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ニコンD600【第4回】

感度設定について考えてみた

Reported by 北村智史


 「D600」の感度設定範囲は、常用でISO100からISO6400まで。拡張設定を含めるとISO50相当の「L 1.0」からISO25600相当の「H 2.0」までとなる。画素数が半分の「D700」と最高感度が同じなのだから、よく頑張ったといっていいと思う一方、ライバルのキヤノン「EOS 6D」はISO102400相当(感度拡張でH2時)まで使えるのを考えるとちょっと見劣りも感じてしまう。

 もっとも筆者の場合、使うISO感度の数字は4ケタもあればたいていは足りる。5ケタのISO感度で撮ることはまずないし、というか、必要なシーンに行かないから使いようがないのである。まして6ケタなんてとてもとても、って感じである。とはいえ、技術の進歩を否定するつもりは毛頭ない。高感度の範囲が広がれば広がるほど、画質劣化を気にせずに使える感度の範囲も広がるわけだから、高感度化はどんどん頑張っちゃってください派である(ただし、低感度域の画質を犠牲にしないという前提条件は守って欲しいけど)。

 で、D600の感度による画質の違いを見てみると、個人的な感覚では、ISO1600は低感度域という印象。ISO3200、ISO6400になって、ようやく「あ、感度上がってきてるね」感が目に見えてくる。D700で撮ったのを見てみると、ISO6400あたりまでは似たような傾向だが、そのうえのH 1.0(ISO12800相当)でぐっとノイズが増える。それに対して、D600は増感モードのH 1.0やH 2.0が、ISO6400の延長線上にある感じで、高感度が必要なことが明白なシーンであれば十分使用に耐えると思う(使いたいかどうかは別にして)。

 ただまあ、画質面で我慢できる範囲で考えると、筆者個人としては、普通に使っていいかなと思えるのはISO3200まで。ISO6400のノイズは常用するにはちょっと抵抗がある。なので、“個人的常用感度範囲”はISO3200まで。状況によってはISO6400も許容する。写ってりゃなんでもいいや的非常事態ともなれば、ISO12800どころかISO25600でも許しちゃうだろうけれど、基本はISO3200までで運用することになるだろう。

 「高感度ノイズ低減」をどうするかという問題もあるが、これは初期設定の「標準」のまま使うことにしようと思っている。カメラによってはオフや弱にしたほうが、いい結果が得られたりするが(ザラツキが増えてもディテールが残ってくれるほうが好みである)、D600の場合、ISO1600までなら高感度ノイズ低減による画質への影響はあまりないし、ISO3200でも顕著な差があるでもない。だったら、ある程度ノイズ低減を効かせたほうがよさそうだ。まあ、あとで考え直して「しない」か「弱」に切り替えるかもしれないが、今のところは「標準」にしておくつもりだ。

  • 作例のサムネイルをクリックすると、リサイズなし・補正なしの撮影画像をダウンロード後、800×600ピクセル前後の縮小画像を表示します。その後、クリックした箇所をピクセル等倍で表示します。
  • 縦位置で撮影した写真のみ、無劣化での回転処理を施しています。

※共通設定:D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / マニュアル露出 / F5.6 / 0.0EV / WB:オート2 / 50mm

※サムネイルは等倍で切り出したものです。クリックするとオリジナル画像が表示されます。

高感度ノイズ低減:しない

L 1.0(ISO50相当) ISO100
ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600
ISO3200 ISO6400
H 1.0(ISO12800相当) H 2.0(ISO25600相当)

高感度ノイズ低減:弱

L 1.0(ISO50相当) ISO100
ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600
ISO3200 ISO6400
H 1.0(ISO12800相当) H 2.0(ISO25600相当)

高感度ノイズ低減:標準

L 1.0(ISO50相当) ISO100
ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600
ISO3200 ISO6400
H 1.0(ISO12800相当) H 2.0(ISO25600相当)

高感度ノイズ低減:強

L 1.0(ISO50相当) ISO100
ISO200 ISO400
ISO800 ISO1600
ISO3200 ISO6400
H 1.0(ISO12800相当) H 2.0(ISO25600相当)

 もうひとつ。感度コントロールを自分でやるか、それともカメラまかせにするか、というのもある。今まではずっと感度は自分で決めていたのだけれど、最近は一眼レフカメラでも感度オートが当たり前に付いているし、それなりに便利に使えるようになってきた。たいていはISO100固定で撮っているけれど、状況によってはオート(ニコンは何かと分かりづらい言葉を使いたがる傾向があって、これも「感度自動制御」である)に設定するのもありだと思う。

ISO感度の設定画面。今回は感度自動制御を使って撮ってみた。 D600でブレを隠すために、低速限界設定をオートに。さらに1ステップ高速側にシフトすることで、早めに感度を上げてしまおうという作戦である。

 さて、感度自動制御には「制御上限感度」と「低速限界設定」の2つのオプションがあって、前者は文字どおりなのになぜかややこしそうな響きがある。ようは、オートで上がる感度の上限を決める項目で、初期設定はISO6400になっている。つまり、暗くなって感度が上がっていってもISO6400までしかあげないよ、という意味だ。筆者なりの常用感度範囲をISO3200までに決めたので、ここはISO3200に設定する。

 後者は、感度を上げはじめるシャッター速度のことで、これよりも遅くしたくないシャッター速度を設定する。D700では単純にシャッター速度を設定するだけだったが、D600には「オート」が追加されている。これは装着したレンズの画角に応じて低速限界が変化するもので、伝統的な手ブレ限界(「1/焦点距離」秒)を基準にしている。なので、50mmレンズを付けたときは、1/50秒をキープするよう感度が上がっていくことになる。

 で、その感度の上がる基準のシャッター速度を±2段、合計5段階に変えられるようになっている。1ステップがシャッター速度の1段に相当するようで、低速側に1ステップ動かすと低速限界が1/25秒に、高速側に1ステップ動かすと1/100秒に変わる。

これは感度自動制御オフ時のインフォ画面。感度はISO100固定でシャッター速度が1/8秒という条件。 で、感度自動制御をオンにする。シャッター速度が「1/焦点距離」秒より1段速くなるように、感度が自動的にアップダウンする。便利です。

 以前は手ブレ限界より1、2段遅くてもブレない自信があったが、実はそう勘違いしていただけのようで、一眼レフが1,000万画素を超えたあたりから細かいブレが気になりはじめ、最近では「1/焦点距離」秒でも心配だったりもする。なにしろ、2,400万画素の画像をピクセル等倍で見るのが当たり前なのだ。これは畳サイズにプリントしたのを50〜70cmぐらいの距離で見るのに近いあら探し状態であって、ほんのちょっぴりのブレでさえもあからさまになってしまう。

 そんなに大きなサイズにプリントすることなんてないんだから、ピクセル等倍で見るのをやめりゃいいんだ、という説もあるが、見えてしまうものは見てしまう。見てしまえば気になってしまう。今さら無視することなどできやしない。1ピクセルだろうが半ピクセルだろうがブレとして認知できる以上は防ぎたい。となれば、低速限界設定を上げればいい。とりあえずは、1ステップ高速側にセットして様子を見てみようと思う。

もともとなんだかよくわからないオブジェだけど、アップにしたらさらになんだかよくわからない。このカットは設定を間違えていて、1/200秒になっている。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/200秒 / F2.2 / −2.3EV / ISO800 / WB:オート2 / 50mm
これもパッと見ではなんだかわからないだろうけど、グラデーションカラーの金属パイプをたくさん並べたベンチの背もたれ。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F2.2 / 0EV / ISO2000 / WB:オート2 / 50mm
ISO1400なんていう普通はお目にかかれない数字が頻繁に出てくるのが感度自動制御のおもしろいところ。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F2.2 / 0EV / ISO1400 / WB:オート2 / 50mm
それにしても、ISO1600までなら“低感度”と呼んでもいいぐらいにノイズが少ない。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F1.8 / 0.7EV / ISO1250 / WB:オート2 / 50mm
駅前のガラスのドーム。待ち合わせの場所として有名だが、名前を知っている人は少ないらしい。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F2 / 0.7EV / ISO500 / WB:オート2 / 50mm
夜景を撮るときのホワイトバランスはいつも悩むけど、白熱灯の温かみが残る「オート2」がよさそうな感じ。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F2.2 / 0EV / ISO1400 / WB:オート2 / 50mm
開き気味の絞りでもそれなりに解像するレンズがあれば、街の夜景は普通に手持ちで撮れてしまう。こんなにお手軽でいいんだろうかって思うけど。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F2 / −0.7EV / ISO400 / WB:オート2 / 50mm
制御上限感度はISO3200に設定してある。なので、ISO3200で1/100秒よりも暗いシーンになると、シャッター速度が遅くなりはじめる。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/50秒 / F2 / −1EV / ISO3200 / WB:オート2 / 50mm
クリスマスシーズンに向けて(?)イルミネーションが施されているテレビ塔。でも、きれいなのは大通公園側の一面だけだったりする。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/80秒 / F2 / 1EV / ISO3200 / WB:オート2 / 50mm
街のあちこちでクリスマスの飾り付けが見られるようになってきた。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F1.8 / 0EV / ISO180 / WB:オート2 / 50mm
国内最強のがっかり観光地ともいわれる時計台は、背後のビルが見えにくい夜に行くのがベターのようです。
D600 / AF-S 50mm F1.8 G / 6,016×4,016 / 絞り優先AE / 1/100秒 / F2.5 / 0.3EV / ISO720 / WB:オート2 / 50mm






北村智史
北村智史(きたむら さとし)1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストきたむら さとし 1962年、滋賀県生まれ。国立某大学中退後、上京。某カメラ量販店に勤めるもバブル崩壊でリストラ。道端で途方に暮れているところを某カメラ誌の編集長に拾われ、編集業と並行してメカ記事等の執筆に携わる。1997年からはライター専業。2011年、東京の夏の暑さに負けて涼しい地方に移住。地味に再開したブログはこちら

2012/11/29 00:00