで早くたどり着ける分、2ページ目よりもアクセス性はよかったりする(ほんとはあと2項目登録できる)。

 まあ、そういう感じで並べてはいるが、実際のところはたいてい1ページ目だけで用は足りてしまう。普通に使っている分には通常のメニューに入り込む必要がないのがありがたい。メニュー操作の快適性を上げたいなら、是非取り組むべき機能だと思う。

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 シグマのレンズを2本手に入れたので、今回はその2本で撮ったものを掲載する。

 望遠マクロの「APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM」は、旧モデルからずっと愛用しているレンズで、すでに好きな画角になってしまっている。ちょっと大きく重くはなったが、手ブレ補正機構を内蔵して画質も上がっている。

 明るめ広角の「24mm F1.8 EX DG Macro」は、設計が古いのが心配だったけど、広角でボカせるのはおもしろい。ボディ駆動のAFだからなのか、少々ピントがばらつく印象があるものの、価格から考えればとてもお買い得感のあるレンズだ。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
メーターボックスのメーターが抜かれててボックスだけ残ってる。メーター外すときにボックスも取っちゃえばいいのにって思う。D600 / APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM / 6,016×4,016 / 1/320秒 / F6.3 / 0.7EV / ISO280 / WB:オート2 / 150mm
感度自動制御をオンにして、低速限界設定は手ブレを嫌って1段速めにセット。まあ、このぐらいの感度なら画質面での不安はない。D600 / APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM / 6,016×4,016 / 1/320秒 / F5 / -1EV / ISO500 / WB:オート2 / 150mm
24mmって、昔は超広角に属する画角だったけど(オリンパスだけだったかも)、今はもう広角っぽく感じなくなった気がする。D600 / 24mm F1.8 EX DG Macro / 6,016×4,016 / 1/200秒 / F8 / −0.7EV / ISO100 / WB:オート2 / 24mm
思い切って絞り開放で撮ってみた。“親指AF”で数回AF作動を繰り返すと、ピントのばらつきはかなり抑えられるように思う。D600 / 24mm F1.8 EX DG Macro / 6,016×4,016 / 1/100秒 / F1.8 / 0.3EV / ISO100 / WB:オート2 / 24mm
今の高等裁判所に相当する控訴院の建物がそのまま資料館になっている。目隠しをした顔の像はギリシャ神話の法の女神に由来するのだそうな。D600 / APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM / 6,016×4,016 / 1/320秒 / F8 / 0.3EV / ISO1250 / WB:オート2 / 150mm
大通公園は2月5日から開催される「さっぽろ雪まつり」の準備中。小さい雪像用の「お豆腐」があちこちに並んでいた。D600 / 24mm F1.8 EX DG Macro / 6,016×4,016 / 1/160秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート2 / 24mm
規模が大きめのところはすでに荒削りまで進んでいた。恐竜だかワニだかよく分かりませんが。D600 / 24mm F1.8 EX DG Macro / 6,016×4,016 / 1/400秒 / F8 / −0.7EV / ISO100 / WB:オート2 / 24mm
ピクセル等倍で見ると、けっこう古さ感が目に付く。で、650mのを建てる計画が持ち上がったらしいけど、結局ぽしゃったとか。D600 / APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM / 6,016×4,016 / 1/320秒 / F5.6 / 0EV / ISO280 / WB:晴天 / 150mm
木の枝越しに付きにピントを合わせた。“親指AF”+超音波モーターのレンズはこういうときに便利。D600 / APO Macro 150mm F2.8 EX DG OS HSM / 6,016×4,016 / 1/400秒 / F4 / −1EV / ISO100 / WB:晴天 / 150mm
商業ビルの屋上にある観覧車。見晴らしはよさそう(まだ乗ったことはないけど)。絞り開放で、しかもガラス越しなものだから、解像はもうひとつ。D600 / 24mm F1.8 EX DG Macro / 6,016×4,016 / 1/100秒 / F1.8 / −1EV / ISO100 / WB:晴天 / 24mm

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら