気になるデジカメ長期リアルタイムレポート

キヤノンEOS M【第5回】

撮影時の情報表示と操作についてのあれこれ

 EOS Mも含めたライブビューカメラでは、撮影時の画面上にいろいろな情報やアイコンが表示されるわけだが、モニター画面は被写体を見るためのファインダーでもあるわけだから、あまりごちゃごちゃいっぱい出てくるのは好ましくないと思っている。

 EOS Mの場合、撮影時の画面表示は3種類あって、ひとつは測距点のフレームだけのもの。それから露出情報やモード表示付きのもの。あと、いろんな機能のアイコンまで表示されるものがある。使用説明書にはそれぞれの名称は見当たらないようなので、勝手に「表示なしモード」、「簡易表示モード」、「詳細表示モード」と呼んでいるが、簡易表示モードでも撮影モードやクイック設定、タッチシャッターのアイコンはずっと表示されている。これがけっこううっとうしい。

画面左下に表示されているタッチシャッターのアイコン。これに触ってしまうとタッチシャッターがオンになってしまう。というのがうっとうしいのでなんとかしたいと考えたわけ。
メニューのタッチシャッターの設定画面。ここで「しない」を選んでも、画面上のアイコンに触るとオンになっちゃうのだ。
「簡易表示モード」と勝手に呼んでいる画面。今まではこの状態で使ってたけど、撮影モード、クイック設定、タッチシャッターのアイコンが邪魔だなぁって思っていた。
こっちのは「詳細表示モード」と呼んでいる。クイック設定で変更可能な項目のアイコンも表示される。

 クイック設定は十字キーの中央ボタン(Q/SETボタン)で呼び出せるのだから、筆者個人としては、わざわざモニター画面にまで表示する必要はないと思っている。画面左下のタッチシャッターのアイコンも個人的には消したい度が高い。もちろん、タッチシャッターを好んで使う人にとっては表示されていてしかるべきだろうけれど、そうでない人(筆者はこちらに属する)にとっては、モニター上にアイコンがあること自体が腹立たしかったりするのである。

 なにしろ、タッチシャッターのアイコンは触れるだけでオンオフが切り替わる仕様である。メニューでオフにしていても、気づかないうちに触ってしまってオンに切り替わっていることがちょくちょくある。測距点を移動させるつもりで画面に触れたとたんにシャッターが切れる、なんてことが起きるとついイラッとしてしまう。

 もちろん、こんなのはトラブルとはいえないレベルの小さな問題であって、いちいち目くじらを立てるものではないと頭では理解しているが、この先も、この小さな問題に幾度となく遭遇するのは目に見えていて、そのたびにため息をついたり舌打ちをしたりして消去ボタンを押さないといけないのだよなぁと思うと、ため息が漏れてしまうのでありますよ。

 といって、不要なアイコンを任意に非表示にできるようなオプションはない。表示なしモードならタッチシャッターのアイコンもクイック設定のアイコンも消えてくれるけれど、シャッター速度や絞り値とかまで消えてしまうので不便である。などと考えつついじっていたら、どうもそうでもなさそうな感じがしてきた。

 表示なしモードでも、シャッターボタンを半押しすると、撮影可能コマ数と連写可能コマ数、シャッター速度の絞り値に露出補正値、それからISO感度は表示してくれる。半押し状態を解除すると消えてしまうものの、露出関連のデータを確認するには十分だ。電子ダイヤルを回すと、絞り優先AEなら絞り値が、シャッター優先AEとマニュアル露出ではシャッター速度が変更できる。操作終了後も3秒ほどは表示が残ってくれる。ふむふむって感じである。ただし、プログラムAE時はちょっとダメ。電子ダイヤルを回してのプログラムシフトは可能だが、表示が出てくれない。回して半押ししてという作業を繰り返しやれば使えなくはないけれど、便利とはいいがたい。

 今度は右キー(露出補正ボタン)を押してみる。そうすると、電子ダイヤル操作で露出補正が可能な状態で、さっきと同じ表示が出る。これもやっぱり3秒ほどで消えるが、表示が出ているあいだに画面上のアイコンにタッチしてみたら、これもばっちり。絞り優先AEなら絞り値と露出補正値のほかにISO感度のアイコンが表示されているのだが、ISO感度のアイコンに触れると、ISO感度の帯が出て左右キーやタッチで設定を変更できる画面(これも勝手に「帯表示」って呼んでる)に切り替わってくれる。ちなみに、この帯表示の場合、無操作で表示が消えるまでの時間はだいたい6秒だった。

「表示なしモード」は測距点の枠だけしか表示されない。すっきりしていて気持ちはいいが、露出情報とかまで見られないのは不便。
シャッターボタンを半押ししたところ。最小限の情報は表示してくれる。ある程度、操作に慣れた人ならこれで十分な気がする。
絞り優先AEで電子ダイヤルを回したときの画面。当たり前だがちゃんと絞り値が変わる。この状態は3秒ほど継続する。プログラムAE時のプログラムシフト操作は表示してくれないけど。
右キー(露出補正ボタン)を押したときの表示。この状態で電子ダイヤルを回せば露出補正となる。表示なしモードでも基本的な撮影操作には困らないのである。
ISO感度のアイコンにタッチしたときの画面。左右キーを押したり、電子ダイヤル回したりすると、ISO感度が変えられる。
こちらは露出補正のアイコンにタッチしたときの画面。小さくてもうひとつ扱いづらい電子ダイヤルを回す操作よりも、左右キーを押すほうが操作の確実性は上。

 まあ、冷静に考えれば当たり前の動作なのだけれど、こちらとしてはジャストばっちり好都合。露出の設定は不自由なくできるし、タッチシャッターや撮影モード、クイック設定のアイコンは消えている。願ったり叶ったり状態なのだ。とりあえず、これでしばらく使ってみようと思う。

 一応書いておくと、ISO感度は下キー(消去ボタン)に割り当てることもできるが、そうすると測距点を中央に戻す方法がなくなってしまう。EOS Mでは測距点移動はタッチ操作オンリーだから、ねらったところに正確に移動させるというのが難しい。おおざっぱにだいたい中央に戻せればいいよって人にはいいだろうが、ぴったり中央じゃないと落ち着かないものだから、下キーは中央リセットに使いたい。なので、ISO感度を下キーに割り当てる案は却下である。

ちなみに、下キー(消去ボタン)にISO感度を割り当てることはできるが、そうすると、測距点の中央戻しができなくなるのが難点なのだ。
表示なしモードからインフォボタンを1回押すと表示されるインフォクイック画面。撮影モードが選択された状態にしておくと素早くモード変更ができる。
インフォクイック画面でQ/SETボタンを押すと撮影モードの選択が可能。押さずに回してもモード変更はできるけど、押してからのほうが選択肢が見られるので確実に操作できる。

 さて、お次は撮影モードの変更だが、これはさすがに表示なしモードのままでは無理。でも、インフォボタンをひと押しするとインフォクイック設定に切り替わるので、そこからなら撮影モードは変更できる。あらかじめクイック設定画面で撮影モードを選択した状態にしておけば、インフォボタン→電子ダイヤル→シャッターボタン半押し、またはインフォボタン→中央ボタン→左右キー→シャッターボタン半押し、という流れで撮影可能な状態に戻ってこられる。手数が少ないのは前者のほうだが、後者のほうが選択肢を見ながら操作できるので確実だ。

 残念なのは拡大表示機能へのアクセスが悪くなること。拡大アイコンが表示されないので、インフォボタンを2回押して拡大アイコンにタッチしてピントを合わせたりして、全画面に戻ったらまたインフォボタンを2回押して表示なしモードに戻る、という手順を踏まなきゃいけないので面倒くさい。もっとも、拡大機能を使うのは三脚+MFで撮るケースが多いと思うので、我慢できなくはない範囲ということにしておく。

 ISO感度や撮影モードの変更操作の手数が増えてしまう分、多少まどろっこしく感じられる部分はあるとはいえ、気づかないうちに設定が変わってしまう心配がないほうがずっといいし、なによりアイコンのないすっきりした画面が見られるのが気持ちいい。個人的にはEOS Mの電子ダイヤルは径が小さくて使い勝手がいまいちに感じられるので、露出補正も、右キーを押して電子ダイヤルを回す通常の操作よりも、右キー→露出補正アイコンにタッチ→左右キーで補正、のほうが操作の確実性は高い(あくまで個人的な感想のレベルですよ)。このあたりも、素早い操作を優先するか、確実さを重視するかの問題なので、そのときどきの気分次第で使い分ければいいかと考えている。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。
午前中は晴れていたのに、カメラを持って出かけたら雲が出て、こんな感じ。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/2,500秒 / F5.6 / −0.7EV / ISO100 / WB:オート / 18mm(29mm相当)
旭山記念公園の展望広場からの市街地。左手奥のほうはたぶん雪が降ってる。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/800秒 / F5.6 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 22mm(35mm相当)
ピクチャースタイルのオートは空がちょっと鮮やかになりすぎるのがあまり好きじゃないところ。スタンダードに変えたほうがいいかもしれない。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/640秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 41mm(66mm相当)
所々だけど、かちかちに凍り付いてつんつるてん状態になってる。こうなると絶望的に滑る。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 18mm(29mm相当)
公園のテーブルとベンチ。もうしばらくすると、埋もれて見えなくなる。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/160秒 / F8 / 0.7EV / ISO100 / WB:オート / 35mm(56mm相当)
樹の幹に取り付けられているのは、たぶん何かを説明するための札だと思うのだが、書き直そうというつもりはないのだろうか。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/60秒 / F8 / 1EV / ISO100 / WB:オート / 24mm(38mm相当)
近所のノラネコじゃなければキタキツネの足跡。一度くらいは生でお目にかかってみたいけど。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/400秒 / F8 / 0.3EV / ISO100 / WB:オート / 18mm(29mm相当)
冬の公園は雪捨て場になるので、遊具はこんなふうに埋もれてしまう。EOS M / EF-M 18-55mm F3.5-5.6 IS STM / 5,184×3,456 / 1/100秒 / F7.1 / 0.3EV / ISO100 / WB:オート / 55mm(88mm相当)

北村智史

北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら