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キヤノンEOS 5D Mark II【第3回】

APS-C機とダイナミックレンジを比較

Reported by 大浦タケシ


 久しぶりのキヤノンEOS 5D Mark II長期リアルタイムレポートだが、今回はAPS-Cサイズのイメージセンサーを持つEOS 7Dとのダイナミックレンジの違いを見てみることにしよう。

EOS 5D Mark II(手前)とEOS 7D(奥)。写真では前後にカメラを並べていることもあるが、それを差し引いても撮像素子の大きさの違いは明確だ

 一般に撮像素子の画素ピッチが大きいとダイナミックレンジに有利といわれている。画素ピッチが大きいほど受光面積もその分大きくなり、より多くの光を取り込める。光を多く取り込めれば取り込むほど、良質な画像を生成できるからだ。

 この理屈からいえば、同じような画素数であればイメージセンサーの小さいものより大きいほうが当然画素ピッチも大きく、より広いダイナミックレンジが得られることになる。そこで、EOS 5D Mark IIとEOS 7Dを比べ、ダイナミックレンジの違いを見てみることにした。ちなみに両モデルの画素ピッチは、有効2,110万画素のEOS 5D Mark IIが約6.4μm、有効1,800万画素のEOS 7Dは約4.3μmとなる。

 比較作例は、以下の条件で撮影した。

  • 露出:同一設定
  • ISO感度:ISO100
  • WB:オート
  • ピクチャースタイル:スタンダード
  • オートライティングオプティマイザ:OFF
  • 高輝度側・階調優先:OFF
  • レンズ:同じズームレンズを使用(画角、アングルともなるべく同じとなるよう調整しているが、若干の違いはお許しいただきたい)

    ※編集部注:今回はあくまでもJPEGファイルでの比較であり、RAWデータにおける両機種の実力を推し量るものではありません。ご了承ください。


    EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約6.1MB / 5,616×3,744 / 1/80秒 / F11 / -1.3EV / ISO100 / WB:オート / 75mm EOS 7D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約5.6MB / 5,184×3,456 / 1/80秒 / F11 / -1.3EV / ISO100 / WB:オート / 47mm
    EOS 5D Mark II / EF 70-200mm F2.8 L IS II USM / 約6.2MB / 3,744×5,616 / 1/2.5秒 / F22 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 100mm EOS 7D / EF 70-200mm F2.8 L IS II USM / 約5.4MB / 3,456×5,184 / 1/2.5秒 / F22 / -0.3EV / ISO100 / WB:オート / 70mm
    EOS 5D Mark II / EF 17-40mm F4 L USM / 約7.6MB / 3,744×5,616 / 1/200秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm EOS 7D / EF 17-40mm F4 L USM / 約7.2MB / 3,456×5,184 / 1/200秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 17mm
    EOS 5D Mark II / EF 17-40mm F4 L USM / 約5.3MB / 3,744×5,616 / 1/250秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm EOS 7D / EF 17-40mm F4 L USM / 約5.3MB / 3,456×5,184 / 1/250秒 / F11 / -1EV / ISO100 / WB:オート / 17mm
    EOS 5D Mark II / EF 17-40mm F4 L USM / 約6.3MB / 3,744×5,616 / 1/125秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 29mm EOS 7D / EF 17-40mm F4 L USM / 約6.1MB / 3,456×5,184 / 1/125秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 17mm
    EOS 5D Mark II / EF 17-40mm F4 L USM / 約5.0MB / 5,616×3,744 / 1/30秒 / F11 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 29mm EOS 7D / EF 17-40mm F4 L USM / 約5.0MB / 5,184×3,456 / 1/30秒 / F11 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 17mm
    EOS 5D Mark II / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約9.3MB / 5,616×3,744 / 1/200秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 105mm EOS 7D / EF 24-105mm F4 L IS USM / 約7.5MB / 5,184×3,456 / 1/200秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 67mm
    EOS 5D Mark II / EF 17-40mm F4 L USM / 約5.7MB / 5,616×3,744 / 1/320秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm EOS 7D / EF 17-40mm F4 L USM / 約6.0MB / 5,184×3,456 / 1/320秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 17mm
    EOS 5D Mark II / EF 17-40mm F4 L USM / 約4.7MB / 3,744×5,616 / 1/400秒 / F8 / 0EV / ISO100 / WB:オート / 28mm EOS 7D / EF 17-40mm F4 L USM / 約4.9MB / 3,456×5,184 / 1/400秒 / F8 / +0.3EV / ISO100 / WB:オート / 17mm

     さて結果だ。正直にいえば、フルサイズのEOS 5D Mark IIで撮影した画像とAPS-CサイズのEOS 7Dで撮影した画像に違いはない。この比較撮影を行なう前は、少なからずEOS 5D Mark IIが優位であることを期待していたのだが、見事に裏切られてしまった感じである。逆光など極端な明暗比で撮影した画像をよく見ると、わずかにEOS 5D Mark IIのほうがダイナミックレンジは高いように思われるが、それも目を皿のようにして細かく比較したときのこと。両モデルの明確な違いはないといってよい。ちなみに、ピクチャースタイルはどちらもスタンダードを選択しているが、絵づくりに関しても違いは感じられず同じといえるものである。

     ただ、EOS 5D Mark IIの肩を持つわけではないけれど、このカメラのダイナミックレンジは決して低いわけではない。むしろ、デジタル一眼レフカメラとして不足をまったく感じさせないものである。それよりも本題とは逸れてしまうが、この結果はEOS 7Dのスゴさを改めて思い知るものといえる。画素ピッチはEOS 5D Mark IIの約2/3であるにも関わらず、それと同等のダイナミックレンジを達成していることには正直驚きを隠し得ない。画素ピッチはたしかに大きいほうが有利かも知れないが、デジタルの進歩はそんな理屈もあっさりと覆してしまう。

     期待のEOS二ケタモデル、EOS 60Dが発表された。上位モデルのEOS 7DとエントリーモデルのEOS Kiss X4のよいところをしっかり受け継いでいる。次のリニューアルといえば、タイミング的にEOS-1Ds Mark III後継モデルかも知れないが、EOS 5D Mark IIも遅かれ早かれその時期がやってきそうだ。どのように進化するか今から考えてみるのも楽しい。

    【2010年9月27日】JPEGデータでの比較であり、RAWデータでの実力の差を踏まえてないことを注記しました。

    【2010年9月27日】「EOS-1D Mark III後継モデル」を「EOS-1Ds Mark III後継モデル」に改めました。



大浦タケシ
(おおうら・たけし)1965年宮崎県生まれ。日本大学芸術学部写真学科卒業後、二輪雑誌編集部、デザイン企画会社を経てフリーに。コマーシャル撮影の現場でデジタルカメラに接した経験を活かし主に写真雑誌等の記事を執筆する。プライベートでは写真を見ることも好きでギャラリー巡りは大切な日課となっている。カメラグランプリ選考委員。

2010/9/27 00:00